龍蔵寺の御朱印|ポップな空気が漂う山口市最古の名刹|(山口県山口市)

所在地山口県山口市吉敷1750
宗 派真言宗御室派
札 所 ・中国三十三観音霊場 第17番
・山陽花の寺二十四か寺 第5番
・周防国三十三観音霊場 第33番
・十八不動三十六童子霊場 第12番
・ぼけ封じ観音霊場 第22番
・百八観音霊場 第22番
由 緒 698年、役小角が奥之院の岩窟に熊野権現を観請し、秘法の護摩供を修し、龍の蔵と名付けたのが始まりといいます。741年、行基がこの地を訪れて千手観音像を彫り、七堂伽藍を建立。そして龍蔵寺と名付けたそうです。その後、室町時代から戦国時代にかけて、大内氏・毛利氏の守護寺として保護されたそうです。現在は、150種1000株の牡丹が咲き乱れる花のお寺として人気を集めています。
HP人間回復の寺 『瀧塔山 龍蔵寺』
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境内入口・あくしゅ地蔵・鐘楼


午前6時半起床。
宿のカーテンを開けると、朝日が目に突き刺さりました。

そんなこんなで朝日を目に突き刺したまま、山口市の中心部からちょっと離れたところに位置する龍蔵寺に到着。

正式名称は瀧塔山 龍蔵寺
ろうとうざん りゅうぞうじと読みます。


早起きし過ぎたのか、はたまたハリキリ過ぎたのか、開門前に到着してしまいました。

開門時間は8時半。
あと1時間なにして過ごそ・・・?

という心配は無用!

境内入口には石造・七福神あくしゅ地蔵、そして室町時代以前に建立された六角石幢など様々な石造物がありました。

これらの石造物を拝むだけでも、まぁまぁ時間が潰せました。


●あくしゅ地蔵

そんなこんなで、お地蔵さんと握手。

おはようございます!


今まで弘法大師さんや様々な有名人と握手しましたが、お地蔵さんと握手したのは初めてです。


●鐘楼

●鐘楼
・建立年不明
・瓦葺 入母屋造

続いて、山門前にある鐘楼に座って黄昏る。

そんなことより、このお寺さんは698年に役小角さんが現・奥の院の岩窟を龍の蔵と名付け、熊野権現を観請したのが始まりといいます。

その後、741年に行基さんがこの地を訪れて千手観音像を彫り、七堂伽藍を建立。

そして龍蔵寺と名付けたんだって。

なんと、この龍蔵寺は山口市内最古のお寺さんだという!


●境内図

ちなみに、このお寺さんは通称・人間回復の寺と呼ばれてるそうです。

それにしても、人間回復ってどういう意味なんだろうねぇ?

人間らしさ、いや、本来の人間の姿に戻れるお寺さんなのかな?

私はとっても欲深く、強欲の頂点を目指して人間以上の人間になりたがる性質があり、膨張する宇宙と同じスピードで煩悩を増やし続けてるけど・・・こんな私でも仏教的にちゃんとした人間に回復できるかな?

強欲で煩悩の塊も、ある意味とっても正直な生き方で人間らしい姿でもあるしなぁ・・・難しいところだなぁ。


そうこうしていると、開門時間に!

そんなこんなで、待ってましたといわんばかりにフライング気味に鐘をひと撞き。

ゴ〜〜〜ン♪

早朝の鐘撞きはいつもに増して心が洗われますねぇ。

ちなみに、もともとあった梵鐘は太平洋戦争中の金属類回収令で供出されちゃったんだって。。

そんなこんなで、現在の梵鐘は1986年に復元されたものなんだそうです。
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山門・十二支わらべ地蔵尊・チシャの木の橋

●山門

●山門
・建立年不明
・瓦葺 入母屋造
・一間一戸 楼門

続いて、山門へ。

山門は一間一戸の楼門造。
見た感じ、そこまで古そうな門ではありませんでした。

ちなみに、ここから先は拝観料200円が必要です。

中国地方で拝観料がいるお寺って、ちょっと珍しいですねぇ。


●十二支わらべ地蔵尊

そんなこんなで、山門をくぐって境内へ。

参道脇には十二支わらべ地蔵尊がおられました。

山口市内最古のお寺さんということで肌で歴史を感じる古寺・・・という勝手なイメージを持っていましたが、境内はかなりポップな空気が流れていました!


●参道

●参道
・直進 → 観音堂
・右折 → 本堂

参道途中には本堂行きと観音堂行きの分岐点がありました。

通常、楼門をくぐって直進すると本堂がありそうなもんですが、このお寺の本堂は分岐点を右折したところにありました。

いつもの癖で直進するところでしたよ!

そんなこんなで、まずは本堂で御本尊さまにご挨拶。


●チシャの木の橋

本堂前には小さな橋がありました。

なんと、この橋!

木の根っこが橋の欄干になってるという!

これは面白い!

●チシャの木の橋とは?

その昔、住職さんが切った大木を2本置いていたら芽が出てきたんだって。

やがて2本の大木は1本の木になり、さらに根っこがつながって1つの根になったんだと!

