出釈迦寺の御朱印|四国霊場 第73番|幼少期の弘法大師がダイブした捨身ヶ嶽伝説!|四国八十八ヶ所 車遍路の旅(香川県善通寺市)

所在地香川県善通寺市吉原町1091
宗 派真言宗御室派
札 所四国八十八ヶ所 第73番
前後札所 ・前 → 第72番札所・曼荼羅寺
・後 → 第74番札所・甲山寺
本 尊釈迦如来
真 言のうまく さんまんだ ぼだなん ばく
由 緒780年、佐伯真魚(後の弘法大師)が7歳のとき、倭斬濃山に登り『仏門に入って多く人と衆生を救いたいのです。私の願いが叶うなら釈迦如来様、お姿を現して下さい。 もし、願いが叶わないのなら私の命を仏に供養します』と願って、山の断崖絶壁から飛び降りたそうです。すると、落下する真魚の前に釈迦如来と天女が現れて抱きとめ『一生成仏』と告げ、真魚の願いが成就したといわれています。このことに感激した空海は、後に釈迦如来が現われた山を我拝師山と名付け、その山に出釈迦寺を建立。そして、釈迦如来像を刻んで本尊にしたそうです。1920年までは我拝師山の山上にある捨身ヶ嶽禅定が札所でしたが、現在は山麓の出釈迦寺が札所となっております。
HP我拝師山 求聞持院 出釈迦寺 73番札所 香川県善通寺市吉原町

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出釈迦寺とは?


四国八十八ヶ所の第73番札所であります出釈迦寺に到着。

第72番札所・曼荼羅寺から550m。
徒歩10分。
車で3分のところに位置しています。

出釈迦寺と書いてしゅっしゃかじと読みます。

ちなみに、第72番・曼荼羅寺から第73番・出釈迦寺までは、四国霊場で2番目に短い札所間距離になります。

第1位は第68番・神恵院から第69番・観音寺の0m。
さすがにこれは抜けない!

●出釈迦寺とは?

780年、佐伯真魚(後の弘法大師)が7歳のとき、倭斬濃山(わしのやま)に登り『仏門に入って多く人と衆生を救いたいのです。私の願いが叶うなら釈迦如来様、お姿を現して下さい。もし、願いが叶わないのなら私の命を仏に供養します』と願って、断崖絶壁から身を投じたそうです。

すると、紫色の雲が湧き、釈迦如来天女が出現!

そして真魚は天女に抱きとめられ、釈迦如来から『一生成仏』と告げられたそうです。

そんなこんなで、真魚の願いが成就されたのでありました。


その後、佐伯真魚は青年となり空海と名乗り四国を巡錫。

その際、命を救われ願いが成就した倭斬濃山を再び登り、山上で釈迦如来像を刻んで堂宇を建立。

そして、その山を我拝師山と名付け、お寺を出釈迦寺と号したそうです。


以来、出釈迦寺は我拝師山の山上で諸願成就の祈りの場として存続しますが、江戸時代に我拝師山の山麓に堂宇(現・出釈迦寺)を建立。

そして山上のお寺は捨身ヶ嶽禅定として大師信仰の重要な場所になったという。

山麓に出釈迦寺を建立しても札所は山上の捨身ヶ嶽禅定のままでしたが、1920年に札所を山麓の出釈迦寺に移したそうです。


ちなみに、もともと捨身ヶ嶽禅定は第72番・曼荼羅寺の奥の院でしたが、現在は出釈迦寺の奥の院になっております。


境内入口

到着後、お賽銭用の小銭をつくるため、ジュースの自販機で1000円札を崩すことに。

しかし、自販機の前で托鉢をしているお方が・・・。

托鉢をしているお方の真横で自販機から出てくるお釣りの音を聞かれるのが何だか気まずい・・・。

でもお札を崩さないと、お賽銭箱に1000円札を投入することになる。

そんなこんなで、気まずさ満点のまま自販機の前に立つ・・・しかしっ故障中の貼り紙がっ!!!

