西長寺の御朱印|アロハ島にある秘密のお寺さん(山口県大島郡周防大島町)

所在地山口県大島郡周防大島町日見奥田中973
宗 派真言宗御室派
札 所 ・周防大島八十八ヶ所 第19番
・周防大島八十八ヶ所 第45番(明星院)
・山口県十八不動・三十六童子霊場の第16番
・中国楽寿三十三ヶ所観音霊場 第14番
由 緒 807年、唐から帰国した空海(弘法大師)が瀬戸内海を航海中、周防大島に立ち寄ったそうです。そして、海に沈む夕陽に御仏を感得したという。そんなこんなで、空海は船の帆柱に不動明王を刻んでお寺を創建。それがこのお寺の始まりといいます。もともとは西向寺という寺号でしたが、1870年に西向寺と長楽寺が合併。そして、西向寺の『西』と長楽寺の『長』を合わせて西長寺と改称し、現在に至るそうです。ちなみに、護摩堂に安置されている阿弥陀如来坐像(国重文)は平安時代後期の作。像高は2.84mで山口県最大の仏像といわれています。
HP西長寺
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西長寺とは?

●境内入口

瀬戸内のハワイ・周防大島に位置する西長寺に到着。

このお寺の正式名称は日密三王山 西長寺

日密三王山 西長寺と書いてひみつさんのうざん さいちょうじと読みます。

●山号と寺号の由来

●山号 日密三王山の由来
このお寺は、807年に唐から帰国した空海(弘法大師)が瀬戸内海を航海中に周防大島へ立ち寄り、入江の向かいに沈む夕陽に御仏を感得したのが始まりといいます。

夕陽、すなわち夕
入江、すなわち港()。

そんなこんなで、日を見た津。

それが日見津日密という山号の由来といわれています。

また、空海が如意宝珠を秘密に納めたという伝説により、秘密日密になったともいわれています。

そして三王山は、三国伝来(インド・中国・日本)、三世救済(過去・現在・未来)、三秘密力(金剛手・蓮華手・摩尼手)の大明王が由来といわれています。


●寺号 西長寺の由来
もともとこのお寺は西向寺という寺号でしたが、1870年に西向寺長楽寺が合併。

そして、西向寺の西と長楽寺のを合わせて西長寺と改称。

それが寺号の由来といわれています。

そんなこんなで、参拝開始。

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山門と手水鉢と鐘楼

●山門


●山門
・建立年不明
・瓦葺 切妻造 薬医門

まず最初に登場するのは山門

山門には逆さ獅子・16菊花紋・鳥・波などがあり、かなり賑やかな屋根になっていました。


さらに波に乗ったエロ目の中国風のおっちゃんや、巨大な宝珠を乗せた亀もいました。

もしかしたら、これは亀じゃなくて贔屓かも知れません。

何にしろ縁起がよさそうだったので、とりあえず拝んどく!


このお寺さんは、周防大島八十八ヶ所霊場の第19番・第45番札所となっております。

●周防大島八十八ヶ所霊場とは?

807年、唐から帰国した空海(弘法大師)が京へ向かう途中に周防大島へ立ち寄り、修行を積んだといわれています。

その後、明治時代に西長寺の第33世・純圓法印が弘法大師の教えを島民に布教

そして純圓法印は生涯をかけて周防大島全土に八十八の札所遍路道を開いたそうです。

そんなこんなで、1889年に開設法要が執り行われたそうです。

それが周防大島八十八ヶ所霊場の始まりといわれています。


●島へんろ
周防大島八十八ヶ所の遍路道は約163km

徒歩で5〜6日。
車で2〜3日かかるそうです。

ちなみに、各札所には納経印(50円)が置かれているみたいです。

※朱肉は持参とのことです。


●手水鉢

そんなこんなで、山門をくぐって手水鉢でお清め・・・と言いたいところですが、水がありませんでした。

なんと、ここから湧き出る水は弘法大師さんがで掘った閼伽水なんだと。

ちなみに、閼伽とは仏様に供える清浄な水のことです。


手水鉢には薬壺

そして可愛らしい薬師如来さんが入浴していました。

本来ならこの薬壺から水が出てるっぽいです。


●鐘楼

●鐘楼
・建立年不明
・銅板葺 切妻造

続いて、鐘楼で鐘をひと撞き。

ゴ〜ン♪

鐘楼からは周防灘と室津半島(熊毛半島)を望むことができました。
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本堂と山茶花

