鵜戸神宮の御朱印~豊玉姫が出産した岩窟~(宮崎県日南市宮浦)

所在地宮崎県日南市宮浦3232
祭 神日子波瀲武鸕鷀草葺不合尊
由 緒創建年は不詳。社伝によると、本殿が鎮座する岩窟は、豊玉姫がウガヤフキアエズ(神武天皇の父)を産むための産屋を建てた場所で、崇神天皇の時代にウガヤフキアエズ・アメノオシホミミ・ニニギ・ホオリ・カムヤマトイワレビコ(神武天皇)を六所権現と称して創祀したのが始まりといいます。その後、推古天皇の時代に、岩窟内に社殿を創建して鵜戸神社と称したそうです。平安時代以降、修験道の一大道場として繁栄。以後、歴代飫肥藩主が社殿の造営・修復を行ったそうです。
HP鵜戸神宮
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神門と参道と楼門

●境内入口


神話浪漫ビンビンの地であります鵜戸神宮に到着。

この鵜戸神宮は、豊玉姫がアエズ(神武天皇の父)を産んだ地として有名です。

ちなみに、鵜戸神宮と書いてウド神宮と読みます。
ウドとは、内部が空洞になった場所のことを意味するそうです。

内部が空洞になった場所とは、すなわち豊玉姫がアエズを出産した岩窟のことです。

祭神の鸕鷀草葺不合尊の鸕鷀がを意味することから、鵜戸という名前になったんだって。

神話浪漫ビンビンですね!
一体、どんな神社なんでしょ!

ということで参拝開始!


●神門


●神門
・建立年不明
・銅板葺 切妻造
・三間一戸 八脚門

まず最初に登場したのは神門

神門の両サイドには左大臣・右大臣が祀られていました。
ということで、この神門は随身門の役割を果たしているみたいです。


●参道


そんなこんなで、神門をくぐって参道へ。

参道脇には日向灘がドーンと広がっていました!

まるで神社が海に浮いてるかのよう!
見事なまでに地球と神社が融合していました。

なんなのよ、この開放感は!


●楼門

●楼門
・建立年不明
・銅板葺 入母屋造
・三間一戸 楼門造

続いて登場したのは朱色が眩しい立派な楼門


噂によると2階部分には豊磐間戸神と櫛磐間戸神を祀る門守社があるんだって。

豊磐間戸神 → トヨイワマドの神
櫛磐間戸神 → クシイワマドの神と読みます。

ちなみにこの2神は、アマテラスが天岩戸から出た後、新殿に遷座した際、殿の門を守衛した神様です。
神社でよく見かける随身門には、大体この2神が祀られてますよ〜。

お寺でいう仁王さんみたいな役割のお方です。

2階に掲げられている巨大な干支の絵馬は、毎年鵜戸神宮の神職さんが描いているんだって。


●紙開発石灯籠

●紙開発石灯籠
・1832年建立
・油屋善兵衛が奉納
・日南市指定建造物

楼門前には一対の石灯籠がありました。

この灯籠は、1800年に飫肥藩が産業開発の政策として紙の製造を計画した際、事業の成功を願って建立したものらしいですよ。
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玉橋と下り参道と鳥居

●玉橋

そんなこんなで、楼門を過ぎると玉橋に到着。

その昔は、橋の手前で履物を脱いで、足を洗ってから裸足でお参りをしていたそうですよ!

古来より、この玉橋より先は清浄な地とされていて、尊い御神域、そして霊場として深い信仰を集めていたんだって!


その名残りかどうかはわかりませんが、玉橋の近くには福注連縄というものがありました。

どうやら、この福注連縄で全身を撫でて穢れを払って身を清めてから橋を渡るのが正式な参拝みたいですよ。

ということで、福注連縄で身を清めて玉橋を渡る。



そして玉橋から望む・・・なんじゃい、この絶景はっ!

まるで天上界から下界を見ている気分でしたよ。


●下り参道

玉橋を渡りきると、下りの階段になります。

寺社巡りをしていると、たまに下り参道に出会いますが、ここまで急な下り参道は初めてです。

それもそのはず!
鵜戸神宮は、草部吉見神社(熊本)・貫前神社(群馬)とともに日本三大下り宮の1つだというじゃない!

