八坂神社の御朱印|大内氏の別邸・築山館跡に鎮座|山口の三大祭りの1つ・山口祇園祭|(山口県山口市)

所在地山口県山口市上竪小路100
祭 神 素盞嗚尊・稲田姫命・手名槌命・足名槌命
由 緒1369年、大内氏9代当主・大内弘世が京都・祇園社から神霊を勧請して創建したのが始まりといいます。創建当初は竪小路に鎮座していましたが、後に水の上に移し、そして1519年に鴻ノ峯の麓に遷座したそうです。1864年、長州藩13代藩主・毛利敬親が萩から山口に藩庁を移す際、現在地に遷座し現在に至るそうです。例祭の山口祇園祭は600年近く続く神事で、山口七夕ちょうちんまつり・山口天神祭と並んで、山口の三大祭りの1つとして知られています。
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八坂神社とは?


本日はレンタサイクルで西の京・山口を旅しています。

そんなこんなで、大内氏館跡の北側に鎮座する八坂神社に到着。

八坂神社と書いてやさかじんじゃと読みます。

●八坂神社とは?

1369年、大内氏9代当主・大内弘世さんが京都の祇園社(現・八坂神社)を勧請して創建したのが始まりといいます。

創建当初の社号は祇園社で、竪小路に鎮座していたそうです。

その後、1459年に大内氏13代当主・大内教弘さんの時代に水の上に遷座。


続いて、1519年に大内氏15代当主・大内義興さんが高嶺太神宮(現・山口大神宮)を創建する際、祇園社も同地に移転。

そして、1520年に社殿を造営したそうです(現・八坂神社 本殿)


1864年、長州藩13代藩主・毛利敬親さんが萩から山口に藩庁を移す際、大内氏の別邸・築山館跡地である現在地に遷座。

その際、高嶺太神宮に鎮座していた祇園社の本殿を解体して現在地に移築したそうです。

その後、1917年に本殿が特別保護建造物に。
そして、1950年に国の重要文化財に指定され現在に至るそうです。

そんなこんなで、参拝開始。
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鳥居と手水舎と狛犬

●鳥居①(竪小路側)

●鳥居①(竪小路側)
・建立年不明
・明神鳥居

まず最初に登場するのは竪小路側に立つ色あせた赤い大鳥居


この神社は竪小路側築山小路側御幸小路側のそれぞれに境内入口があり、それぞれに鳥居が立っているのですが、この大鳥居が1番立派でした。

ということで、こちらがメインの境内入口・・・と思っていたのですが、境内図を見ると築山小路側の鳥居の方が社殿の正面にあるので、この大鳥居は脇参道の入口っぽいです。

間違ってたらスミマセン!


●鳥居②(築山小路側)

●鳥居②(築山小路側)
・建立年不明
・明神鳥居

ちなみに、こちらが築山小路側鳥居です。

やはりこうやって見ると竪小路側の大鳥居の方がメイン感がありますね!


そんなことより、扁額には祇園社と書かれておりました。

本場・京都の祇園社同様、かつてはこの神社も祇園社と呼ばれていたみたいですね。


●参道

そんなこんなで、鳥居をくぐって境内へ。

うぅ〜ん、しかしどうしたものか。

境内の半分くらいの敷地が公園みたいになっているので、あまり神社っぽい雰囲気はありませんでした。

どうやら、この神社は大内氏の別邸・築山館跡に鎮座しているみたいです。

もしかしたら、その築山館の遺跡を後世に残すために公園として保存しているのかも知れませんね!(予想)


●手水舎

●手水舎
・建立年不明
・銅板葺 入母屋造

そんなこんなで、手水舎でお清め。

ちなみに手水舎は、赤い大鳥居がある竪小路側参道途中にありました。

やはり赤い大鳥居の方がメインの参道なのかも知れません・・・(笑)


●狛犬

●狛犬
・江戸時代奉納

続いて、狛犬ちゃんにご挨拶。

狛犬ちゃんの奉納年を確認することはできませんでしたが、ネットの情報によると1700年代に山口南部の市宝という石工が造ったものなんだとか。


そういえば、山口大神宮にこれに似たフォルムの狛犬ちゃんがいたなぁ。

もしかして、このタイプの狛犬ちゃんは山口特有の形式なのでしょうか?

この八坂神社は、もともと山口大神宮の祇園社だったといいますし。

ということで、もしかしてこの狛犬ちゃんも、もともとは山口大神宮にいたのかも?

そして神社の遷座とともにこの地にやってきたとか?