●本堂

●本堂
・1926年建立
・瓦葺 寄棟造

続いて、本堂で参拝。

このお寺はもともと西向寺という寺号だったんだって。

その名の通り、本堂と御本尊の不動明王さんは西を向いていました。

ちなみに御本尊は通称・西向不動明王と呼ばれています。


本堂前にはモリモリに刈り込まれた面白い木がありました。

なぜか美味しそう~と思ってしまったひと時。


●山茶花

●山茶花
・1535年頃植樹
・樹高 7.5m
・目通り幹周 1.7m
・周防大島町指定天然記念物

本堂の近くには町指定天然記念物の山茶花がありました。

山茶花と書いてサザンカと読むのですね!

あたしゃ阿呆だから、このブログを書くまでヤマチャカと読んでましたよ。


そんなこんなで、赤い橋を渡って隣のエリアへ。
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護摩堂と阿弥陀如来坐像(日見の大仏)

●護摩堂

●護摩堂
・1739年建立
・1953年改築
・2017年再改築
・瓦葺 宝形造

続いて、護摩堂を参拝。

通常、護摩堂の本尊といえば、不動明王さん、もしくは弘法大師さんですが、こちらの御本尊はなんと阿弥陀如来さん!

その阿弥陀さんがこちら、はいドン!


なんと御本尊の阿弥陀さんは国重文!

さらになんと、山口県内の重要文化財の中で最大の仏像なんだと!

像高は284cm。

もし立ち上がったなら1丈6尺(約485cm)になることから、この阿弥陀さんは丈六仏となります。

まさかこんな素敵な古仏を拝顔できるなんて思ってもみなかったので、驚きと感動のビッグウェーブに飲み込まれてしまいましたよ。


●阿弥陀如来坐像(日見の大仏)
・平安時代後期作
・像高 2.84m
・檜材 寄木造
・国指定重要文化財

伝説によるとこの仏像さんは京都から海を漂流し、日見の地に漂着したものだという!

この手の伝説は全国にたくさんあり、ホンマかいな!?と疑ってしまう方も多いと思います。

が、しかし!

漂流仏像伝説はもはや伝説ではなくなっています!

なんと1991年に日見近くの砂浜に仏像が漂着したんだと!

平成の世にですよ!

ということで、過去に起こった漂流仏像伝説も実際にあった出来事の可能性が高し!

ちなみに1991年に漂着した仏像さんは、現在西長寺に安置されているそうです。

この珍事は新聞でも取り上げられたそうですよ。


大仏さんといえば憂いをおびた優しい目で斜め下を見ているイメージですが、この大仏さんは真っ直ぐ前を見ておられました。

なもんで、目が合いません!

『あたしゃ誰も救わないよ~』と言わんばかりに遠くを見ていました。

御本尊の西向不動明王さんと同じく、この阿弥陀さんも西を向いていました。

仏教では西の方角には阿弥陀如来が住む西方極楽浄土があるといわれています。

そんなこんなで、この阿弥陀さんは自身が住む極楽浄土を見つめているのかも知れませんね。


平安仏ということで目は彫眼

印相は来迎印(上品下生印)。


光背は二重円光で周囲には唐草文の透彫が施されていました。

古仏の光背は後補のものが多い中、こちらの光背は当時のまま残ってるんだそうな!

そして台座は八角裳懸座で、この時代の作品としては大変珍しいものなんだって。

それにしても、光背も台座も当時のままだとはね!