お財布片手に自販機の前で立ちすくむ私。
これはこれで逆に気まずい・・・。

結局、お守りなどを買ってお札を崩したのでありました。

そして帰り道、ふと四国遍路の元祖・衛門三郎伝説のことを思い出し『もしかしたらあの方はお大師さまかも知れない』と思ったのでありました。

そんなこんなで、鉢に少しばかりの施しをしました。

よく考えたら、托鉢をする人も修行ですが、施しをする側も善行の修行なのです。

お釣りの音を聞かれるのが気まずいとか言っていたケチで小さな自分が情けなかったなぁ・・・。


そんなことより、この出釈迦寺は弘法大師の捨身ヶ嶽伝説で有名なお寺さんです!

捨身ヶ嶽伝説とは、7歳のお大師さまが断崖絶壁からダイブしたというクレイジーなお話しです。

数多く残る弘法大師伝説の中でダントツのインパクトで、弘法大師の歴史に必ず登場する有名な伝説です。

ということで、この地は東寺と高野山とともに国内三霊場の1つとして、大師信仰の重要な地となっております。

そんなこんなで、参拝開始。
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山門と手水舎と梵鐘

●山門

●山門
・2008年建立
・瓦葺 切妻造 四脚門

まず最初に登場するのは山門

このお寺の正式名称は我拝師山 求聞持院 出釈迦寺

がはいしざん ぐもんじいん しゅっしゃかじと読みます。

●山号 我拝師山
山号の我拝師山は、弘法大師()がと仰ぐ釈迦如来をんだが由来。

●院号 求聞持院
院号の求聞持院は、弘法大師がこの地で虚空蔵求聞持法を修したことが由来。

●寺号 出釈迦寺
寺号の出釈迦寺は、弘法大師が断崖絶壁から身を投じた際に釈迦如来出現したことが由来。


●手水舎

●手水舎
・建立年不明
・銅板葺 切妻造

そんなこんなで、山門をくぐって手水舎でお清め。


●梵鐘

続いて、鐘楼で鐘をひと撞き・・・と言いたいところですが、どうやらこのお寺には鐘楼はないみたいです。

お堂の前に梵鐘が置かれていたので、おそらく以前は鐘楼があったのでしょう。

※2017年に鐘楼が建立されたみたいです。
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本堂と大師堂

●本堂

●本堂
・建立年不明
・瓦葺 宝形造

●本尊
・釈迦如来

●真言
・のうまく さんまんだ ぼだなん ばく


続いて、本堂を参拝。

それにしても、梁の彫刻が素敵なお堂でした。

獅子の木鼻も素敵でした。

建立年を確認することはできませんでしたが、なかなか味のあるお堂でしたよ。


出釈迦寺というだけあって、やはり本尊は釈迦如来さん。

御本尊さまの前にはスダレがかかっていたので、うっすらとシルエットが確認できるのみでした。

噂によると、本尊の釈迦如来さんは弘法大師作なのだとか!
ということは、創建時に彫られた仏さん???