ちなみに下り宮とは、石段を下った先に本殿がある神社のことです。

ほとんどの神社は下から見上げる位置に本殿が鎮座しているのですが、下り宮の場合は本殿を見下ろすかたちになります。

これは珍しいですね〜。


当り前ですが、当然帰りは上りです。

地味にキツい・・・。


●鳥居

●鳥居
・建立年不明
・明神鳥居

ということで、階段を下りきると鳥居に到着。

笠木は
島木は
貫・額束・柱は朱色
そして、藁座は八角形

このタイプの鳥居は、霧島・大隅・薩摩地方でよく見られる鳥居です。

鹿児島に近いからか、この宮崎でもちょいちょいこのタイプの鳥居に出会うことがありました。

それにしても、この3色鳥居にはどんな意味があるんだろうねぇ???

朱色は魔除けの色といいますし、
白は清浄や浄化、
黒は天、すなわち神様の住む世界といいますし。

なんだかこの鳥居だけで、神社の全てを表現しているような・・・そんなことを思ったひと時でした。
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本殿と祭神

●本殿

そんなこんなで、鳥居をくぐると

はいドン!

鳥肌ドーーーン!

めちゃ神空間!



●本殿
・1711年改築
・銅板葺 千鳥・唐破風付き
・権現造(八棟造)
・宮崎県指定有形文化財

本殿は、東西38m・南北29m・高さ8.5mの岩窟に見事に収まっていました!

建築様式は拝殿と幣殿と本殿が一体化した権現造
またの名を八棟造といいます。

ちなみに八棟とは多数という意味で、必ずしも八つの棟があるとは限りません。

はっきりとした建立年は明記されてなかったので不明ですが、1711年改築の後、1889年に大改修し、その後も1968年と1996年に改修が行われたみたいです。

度重なる改修を繰り返しましたが、建築様式は昔のままの姿で現在に至るそうですよ。


唐破風には16菊花紋。
ご存知、16菊花紋は皇室が使用している御紋です。

いやはや〜格式の高さがにじみ出てますね〜。


本殿正面をよく見てみると、太陽っぽいものが!
もしこれが太陽だとしたら・・・アマテラスさん???

三日月も発見しました!
もしかして、こちらはツクヨミさん???

みたいなことを思ってみたひと時でした。


木鼻は象と麒麟。
どこかしらアニメちっくで可愛い木鼻でした。

短い足とヒヅメが可愛い過ぎる!

その他、獅子・獏・牡丹の木鼻がありましたよ。
バリエーション豊富です。


さらに拝殿横にはの彫刻がありました。

昇り龍・降り龍の方式でいうと、上を向いているのは降り
ほんでもって、下を向いてるのが昇り

うぅ〜ん・・・それにしても、この昇り龍・降り龍の方式は、鯉でも通用するのでしょうかねぇ!?


そんなことより、鯉といえばカープ

実は鵜戸神宮は、広島カープが日南キャンプの際に必勝祈願をする神社なんです!
ということで、本殿前には広島東洋カープが奉納した絵馬がありました。

ちなみに売店にはカープコーナーがありましたよ〜。

そんなこんなで、この神社はカープファンの聖地になっています。


ちょうど本殿内で祈祷が行われていたので、外からちょっくら見学。

本殿内の天井には立派な雲龍図。
梁に施された彫刻も素敵でした。


●祭神
祭神は以下の6柱。

①日子波瀲武鸕鷀草葺不合尊
(ひこなぎさたけうがやふきあえずのみこと)
②大日孁貴尊
(おおひるめのむち)
③天忍穗耳尊
(あめのおしほみみのみこと)
④彦火瓊瓊杵尊
(ひこほのににぎのみこと)
⑤彦火火出見尊神
(ひこほほでみのみこと)
⑥日本磐余彦
(かむやまといわれひこのみこと)

って長いよ!
読めないよ!
読みたくないよ!

ということで、勝手に略しちゃいます。

①アエズ
・豊玉姫の子
・神武天皇の父

②アマテラス
・イザナギの子

③アメノオシホミミ
・アマテラスの子
・ニニギの父

④ニニギ
・アメノオシホミミの子
・コノハナサクヤヒメの夫

⑤ホオリ(山幸彦)
・ニニギとコノハナサクヤヒメの子
・豊玉姫の夫

⑥イワレヒコ(神武天皇)
・アエズと玉依姫の子
・初代天皇

有名な神様だらけだ~。
神話好きにはたまんない神社だね。
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お乳岩とお乳水

●お乳岩

岩窟内を散策していると、本殿の裏に足跡マークが!

