宇夫階神社の御朱印~唯一神明造と古代祭祀跡~(香川県綾歌郡宇多津町)

所在地香川県綾歌郡宇多津町1644
祭 神●主祭神
・大己貴命
●配祀神
・豊受大御神
由 緒創建年は不詳。景行天皇の皇子・日本武尊の子・武殻王が阿野郡に下向する際、暴風に遭ったという。そこで武殻王が宇夫志奈大神に祈念すると、一羽の烏が船の前に現れたという。そして武殻王は水夫に命じて烏の飛び行く方向に船を漕がせたところ、泊浦(現・本島)に漂着し無事難を逃れたといいます。そんなこんなで、武殻王は宇夫志奈大神を仰ぎ、小烏大神と称えたそうです。そして、807年に現在地に遷座。1568年、地震により社殿が損壊しましたが、その後に生駒氏が再興。さらに1973年に社殿を焼失しましたが、伊勢神宮の外宮・多賀宮の正殿を賜り本殿として復元したそうです。その際、豊受皇大神を合祀したそうです。
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鳥居と狛犬

●宇多津町

本日は香川県の宇多津町をプラプラと散策しています。

宇多津町は坂出市と丸亀市に挟まれた小さな町で、香川のシンボル・ゴールドタワーがあることで有名な町です。

うたつ町?
うだつ町?

ノンノンノン。

うたづ町と読みます。


~画像はうだつの町並み(徳島県美馬市)~

私が今よりもっと阿保だったころ、うだつの町並みはこの宇多津町にあると思っていました・・・正解は徳島県美馬市です。

もちろんうだつ町と読んでいました。(えへ)

そんなこんなで、あるはずもないうだつの町並みを永遠と探し歩いた記憶があります。

25年前の話しです。


●境内入口

そんなこんなで、JR宇多津駅から徒歩15分。
宇夫階神社に到着。

宇夫階神社と書いてうぶしな神社と読みます。


●鳥居①

まず最初に登場するのは明神鳥居・・・

いや待て。

貫が突き抜けてないから神明鳥居か・・・?

いやいや、笠木と島木があるから神明鳥居でもない!

ななな、なんだこの鳥居は???


明神 + 神明 = 明明鳥居・・・。
明神 + 神明 = 神神鳥居・・・。
明神 + 神明 = 明神鳥居、いや神明鳥居、いや明神神明鳥居・・・

地味ながらもさりげな個性を出しちゃってます。

そんなこんなで、鳥居前でしばらく考え込む・・・(早よ、くぐれよ)

のっけから珍鳥居が登場したので気分は上々・・・そんなひと時でした。


●狛犬①②

●狛犬①②
・1816年奉納

鳥居①をくぐると、狛犬ちゃんがお出迎えしてくれました。

江戸期に奉納された垂れ耳のお座り型でした。


それにしても傷みが激しかったです。

何だか夢に出てきそうだ。。


●鳥居②

続いて、鳥居②が登場。

こちらはスタンダードな明神鳥居でした。


●狛犬③④

●狛犬③④
・1928年奉納

再び、狛犬ちゃんが登場。

こちらはアゴ髭をたっぷりとたくわえた垂れ耳のお座り型でした。

それにしても野蛮な歯をしています。
こんなのに噛まれたらひとたまりもない・・・こわいこわい。
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拝殿

●拝殿


●拝殿
・昭和時代建立
・銅板葺 切妻造
・鉄筋コンクリート造

●主祭神
・大己貴命

●配祀神
・豊受大御神

そんなこんなで、拝殿で参拝。


拝殿は神明造風のRC造。
千木は外削ぎ(男千木)。
鰹木は5本。
かなり大掛かりな造りになっていました。

どうやら、この神社は1972年の火災で拝殿・幣殿・本殿が全焼してしまったという。
そんな沈む歴史を持っていました。。

ということで、この拝殿は1972年の火災後に再建された社のようです。


神社の創始はなんと紀元前!