あくまでも噂です。

●不動明王立像
・平安時代後期作
・像高 103cm
・檜材 寄木造
・善通寺市指定有形文化財

ちなみに、このお寺には善通寺市の有形文化財に指定されている不動明王さんがおられるみたいです。

その不動明王さんは2009年に初公開されるまで絶対秘仏だったそうですよ。


●大師堂

●大師堂
・建立年不明
・瓦葺 宝形造
・本尊 弘法大師

続いて、大師堂を参拝。

御本尊はもちろんお大師さま。

ネットの情報によると、お大師さまがまとっている緋色の衣は定期的に新調されてるんだって。

南無大師遍照金剛・・・
南無大師遍照金剛・・・
南無大師遍照金剛・・・


大師堂の幕には佐伯氏の家紋・三つ集め雀紋を確認することができました。

ちなみに、讃岐佐伯氏はこの地方の豪族です。

弘法大師の幼少期の名前は佐伯真魚。
父・佐伯直田さんの子として、お生まれになりました。

佐伯直田さんはこの地方を治める役人のトップだったため、かなりの経済力をもった有力豪族だったといわれています。

佐伯氏は弘法大師が誕生する以前から領内に善通寺を建立して、熱心仏教を信仰していたようです。

きっと、そのような環境で育った真魚さまは幼い頃から仏教に触れる機会が多く、自然と仏教に親しんでいくことになったんだろうなぁ(推測)
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地蔵堂と求聞持大師と子宝の三鈷松

●地蔵堂

●地蔵堂
・建立年不明
・瓦葺 宝形造
・本尊 地蔵菩薩

続いて、地蔵堂を参拝。

ピンク色の壁が可愛いお堂でした。
女子力高いなぁ〜。


しかし、この地蔵堂は2015年に改修工事が行われたため、現在は白壁の地蔵堂になっているそうです。


ちなみに、境内にあるお堂は全て宝形造でした。

オール宝形のお寺さんっていうのもなかなか珍しいですね。


●求聞持大師

続いて、求聞持大師さんにご挨拶。

このお寺は、弘法大師が四国霊場を開創する際に虚空蔵求聞持法を修した地としても知られています。

この像を拝むと、学業成就物忘れ防止の御利益があるそうですよ。


ちなみに、虚空蔵求聞持法とは、虚空蔵菩薩の真言を50日・70日・100日といった一定期間内に100万回唱えるといった修行です。

この法を修めれば、84000あるといわれる経典を全て記憶して智恵を授かるという!

しかし、最低でも1日10000回唱えなければ到達できないという過酷な修行!(ひぇっ)

虚空蔵求聞持法はお大師さまの得意技

お大師さまは、ことあるごとに虚空蔵求聞持法を修していますが、四国霊場では第21番・太龍寺と番外札所の御厨人窟が虚空蔵求聞持法の地として有名です。


●子宝の三鈷松

境内には子宝の三鈷松がありました。

四国霊場で三鈷の松に出会ったのは、第67番・大興寺以来2度目となります。

通常、松の葉は2本ですが、三鈷の松は3本もあるという。

どうやら、落ち葉を拾ってお財布の中にいれておくと、子宝に恵まれるという御利益があるそうですよ。

ちなみに、御利益があるのは落ち葉のみです!
木から直接取った松葉には御利益がないそうですよ~。


●石仏

その他、木に挟まった石仏さんがおられました。

どことなく、第14番・常楽寺のアララギ大師さんに似ていますね。
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奥の院 捨身ヶ嶽遥拝所

●捨身ヶ嶽遥拝所

そんなこんなで
はいドン!

境内には、このお寺のハイライト的スポットであります奥の院・捨身ヶ嶽禅定遥拝所がありました!

●弘法大師の捨身ヶ嶽伝説

真魚さまは、信心深い家に生まれ育ったといわれています。

そんな真魚さまの幼少期は、土で仏さまを作ったり、草や木を集めてお堂を作ったりして、仏さまを拝んでいたそうです。


真魚さまが7歳のとき、倭斬濃山(現・我拝師山)に登り

『将来、私は仏門に入って仏の教えを広めて多くの人々を救いたいのです。この願いが叶うかどうか、お釈迦さまが姿を現せてその証をお示しください。もしお釈迦さまが姿を現さないのなら、この身を諸仏に供養として捧げます。』

と願い、断崖絶壁から身を投じました

すると、紫色の雲が湧き、羽衣をまとった天女が舞い降り、雲の中で真魚さまを抱きとめました。

そして天女は真魚さまを飛び降りた場所に戻しました。

と同時に釈迦如来が現れ一生成仏と告げました。

そのことにより、真魚さまの願いが成就されました。

完。

その場所が現在の奥の院・捨身ヶ嶽禅定!