ということで、足跡マークに足を乗せて前を見てみると・・・


岩肌にオッパイが!

なんと、この岩は豊玉姫さんのオッパイなんだと!

そんなこんなで、豊玉姫のお乳岩を触ってみる。

神様のオッパイを触るなんて人生初ですよ!
感動&興奮です。
(エロい意味じゃなくてよ!)


この岩窟は、豊玉姫がアエズ(神武天皇の父)を産んだ場所です。

出産の姿は絶対見ちゃダメよ!
と言っていたのに、夫のホオリは、豊玉姫の出産シーンをのぞき見してしまう・・・

そこでホオリが見たものは・・・サメ!
実は豊玉姫はサメだったのです!

豊玉姫は、出産の時には本来の姿、すなわちサメに戻らなくてはならず、その醜い姿を見られたくなかったから、のぞかないでって言ったのでした。

正体がバレてしまった豊玉姫は、故郷の海神宮に帰ってしまいます。

その時、我が子の成長を心配して自分のオッパイをちぎって岩に貼り付けたのがこのお乳岩なんだって!

お乳岩のおかげか、元気に成長したアエズは、その後、豊玉姫の妹・玉依姫と結婚。
そして玉依姫は神武天皇を出産します。


豊玉姫の出産についてはこちらに書いています。
[21]豊玉姫の出産とアエズ
豊玉毘売ご懐妊 豊玉毘売(トヨタマヒメ)が夫の山幸彦の故郷へ来て 「わたしは妊娠して、出産の時期になったけど、天つ神の子を海で生むべきではないと思ってここまで来ました」 と言ったんだ。 そこで山幸彦は、海辺に鵜(う)の羽

●産湯の跡

お乳岩の隣には産湯の跡がありました。
ここでアエズが生まれたのかぁ!

いやはや、神話浪漫炸裂ですね。


●お乳水

ちなみに、お乳岩から滴り落ちる水を飲むことができます。

その名はお乳水


そんなこんなで乾杯!


アエズは、このお乳水で練ったアメで育ったといいます。

そのおちちあめは、岩窟内で売られていました。

お乳岩を触ったり、おちちあめを舐めると母乳の出がよくなるんだって。
ということで、おみやげとして人気らしいですよ。
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岩窟内の境内社

●皇子神社

●皇子神社
・建立年不明
・銅板葺 千鳥・唐破風付き流造
・彦五瀬命を祀る

彦五瀬命は神武天皇の兄です。


●九柱神社

●九柱神社
・建立年不明
・銅板葺 長棟造

神直毘神・大直毘神・伊豆能売神・底筒男神・中筒男神・上筒男神・底津綿積神・中津綿積神・上津綿積神を祀る

底筒男神・中筒男神・上筒男神は住吉三神です。
底津綿積神・中津綿積神・上津綿積神は綿津見三神です。

住吉三神と綿津見三神は、イザナギの禊で生まれた神様で、ともに海を守る神様として信仰されています。


●福智・住吉・火産霊神社

●福智・住吉・火産霊神社
・建立年不明
・銅板葺 流造

・福智神社 → 仁徳天皇を祀る
・住吉神社 → 住吉三神を祀る
・火産霊神社 → 火産霊神を祀る

私が参拝した当時は銅板葺の屋根でしたが、現在はチタン葺の屋根になっているそうです。

この地は海に面しているため、塩害による腐食が激しいみたいです。
そのため、建物の維持管理に相当苦労するのだとか。。。
ということで、耐久性のあるチタン材に葺き替えたみたいですよ。

いずれは、本殿など他の建物もチタン屋根に葺き替えられるかもですね。


●撫でうさぎ

その他、岩窟内には撫でうさぎがありました。

ウサギといえば、因幡の白兎でお馴染みの大国主や、住吉三神の神使いを連想してしまいますが、この鵜戸神宮でもウサギは神使いとして大事にされているようです。

どうやら、毎月最初の卯の日に縁日祭が行われるそうですよ。


そんなこんなで、岩窟を出る。
やっと出る。

だいぶ長居しちまったなぁ。

運玉

●運玉

鵜戸神宮といえば、やはり運玉投げ!

ということで、運玉で運試しをしてきました!