みたいな想像をしていたひと時でした。

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拝殿と本殿

●拝殿

●拝殿
・1868年建立
・銅板葺 入母屋造
・楼拝殿造

続いて、拝殿で参拝。

一見、楼門のように見えるこの社は、楼拝殿造という山口地方独特の形式で建てられた拝殿だという!

ということで、楼門のようにくぐることはできず、昇殿する構造になっています。


拝殿の両サイドにある翼廊には床が張られているので回廊ではありません。


ちなみに本日は今八幡宮古熊神社で楼拝殿造を拝見することができました。

今八幡宮の楼拝殿造はスマートでカッコいいものでしたが、八坂神社の楼拝殿造は上から押し潰されたような、どこか可愛いらしさのある造りになっていましたよ。


この神社を現在地に遷座したのは長州藩13代藩主・毛利敬親さんといわれています。

ということで、拝殿の棟と蟇股には毛利氏の家紋・一文字三ツ星がありました。


●鷺舞

この神社は別名・祇園さまと呼ばれ親しまれているそうです。

本場の京都・祇園祭と同じく毎年7月に行われる山口祇園祭は約600年も続く神事で、山口七夕ちょうちんまつり・山口天神祭と並んで山口の三大祭りの1つなんだって。

しかし京都の祇園祭と違うのは、京都・八坂神社で途絶えてしまった鷺舞の奉納が現在も行われていること!


~画像は津和野の鷺舞像~

ちなみに、鷺舞といえば津和野(島根県)が有名です。

なんと津和野の鷺舞は、この八坂神社から伝わったものといわれてるんだって!


●本殿

●本殿
・1520年建立
・檜皮葺 三間社流造
・国指定重要文化財

この本殿は、1520年に大内義興さんが高嶺太神宮(現・山口大神宮)の境内に祇園社の本殿として建立したものといわれています。

その後、1864年に長州藩主・毛利敬親さんが萩から山口に藩庁を移す際、現在地に移築。

そんなこんなで、栄華を極め、京に憧れた大内文化を形として残す貴重な遺構となっております。


全体的にシンプルな造りですが、13個の蟇股はなかなか見応えのあるものでした。

そんなこんなで、蟇股鑑賞。



室町の風を感じますねぇ。

素敵です。

というか、まじまじと拝見していたら蚊に刺されまくりました。

私の中で、境内で殺生したら死刑という法律があるので、気の済むまで血を吸わせてあげる・・・つ、つらい。。

って、どうでもいい話でスミマセン。


●御祭神
・素盞嗚尊(スサノオ)
・稲田姫命(クシナダヒメ)
・手名槌命(テナヅチ)
・足名槌命(アシナヅチ)

御祭神はスサノオクシナダヒメテナヅチアシナヅチ

クシナダヒメはスサノオの嫁さんです。

そして、テナヅチとアシナヅチはクシナダヒメの両親です。

●温泉神社の参拝記と御朱印情報
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温泉神社の御朱印情報~アシナヅチ・テナヅチのお墓がある神社~(島根県雲南市木次町)
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●スサノオのヤマタノオロチ退治
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追放されたスサノオは出雲にたどりついて、泣いてるアシナヅチ、テナヅチ、クシナダヒメに遭遇。八俣のオロチを退治する。
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大内氏別邸 築山館跡

●大内氏別邸 築山館跡

八坂神社がある築山館跡は、室町時代に栄華を極めた大内氏の本拠地・大内氏館跡のすぐ北にあります。

一説によると、大内氏館は当主の住居ならびに政務をとっていた場所。

そして、この築山館は迎賓館的な役割を担っていた場所といわれています。


京の町を模して造られた山口は西の京と呼ばれ、かつては京をしのぐほど繁栄していたそうです。

そんなこんなで、京に憧れを抱いていた大内氏は本拠地を城郭にせず、将軍家の館を模した造りにしたんだって。

そのため、続日本100名城の1つでありながら、全くお城的な要素が感じられないという。

かつての築山館は80間四方を土塁で囲み、その外面を自然石を積み上げた石垣で囲んでいたんだって。


そんな大内氏は、家臣・陶晴賢が起こした謀反(大寧寺の変)をきっかけに滅亡へのカウントダウンが始まりました。

陶晴賢は大内義長さんを新たな当主にするも毛利氏に攻め込まれることに。

そして大内氏最後の当主・大内義長さんが山口を放棄して自害したことにより、大内氏館と築山館は役目を終えることになりました。


その後、館跡は荒廃しますが、江戸時代中期まで庭園の跡が残されていたといわれています。

しかしその後、庭園跡は土塁を崩した土で埋められてしまったという。


そんなこんなで、現在この地は土塁の一部が残るのみで、ただの原っぱになっていました。

室町時代に華々しい活躍をした大内氏の面影はそこにはなく・・・ただただ無常感が漂う空間になっていました。

大内氏ですらこれなんだから、何も成果を上げてない私は後世に何も残らない・・・そんなことを思って沈んでしまったひと時でした(笑)