いわば、弘法大師の出家の原点とも言える場所なんですねぇ。


遥拝所の前方には我拝師山ドーンと立っていて、その中腹に奥の院・捨身ヶ嶽禅定のお堂を望むことができました。

あの山からお大師さまが飛び降りたのかぁ〜!

そんなことよりなんと!
ここで念仏を唱えると捨身ヶ嶽禅定に登ったのと同じ御利益が得られるという!

ということで拝み倒す・・・って、何の御利益があるんだろぅ(-“-;) ??

多分、成就系の御利益かな?

ちなみに、出釈迦寺から奥の院・捨身ヶ嶽禅定までは40〜50分の登山で到着できるそうです。

で行くこともできるそうですが、かなりの急坂のため四駆の軽自動車以外はオススメしてないみたいです!

運転に自信のない方もオススメしてませんでした。

あと、ネットの情報によると急坂のためバイクも厳しいとのことです。


●車でのアクセス
・車で行かれる方は出釈迦寺の納経所で600円を納めてを受け取る。

・柳の水駐車場までは無料で行けますが、それより先はがかけられているので、納経所で受け取ったが必要。

・鎖より先の山道を登ると山門近くの駐車場まで行けるそうです。

●奥の院縁日は無料送迎車あり
・日時 毎月旧暦の15日夜
(7月のみ土用丑の日)

・料金 無料

・縁日の後、堂内で宿泊が可能。
(参籠料1000円)

・悪天候で中止になる場合あり

本日は夕方までに四国を離れないといけなかったため奥の院への登拝はできませんでしたが、いつか機会があったら参拝を兼ねて五岳山の縦走登山もいいかもね!

また1つ楽しみができました。


そんなこんなで、参拝終了。

第74番・甲山寺へ続く。

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御朱印情報

●御朱印の種類
・四国八十八ヶ所の御朱印
・奥之院 捨身ヶ嶽禅定の御朱印
・七ヶ所まいりの御朱印(恵比寿神)
・奥之院 粟嶋社の御朱印
・奥之院 蛭子社の御朱印
・久延毘古神の御朱印

●御朱印の受付場所
・納経所

●御朱印の受付時間
・7:00~17:00

●御朱印の料金
・四国八十八ヶ所 500円
・奥之院 捨身ヶ嶽禅定 300円
・七ヶ所まいり(恵比寿神)300円
・奥之院 粟嶋社 300円
・奥之院 蛭子社 300円
・久延毘古神 300円

●期間限定・特別御朱印
・与謝野晶子 限定御朱印

1931年、与謝野夫妻が善通寺高等女学校(現・善通寺第一高等学校)で講演を行ったそうです。
そして講演後、与謝野晶子さんは善通寺の印象を詠んだといいます。

2006年、その歌が書かれた直筆の色紙が発見されたことにより、奥の院の参道に歌碑を建立。

そんなこんなで、与謝野晶子 限定御朱印にはその時に詠まれた歌が書かれているそうです。


●オリジナル御朱印帳
・七ヶ所まいりの散華帳(2000円)

・2011年6月4日 参拝
・2024年3月 最終更新
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参拝情報とアクセス

●拝観料
・無料

●宿坊
・なし

●前後札所
・第72番札所・曼荼羅寺へ550m
 徒歩10分
 車で3分

・第74番札所・甲山寺へ3.5km
 徒歩35分
 車で10分

●最寄りの駅
・JR善通寺駅から徒歩1時間
・JR善通寺駅から車で15分

●最寄りのバス停
・市民バス空海号
 曼荼羅寺前 バス停から徒歩5分

●最寄りのIC
・高松自動車道
 善通寺ICから車で15分

●駐車場
・無料の専用駐車場あり(30台)

出釈迦寺の地図

 

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