そしてその根っこが橋の欄干になったんだって!

スゴっ!


ちなみに、チシャの木はエゴの木とも呼ばれ、よくしなる木材なんだって。

そんなこんなで、昔は魚屋さんの天秤棒として使われていたそうですよ。
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本堂

●本堂

●本堂
・江戸時代建立
・銅板葺 入母屋造
・御本尊 阿弥陀如来

そんなこんなで、本堂に到着。

江戸時代、このお寺には現在の本堂や観音堂の他に薬師堂や開山堂などがあったそうです。

しかし、明治時代初期の廃仏毀釈廃藩置県の混乱により多くのお堂や仏様が破却されたんだって。。

その後、お寺は荒廃してしまったという。。

しかし1896年に住職となった宮原泰歓さんの尽力により信仰の場として復興したそうです。


御本尊は阿弥陀如来さん。

大内氏9代当主・大内弘世さんが山口を開府した際、山口の町を守護するために東西南北にお寺を建立したそうです。

そんなこんなで、このお寺は山口の西を守護するため、西方浄土の仏様である阿弥陀如来像を安置したといわれています。

ちなみに御本尊の阿弥陀如来さんはこのお寺で最古の仏様なんだって。

その他、本堂内には江戸時代作の釈迦如来さんも安置されているみたいです。

その釈迦如来さんは毛利氏の本家に伝わる念持仏といわれています。

もともとは違うお寺に安置されてましたが、昭和時代にこのお寺にお引越ししてきたんだって。

ちなみに詳しく調査してないため、作者も製作年も不詳とのことです。
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観音堂・馬頭観音・雪舟画の駒つなぎの絵馬など

●観音堂

●観音堂
・室町時代中期建立(?)
・瓦葺 宝形造
・御本尊 馬頭観音

続いて、観音堂を参拝。

御本尊は馬頭観音さん。

ということで、このお堂が中国三十三観音霊場周防国三十三観音霊場百八観音霊場山陽花の寺の札所のようです。

複数の札所がありますし、本堂より高い位置にありますし、なんとなくですが本堂よりこの観音堂の方が龍蔵寺のメインのお堂っぽい感じがしました。


●御本尊 馬頭観音

そんなことより、馬頭観音さんの台座の下には大きく開いた蓮の華がありました。

なんとっっっ!

この蓮の華は自動で動くんだと!

自動で花びらが開いたり閉じたりするという!

YouTubeに自動で動く蓮華の動画がありましたので、興味のある方はこちらでご確認を。

自動で動く蓮華の動画


●雪舟画の駒つなぎの絵馬

その他、堂内には躍動感あふれる馬の絵馬がありました。

なんと、この絵馬は雪舟さんが描いたものだという!

雪舟さんといえば水墨画のイメージがありますが、このようなカラーの絵も描かれていたのですね!

ところがどっこい!

専門家によると、この絵は江戸時代中期のものだという・・・(-“-;) ??

雪舟さんは室町時代に活躍したお方・・・時代が合いませんねぇ。

・・・

・・・・・

よし、このことは聞かなかったことにしよう!

そんなこんなで、この絵馬は雪舟作というていで話を進めていきます d( ̄  ̄)


そんなことより、躍動感あふれるわりにはぎこちないポーズです・・・何か違和感がありますねぇ。

前に進もうとしてるのに手綱に引っ張られて首がグニィィィってなってる!

いや、ちょっと待て!

手綱が後ろ脚に繋がってるぅ!

なんだこのSM感は!?

実はなんとこの馬!

雪舟さんの絵があまりにも見事なため、夜な夜な絵馬から抜け出して近所の田畑を荒らしていたんだと!

そのため住民から苦情があり、雪舟さんにお願いして手綱の絵を描き足してもらったんだって!

それからは馬は抜け出さなくなったという!


このような伝説は左甚五郎さんの彫刻でよくある話ですが、まさか雪舟さんにもあったとはね!

ちなみに、山口県には引接寺に抜け出した龍の彫刻があります。

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その他、立派なチン棒もありました。

そんなこんなで、たくさんナデナデしてきました。

これで爺ちゃんになっても現役!

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大イチョウ・芭蕉地蔵堂

●大イチョウ

●大イチョウ
・樹齢 約900年
・高さ 約45m
・根元 約12.7m
・国指定天然記念物

観音堂の前には大きなイチョウの木がそびえ立っていました。

なんと、この木は国の天然記念物に指定されたイチョウの中で日本一の高いイチョウなんだと!

ちなみに、全国の多くの寺院でイチョウが植えられているのは、火事の際に葉の水分が火勢を防ぐからといわれています。

しかし冬はハゲ散らかってます・・・。


●芭蕉地蔵堂

続いて、芭蕉地蔵菩薩さんを参拝。

なんと、この石仏は松尾芭蕉さんがお地蔵さんになったものだという!

って、芭蕉さんはお地蔵さんになったのか!?

もともとこのお地蔵さんは別の場所に安置されていたそうですが、護摩堂を建立するにあたりこの地にお引越ししてきんだって。

しかし、お引越しした際、20cmほど空中に浮いた状態で座していたという!