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築山神社と祇園稲荷社

●築山神社

ちなみに、八坂神社の境内には築山神社が鎮座しています。

●築山神社の由緒

1605年、毛利輝元さんが多賀社の境内に大内義隆さんを祀る宝現霊社を創建したのが始まりといいます。

その後、大内義隆の菩提寺・龍福寺の境内に移転。
そして片岡小路に移転。

さらに1870年、宝現霊社と氷上山・興隆寺の境内にあった東照宮をこの地に移転し合祀したのが現在の築山神社といわれています。


築山神社の参拝記はこちら。



●祇園稲荷社

こちらは境内社の祇園稲荷社です。

その他の見どころ

●盃状穴

その他、境内には盃状穴もありました。

盃状穴と書いてはいじょうけつと読みます。

盃状穴とは、死者を蘇らせたり子孫繁栄や安産、はたまた豊作を願うために作られた礼拝用の穴です。

古代人は穴に物を入れてお祈りをしていたという。


盃状穴は古代から世界中にある礼拝用の穴で、日本では西日本にたくさん存在しています。

日本で初めて盃状穴が発見されたのは山口県神田山石棺

それ以降、全国で次々と発見され、山口市内だけでも20例を越える盃状穴が発見されています。


なぜか盃状穴が好きで、出会う度に興味深く拝見しているのですが、円形ではなく横長の盃状穴は初めて拝見しました。

あと2つの盃状穴が連結しているのも面白いなぁ〜と思いました。

さすが盃状穴王国・山口!

バリエーションが豊富!


●箏曲組歌発祥之地の碑

●箏曲組歌発祥之地の碑
・1965年建立
・高さ 約6m
・重さ 15t
・佐藤栄作 揮毫

八坂神社の境内にある築山神社の近くには、箏曲組歌発祥之地の碑がありました。

箏曲組歌・・・って何???

というか読み方がわかんない・・・(-“-;) ??

そんなこんなで、調べてみることに。

どうやら箏曲組歌と書いてそうきょくくみうたと読むそうです。

箏とはのような楽器とのことです。

そして組歌とは、三味線と箏を使って、もともとあった短い歌詞を複数組み合わせて1曲にまとめたものなんだって。

しかし、箏曲組歌については資料が少なく、碑文に書かれたこと以外はわからないとのこと。。

一説によると、室町時代に大内氏16代当主・大内義隆さんが、京から迎えた北の方を慰めるために都から公卿楽人を招いて、詩歌管弦の遊びを催したが組歌の誕生といわれています。

築山館は迎賓館のような役割を担っていたといいますから、館に公卿や楽人を招いて、庭園を望みながら歌管弦遊びをしていたのでしょう(想像)


●河村写真館

●河村写真館
・1887年建立
・山口県指定有形文化財

あと境内で一際目立つのがレトロな洋風建築!

なんと、こちらは130年以上も続く写真館だという!

所有者を変えながらも、建立当初から現在まで写真館として使用され続けてる建物は国内に例がないんだって!

スゴっ!


その他、境内には豊後立石や扇の舞台や庚申塚や変わった石灯籠などがありました。

そんなこんなで、参拝終了。

いやはや、素敵な神社でした。

御朱印情報

●御朱印情報

●御朱印の種類
・八坂神社の御朱印

●御朱印の受付場所
・今八幡宮の社務所

※今八幡宮は八坂神社から徒歩5分です。

●御朱印の受付時間
・9:00~17:00

●御朱印の料金
・300円

●期間限定・特別御朱印
・なし

●オリジナル御朱印帳
・なし

・2009年3月21日 参拝
・2015年9月5日 再訪
・2022年7月 更新

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参拝情報とアクセス

●開門時間
・境内自由

●拝観料
・無料

●最寄りの駅
・JR上山口駅から徒歩15分
・JR上山口駅から車で4分

●最寄りのバス停
・山口市コミュニティバス(大内ルート)
 八坂神社前 バス停から徒歩すぐ

※山口市コミュニティバス(大内ルート)の路線図・時刻表はこちら

●最寄りのIC
・中国自動車道
 山口ICから車で10分

・中国自動車道
 小郡ICから車で15分

●駐車場
・無料の専用駐車場あり(20台)

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八坂神社の地図

 

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