●運玉投げのルール
①岩窟入口の授与所で運玉を購入
・運玉5個 100円
男性は左手・女性は右手で運玉を投げる
③運玉が亀石の穴に入れば願いごとが叶う

セルフでお好みの運玉をチョイスします。
もしかしたら、このチョイス作業から運命が決まってるかもですよ!

ちなみに、この運玉は近所の小学生が素焼きで作ったものなんだって。


亀石までは、まあまあの距離と落差があります。


ちなみにこの亀石は、豊玉姫が出産のために海神宮から乗ってきた亀なんだって!

もうあちこちに神話浪漫が点在しているので、神話好きにはたまんない神社です。


ということで、運玉投げスタート!

慣れない左手で投げる。

オカマ投法で
んぇ~~~いっ!(オカマ声)


・・・チャポン!

入った!(オッサン声)

めちゃくちゃ嬉しかったです!

ちなみに隣りのお方は全力投球をした瞬間、ポッケから大量の小銭が飛び出し、海という名のお賽銭箱に・・・さらば運。


運玉に群がる参拝者。
ベスポジ争いが熾烈です(笑)

というか、この角度から見たら本当に亀みたいだなぁ。


それにしても奇石だらけだなぁ。

先ほど訪れた鬼の洗濯板同様、何でこうなるの的な岩がたくさんありました。

いやはや、地球に感動しまくりです。

その他の見どころ

●吾平山陵

なんと、標高375mの山頂にはアエズの古墳があるというじゃない!


それにしても不気味な石階段・・・時間的にも体力的にも登る勇気はありませんでした・・・。


●鵜戸稲荷神社

●鵜戸稲荷神社
・建立年不明
・銅板葺 流造
・宇迦之御魂神を祀る


●恵比須神社

●恵比須神社
・建立年不明
・銅板葺 流造
・事代主大神を祀る


●八丁坂参道

●八丁坂参道
・長さ 約800m
・上り 438段
・下り 377段

築造年は不詳ですが、江戸時代にはすでに築かれていたそうですよ。


歩きにくいな〜と思ったら、参拝者の行き来で階段がすり減っていました。

一体、今まで何人の人がここを通ったんだろうねぇ。
歴史の深さ、そして信仰の深さを感じる階段でした。


●神犬石と種田山頭火の句碑

●神犬石(写真左)
その名のとおり、ワンちゃんに見える石です。
注連縄が首輪っぽくて可愛いなぁ。

●種田山頭火の句碑(写真右)
1930年、山頭火が参拝した際に詠んだ句です。

鵜しきりに啼いて何を知らせる

と刻まれていました。


●鵜戸山一本杉

1990年の台風で倒木した巨杉が横たわっていました。

ちょっと離れたところには根元が立っていましたよ。


●駐車場

そんなこんなで、気がつけばスッポリ夕方。

閉門時間まで楽しんだせいで、あんなにも超満車だった駐車場がスッカスカ!

いやはや、素敵な神社でした〜。

本日の晩御飯

●地鶏家 みやこんじょ

そんなこんなで、お腹がすいたので晩ご飯。
宮崎といえばやはり地鶏っしょ〜!

ということで、宮崎市内にある地鶏家 みやこんじょさんにお邪魔しました。


なぜこのお店をチョイスしたのかというと芸能人がたくさん来るから(笑)


美味しかった~!

御朱印情報

●御朱印の種類
・鵜戸神宮の御朱印1種類

※御朱印帳を忘れた場合は、鵜戸神宮の風景が印刷された書置きの御朱印が頂けるそうです。

●御朱印の受付時間
・不明

※御朱印の受付時間は、公式に明記されてないので不明です。

●御朱印の受付場所
・岩窟内の授与所
・神門近くの社務所

●御朱印の初穂料(料金)
・300円


●オリジナル御朱印帳

・16cm × 11cm
・1000円

その他、ウサギと運玉がデザインされた御朱印帳があるみたいですよ。

(2020年11月現在)
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参拝情報とアクセス

●開門時間
・4月〜9月
 6:00〜19:00
・10月〜3月
 7:00〜18:00

●拝観料
・無料

●定休日
・なし

●アクセス
・宮崎インターから車で約50分

・宮交シティからバスで約70分
 鵜戸神宮下車 徒歩約10分

●駐車場
・無料駐車場 約400台

鵜戸神宮の地図

 

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