ということは、光背と台座をつけたまま漂流してきたのかぃ???

・・・

・・・・・

うぅ~ん、あまり考えないことにしよう(笑)

●阿弥陀如来坐像の拝観
日時
 土曜・日曜・祝日

時間
 9:00〜17:00

拝観料
 志納

※閉堂中でもガラス越しに拝観することができます。

ちなみに、団体参拝や説明などが必要な方はこちらに問い合わせページがあります。
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根本大師堂と不動カンマンの滝

●根本大師堂

●根本大師堂
・1984年建立
・瓦葺 寄棟造

続いて、根本大師堂を参拝。

どうやら、こちらが周防大島八十八ヶ所霊場第19番札所のようです。

根本大師堂と言うくらいだから、御本尊は弘法大師さん・・・

と思ったら、公式ホームページによると御本尊は延命地蔵菩薩さんだという!

護摩堂は阿弥陀如来さん・・・
大師堂は延命地蔵さん・・・

このお寺は様々なトリックを仕掛けてきます。


●不動カンマンの滝

続いて、不動カンマンの滝を参拝。


不動カンマンの滝には男前のお不動さんがおられました。

どうやらこちらが山口県十八不動・三十六童子霊場第16番札所みたいです。

その他、このお寺さんは中国楽寿三十三ヶ所観音霊場第14番札所でもあるみたいです。

秘密マンダラ仏遊庭

●秘密マンダラ仏遊庭

続いて、秘密マンダラ仏遊庭へ。

それにしてもかなりクセのある名前だなぁ!

どうやらこのお庭は、地元の名工10年の歳月をかけて築造した回遊式の庭園なんだって。

そんなこんなで、庭園を散策してみることに。


●明星院(摩尼宝塔)
・2007年建立
・銅板葺 宝形造

庭園のランドマーク的なこの塔は摩尼宝塔といわれる仏教施設。

御本尊は光輪虚空蔵菩薩さんで周防大島八十八ヶ所霊場第45番札所になってるみたい。


●弁天宝塔
・2007年建立
・銅板葺 宝形造

こちらは西長寺の鎮守社として建立された弁天宝塔

御本尊は日美津弁財天さんで、良縁結び・芸術学問の上達・金運上昇の御利益があるそうですよ。


それにしても名工が10年もかけて造り上げたというだけあって、かなり壮大なスケールのお庭になっていましたよ。


これは・・・ラッセンかな?


この人面犬は・・・狛犬?

いや、スフィンクス?

若き日のヤワラちゃんにも見えてきた。


カエル投手と名付けましょうか。


ストリートミュージシャンもいるわよ。


折れたシッポがウンコみたいだ。


ウルトラさんやキティさんやポケモンさんもいたわよ。


そしてこちらはアンパンマン・・・

いや待て、四次元ポケットがあるからドラえもんかな!?

なんか途中で作るのを諦めた感じがいいなぁ〜。


これはスヌーピーかな?

中国のミッキーマウスみたいに絶妙に何かが違う・・・

どれもこれも著作権ギリギリのところを攻めてくるなぁ。


私が思ってる以上に、極楽浄土はユル〜い世界のようだ。


こちらは洋風な女神様。

極楽浄土には国境はないみたい。


周防大島は瀬戸内のハワイと言われるだけあって、アロハ七福神というリゾート気分の仏様もおられました。

極楽浄土は楽園でもあるのだ。

アロハシャツとかビキニを着た七福神を想像したけど、普通の七福神だったけどね。


楽園だもの。

フルチンで修行するのもアリだね。


クレーンの到着を待つ涅槃像もいましたよ。

どうやら、まだ秘密マンダラ仏遊庭は未完成の庭園みたい。

それにしても緊張感のない庭園を歩いていると、大仏さんと過ごした素敵な想い出が薄れてきちゃったよ。

秘密マンダラ仏遊庭・・・やはり秘密にしておくべきだったのではっ!