説明板には、現在もそのまま浮いた形で安置しております的なことが書かれておりました。


浮いてる!・・・((((;゚Д゚))))

まるで教祖様のようだね!

鼓の滝(吉敷の滝)

●鼓の滝(吉敷の滝)

●鼓の滝(吉敷の滝)
・高さ 約37m
・山口三名滝

境内の奥には鼓の滝という立派な滝がありました!

ちなみに、鼓の滝と書いてつづみのたきと読むそうです。

通称・吉敷の滝とも呼ばれているみたいです。

説明板によると滝は3段になっていて、中段のくびれている部分が鼓の形に見えることや、落ちる水の音が鼓をうつ音に似ていることから鼓の滝と呼ばれてるんだって。

もうねぇ、結構な水量のせいで全く鼓をうつ音に似てないの(笑)

あと5段くらいありそうな気もするんだけど!


高さは37m
そこまで高い滝ではありませんが、なかなかの迫力でしたよ。

ちなみに、鼓の滝は錦鶏の滝と鳴滝とともに山口三名滝の1つなんだって。

なんだかマイナスイオン的なものを撒き散らしてくれてるような、身体に良さそうな空間でした。

人間回復の寺・・・まんざらでもなさそうです!


かつては真言密教の行者や山伏などが滝行を行っていたんだって。

さらに文人墨客がこの地を訪れ、自然の庭の美しさに酔いしれていたそうです。


説明板にはこのようなが書かれておりました。

名に高き鼓の滝を
打ちてみれば
しらべもあかぬ松風の音

烏丸光徳(七卿の1人)

山口県といえば七卿落ちの舞台となった地として知られています。

ちなみに、八月十八日の政変で失脚した7人の公卿長州へ落ち延びた出来事のことを七卿落ちといいます。

●七卿落ちのメンバー
①三条実美
②三条西季知
③四条隆謌
④東久世通禧
⑤壬生基修
⑥錦小路頼徳
⑦澤宣嘉

説明板には烏丸光徳(七卿の1人)って書いてあるけど、そんな人は七卿のメンバーにいないというね!

どういうことかな・・・!?

と思って調べてみたら、八月十八日の政変が起きたときには、攘夷派の公家として烏丸光徳さんはメンバーに入っていたみたいです。

しかし長州へは落ち延びず、京都にとどまったんだって。

ということで、烏丸光徳さんは七卿じゃないというね!

それにしても・・・七卿落ちのメンバーではないのに、なんでこのお寺に立ち寄ってるんだろうねぇ???


ちなみに烏丸光徳さんは、後に初代東京府知事に就任しています。

こちらに七卿落ちのことを書いています。

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宝物庫・雪舟庭

●宝物庫
宝物庫には国重文の大日如来さんや不動明王さんや毘沙門天さんなど、たくさんの仏像さんが所狭しと並べられてました。

しかももの凄い至近距離で拝観できるので、興奮の波に飲み込まれたひと時でしたよ。

●大日如来坐像
・平安時代の中期〜後期作
・像高 98.8cm
・檜材 寄木造
・国指定重要文化財

●不動明王立像
・鎌倉時代作
・像高 103cm
・檜材 寄木造
・山口市指定有形文化財

●毘沙門天立像
・鎌倉時代作
・像高 106cm
・檜材 寄木造
・山口市指定有形文化財


●雪舟庭

その他、境内には雪舟庭がありましたが、写真を撮り忘れて帰ったというね。

何してんだか・・・嗚呼。


ちなみにお坊くんの裏はシャドーマンになってました。

そんなこんなで、参拝終了。

いやはや、素敵なお寺さんでした。

御朱印情報

●御朱印の種類
・中国三十三観音霊場の御朱印
・山陽花の寺二十四か寺の御朱印
・周防国三十三観音霊場の御朱印
・十八不動三十六童子霊場の御朱印
・ぼけ封じ観音霊場の御朱印
・百八観音霊場の御朱印

●御朱印の受付場所
・寺務所

●御朱印の受付時間
・4月~10月 8:00~17:30
・11月~3月 8:30~17:00

●御朱印の料金
・各300円

●期間限定・特別御朱印
・なし

●オリジナル御朱印帳
・なし

※お願いすればはさみ紙に御朱印風の日付を入れてくれるかも?

・2009年3月21日 参拝
・2022年7月 更新

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参拝情報とアクセス

●開門時間
・4月~10月 8:00~17:30
・11月~3月 8:30~17:00

●拝観料
・大人  200円
・中高生 100円
・小学生 50円

●精進料理
・2~3日前までに要予約
・懐石膳3000~5000円(税別)

※詳しくはこちら

●最寄りの駅
・JR湯田温泉駅から車で15分
・JR湯田温泉駅から徒歩1時間10分

●最寄りのバス停
・中国JRバス
 吉敷 バス停から徒歩30分

●最寄りのIC
・中国自動車道
 小郡ICから車で15分

・中国自動車道
 湯田温泉スマートICから20分

●駐車場
・無料の専用駐車場あり(約30台)

龍蔵寺の地図

 

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