もともとは津之郷というところに鎮座し、宇夫志奈大神と称していたそうです。

ヤマトタケルの息子・武殻王が、阿野郡(現・綾歌郡)の国造となり、舟で瀬戸内海を巡視している際、暴風雨に遭ってしまったという。

そこで、武殻王は宇夫志奈大神に祈念。

すると小烏が登場し、泊浦(現・本島)へ導かれたという。
そして無事に難を逃れたという。

そんなこんなで、武殻王は宇夫志奈大神を崇めて小烏大神と称えたそうです。
現在でも小烏さんという別称で受け継がれているそうですよ。

その後、807年に朝廷の勅命で現在地へ遷座。

2007年に遷座1200年を迎えて現在に至ります。


~画像は小烏神社(広島県福山市鞆町)~

そういえば以前、広島県の鞆の浦で小烏神社という小さな神社を参拝したことがあったのですが、もしかしてあの時の小烏神社は宇夫階神社の小烏さんと何らかの関係があったのでしょうか?
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本殿

●本殿

●本殿
・1953年建立
・1976年移築再建
・銅板葺 唯一神明造
・国の登録有形文化財

そんなこんなで、本殿へ。

なんと本殿は唯一神明造!

って、あれ!?

唯一神明造って伊勢にしかないはずなのに何でここに!?


どうやら、もともとこの本殿は伊勢神宮外宮多賀宮の御正殿だったんだって。

1973年の第60回式年遷宮で解体された後、特別に拝戴して宇夫階神社の本殿として移築再建したものだという!

宇夫階神社の火災は1972年。
伊勢神宮の式年遷宮が1973年。

偶然にも火災と式年遷宮の時期が重なっているという。

火災で焼失したのは残念な事故ですが、そのことにより伊勢の御正殿を賜ることができたという何ともいえない運命的な巡り合わせ!

こういった縁もあるのですね。


御存知、伊勢神宮の社殿は20年ごとに建て替えられます。

そんなこんなで、20年を超えて伊勢の御正殿が残っているのは珍しいことらしいですよ。

ということで、この本殿はとっても珍しくて貴重なため、2005年に国の登録有形文化財に指定されました。

いやはや、本日も珍しいものが拝見できて有難き幸せ。
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磐境と御膳石

●磐境

そんなこんなで
はいドン!

本殿裏には巨大な磐境がドーンと鎮座していました!

なんとこちらは神社創建以前の古代祭祀の遺構だという!

ちなみに、磐境は神座とも呼ばれ、古代より信仰の対象として崇められていた石です。


●磐境
・高さ 5.5m
・直径 4m
・重さ 300トン以上
・宇多津町指定天然記念物

ただの巨石じゃん・・・と思われる方もおられるでしょうが、よく見たら巨石の下に基礎石があったり、人工的に加工したような切り込みがあったりするので、素人目で見てもただの石ではないのがわかります!


巨石の前にはお供え物を置く石台もあったりなんかします。


●御膳石

巨大な磐境の近くには御膳石という石もありました。

この御膳石は磐境に捧げる神饌を置いていた石なんだって。

もともとは磐境と御膳石は一体だったそうですが、昭和時代初期の神社改築の際に、磐境と御膳石は現在のようにズラした位置に配置されたみたいです。


その他、境内はたくさんの石がゴロゴロと点在していました。

もしかしたら、この石も磐境の一部なのかも知れません。

スピリチュアルパワーの受信器が壊れている私でも、何か不思議なパワーを感じたような!

そんな気がした古代浪漫スポットでした!
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塩竈神社と金刀比羅神社

●塩竈神社

●塩竈神社 拝殿
・1934年建立
・1985年改修
・銅板葺 入母屋造
・国の登録有形文化財

続いて、境内摂社であります塩竈神社を参拝。

境内社とは思えないくらい立派な社でした。


古くから宇多津は塩田業が盛んだったそうです。

そんなこんなで、もともと別の場所に鎮座していた東塩竈神社と西塩竈神社を宇夫階神社に遷座し、塩田守護神として信仰したんだって。

しかし1971年に塩田全面廃止。。
そして塩田は埋め立てられたんだそうな。

それまで、丸ウ浜塩田・角ウ浜塩田・沖桝浜塩田の3社が、会社ごとに日待祭を行っていたそうですが、塩田廃絶後は宇夫階神社が管理することになったんだって。

塩田が埋め立てられた後は新宇多津都市が誕生。
ゴールドタワーが建ち、お隣の町には瀬戸大橋が開通しました。

そういうこともあり、宇多津町は発展を遂げることになったという。

本殿同様、こちらも何とも言えない運命ですね!