休憩所

●休憩所

そんなこんなで庭園を散策した後、駐車場近くにある昭和レトロな休憩所でひと休み。


ベンチに座りボケない5ヶ条を読む。

なぜか金メダルが飾られていました。


そして冷蔵庫を開けてみると・・・

なんと冷蔵庫の中には新聞がっ!


しかも売り物!


柱に営業中の札があったし・・・

もしかして、ここは新聞の売店なのかも?

嗚呼、もぅワケわかんない。

大仏さんの顔が思い出せなくなったし・・・

大仏さんと過ごした素敵な思い出は全てフッ飛んでしまいましたよ(笑)


こちらは御住職さまから頂いたオリジナルティッシュです。

ほんと、極楽のようなお寺だったなぁ〜!


そんなこんなで、参拝終了。

いやはや、素敵なお寺さんでした。

周防大島とは?

●周防大島とは?

周防大島は、淡路島・小豆島に次いで瀬戸内海で3番目に大きな島です。

周防大島という名で知られる島ですが、正式名称は屋代島なんだって!

し、知らなかった〜。

しかし、現在では屋代島と呼ぶ人はほとんどいないそうです。


そんなことより、周防大島は古事記・日本書紀の国生み神話に登場することで知られる島です。

国生み神話で、イザナギとイザナミは大八島国を生みますが、その後も地味に6つの島を生んでいます。

その1つがこの周防大島!

いやはや、神話好きにはたまんないスポットだね。

●大八島国
①淡路島(兵庫県)
②四国(伊予・讃岐・粟国・土佐)
③隠岐島(島根県)
④九州(筑紫・豊国・肥国・熊曾国)
⑤壱岐島(長崎県)
⑥対馬(長崎県)
⑦佐渡島(新潟県)
⑧本州

●国生み六島
①児島(岡山県)
②小豆島(香川県)
周防大島(山口県)
④姫島(大分県)
⑤五島列島(長崎県)
⑥男女群島(長崎県)



明治時代、ハワイ政府が急増するサトウキビ畑や製糖工場で働く労働者を確保するため、明治政府と官約移民という制度を結んだそうです。

その際、周防大島から約4000人もの出稼ぎ労働者がハワイへ渡ったんだとか!

その後、出稼ぎを終えた日本人が、ハワイの文化や風習を周防大島へ持ち帰ったのが瀬戸内のハワイと呼ばれる由縁なんだって。

そんなこんなで、1963年にハワイ州カウアイ島と周防大島は姉妹島提携を結んだそうですよ。

ちなみに、周防大島では夏休み期間中の毎週土曜日にサタデーフラダンス(サタフラ)というフラダンスステージが行われているそうですよ。


その他、周防大島には日本ハワイ移民資料館・陸奥記念館・なぎさ水族館・星野哲郎記念館・真宮島・嵩山展望台・しあわせ祈岩巡りなどなど、たくさんの見所が点在しています。

正直、1日では巡りきれない!

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御朱印情報

●御朱印の種類
・西向不動尊の御朱印
・遍照金剛の御朱印

●御朱印の受付場所
・寺務所

●御朱印の受付時間
・不明

●御朱印の料金
・各300円

●期間限定・特別御朱印
・なし

●オリジナル御朱印帳
・なし

・2011年3月5日 参拝
・2023年4月 更新

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参拝情報とアクセス

●開門時間
・不明

●拝観料
・境内無料

●マンダラ仏遊館 美っKU・RIミュージアム
・大人 500円
・学生 300円(60分毎)
※前日までに要予約(2名以上)

●最寄りの駅
・JR大畠駅から車で15分

●最寄りのバス停
・防長交通
 JR大畠駅から町立橘病院前行きに乗車
 日見 バス停で下車 徒歩10分

●最寄りのIC
・山陽自動車道
 玖珂ICから車で35分

●駐車場
・無料の専用駐車場あり

西長寺の地図

 

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