●塩竈神社 本殿
・1934年建立
・1985年改修
・銅板葺
・千鳥破風・軒唐破風付き入母屋造
・国の登録有形文化財

木に隠れていたため、詳細を確認することができませんでしたが、亀甲積みの石積みが美しい本殿でした。


●金刀比羅神社

●金刀比羅神社 鳥居
・1855年建立
・明神鳥居

続いて、金刀比羅神社を参拝。

塩竈神社同様、こちらも境内摂社となります。


●金刀比羅神社 拝殿
・1874年建立
・瓦葺 入母屋造
・祭神 大物主神
・国の登録有形文化財

創建年は不詳ですが、江戸時代の古図に描かれていることから、少なくとも江戸時代には境内摂社として存在していたみたいです。

拝見することはできませんでしたが、拝殿内には1855年作の網浦眺望青山真景図絵馬があるそうですよ。

1855年は鳥居と同じ年。
もしかしたら、1855年に鳥居とともに奉納されたものなのかも知れませんね。

ちなみに、その絵馬は宇多津町の有形文化財に指定されているんだって。

境内社と社務所

●忠魂社と浦玉神社

●忠魂社 本殿(写真左)
・1935年建立
・銅板葺 軒唐破風 入母屋造
・国の登録有形文化財

●浦玉神社(写真右)
・建立年不明
・石造 軒唐破風 流造


●春日神社と木之山神社

●春日神社(写真左)
・建立年不明
・石造 入母屋造

木造の柱が鳥居っぽい形をしているのが面白いなぁ~と思いました。

●木之山神社(写真右)
・建立年不明
・銅板葺 流造


●粟島神社

●粟島神社
・建立年不明
・銅板葺 流造

社の両サイドには白鳥大神宮(左)と稲穂大明神(右)が祀られていました。


●地神社

そんなこんなで
はいドン!

地神社は社日塔になっていました!

●社日塔とは?

社日塔とは五角形の石碑で、それぞれの側面に天照大神・大己貴命・倉稲魂命・埴安媛命 ・少彦名命の5柱が刻まれている塔のことです。

社日とは9つある雑節の1つで、生まれた土地の神様・産土神を祀る日のことをいいます。

春分・秋分に最も近い戊の日が社日となり、その日は産土神を参拝し、春は五穀の種を供えて豊作祈願、秋は収獲に感謝するという風習です。



これでまた1つ社日塔コレクションが増えました!


●北之宮神社と貴船神社と石鎚神社

・左 → 北之宮神社
・中 → 貴船神社
・右 → 石鎚神社

その他、山王神社・南之宮神社・北之宮神社・宇里神社・多倶利社・和霊神社・大天宮社がありました。


●社務所


そんなこんなで、御朱印を頂くために社務所へ。

社務所の玄関には全国各地の絵馬がズラーと掛けられていました!

そんなこんなで、しばし絵馬観賞。

きっとこの中にはレアな絵馬もあるんだろうなぁ~。

とか思いつつ御朱印を待っていたひと時。


いやはや、素敵な神社でした。

御朱印情報

●御朱印の種類
・宇夫階神社の御朱印

●御朱印の受付場所
・社務所

●御朱印の受付時間
・不明

●御朱印の料金
・300円

●期間限定・特別御朱印
・なし

●オリジナル御朱印帳
・なし

・2018年3月26日 参拝
・2021年7月 更新
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参拝情報とアクセス

●JR宇多津駅

●開門時間
・境内自由

●拝観料
・無料

●最寄りの駅
・JR宇多津駅より徒歩15分 

●最寄りのIC
・瀬戸中央自動車道(瀬戸大橋)
 坂出北ICから5分

●駐車場
・無料の専用駐車場あり(20台)

宇夫階神社の地図

 

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