初心者の私が感じた四国遍路~初心者向け基礎知識・参拝法・注意点・費用・メリットデメリット~(四国八十八ヶ所)

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四国八十八ヶ所とは?

●四国八十八ヶ所とは?

四国八十八ヶ所巡礼とは、読んで字のごとく四国八十八ヶ所お寺巡礼することです。

四国八十八ヶ所は、今から1200年前に弘法大師(空海)が苦難の道を経て、人々の心の悟りの場として開いた霊場といわれています。

・徳島県(発心の道場)・・・23寺
・高知県(修行の道場)・・・16寺
・愛媛県(菩提の道場)・・・26寺
・香川県(涅槃の道場)・・・23寺

約1400kmにもおよぶ修行の道は、まるで仏教の悟りの境地を絵図にした胎蔵曼荼羅のよう。


●遍路とは?

四国霊場を巡拝することを遍路といい、巡拝する人をお遍路さんと呼びます。

遍路という言葉は辺地が語源といわれています。

辺地とは海辺や山間などの不便な土地という意味。
簡単にいうとへんぴな土地という意味です。

遍路という言葉が使われるようになったのは江戸時代後期。
庶民が巡拝するようになってからといわれています。


●なぜ八十八ヶ所なの?

なぜ八十八ヶ所なのかは諸説あるみたいです。

●説①
八十八は人間の持つ煩悩の数を表すという説。

お遍路の旅で満願成就すると、この煩悩が消滅し成仏できるということから八十八ヶ所が定められた。

●説②
男の厄年42と、女の厄年33と、子供の厄年13を合計した数が八十八だから。

●説③
命の糧であるという漢字を分解すると八十八になるから。

どの説も面白いですが、私的には米説がグッときました。


●四国遍路の目的

四国遍路をする目的は人それぞれ。

追善供養をする人。
願いを成就させたい人。
難病に苦しむ人。
心病める人。
悩める人。
自分を見つめ直したい人。
自分探しをする人。
人生を変えたい人。
気持ちを整理したい人。
故郷を追われた人。
生き方を悔い改めたい人。
魂を震いたたせたい人。
ステップアップしたい人。
癒しを求めたい人。
単純にお寺が好きな人。
単純に楽しみたい人。
特に何もない人などなど。

それぞれの想いを胸に、一心に祈り、お大師さまと共に歩む同行二人の旅です。


道中で出会うお遍路さん。
道中で出会う接待の心。
道中でかけられる優しい言葉。

そんな人間の温かみにふれ合う感謝の旅

巡り終えると、きっと自分の中で何かが変わっているはずです。

ちなみに、四国の人はお遍路さんお大師さまと慕い、お接待の心で出迎えてくれますよ。
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初心者の私が体験した四国遍路

●四国遍路を始めたきっかけ

実は私・・・恥ずかしながら

四国に旅立ったきっかけは、ただの思いつきでした・・・。

後先のことを考えずに行動する私は、大した予備知識を持たずに目覚めと同時に『よし四国に行こっ!』と家着のまま車に飛び乗って四国に突入

すでにお遍路について知っている方も多いと思いますが、私は大した知識もなく四国に飛び込んでしまったのです。

普段通りにお寺を参拝すればいい』という軽い気持ちで飛び込んでしまったため、いざ巡礼を始めると境内を埋め尽くす白衣の軍団圧倒され、読経大合唱にオロオロとしてしまいました。

四国霊場は他の霊場にはない独特な本気ムードで支配されています。

そのムードを肌で感じた私は、お気軽モードを改め、真面目モードにシフトチェンジ。
変わり身の早さは天下一品。

巡礼の目的を母の病気平癒を祈る旅に決めました。


楽しいことが好きだった母。

ですので、できるだけ楽しみながら旅をしてきましたよ~。


ちなみに納経帳と御影は母の棺桶に入れました。

そうです、願いが叶わなかったのですよ~。
きっと私の祈りが足らなかったからだ!

おーとっ!

いきなり重い空気にしてしまった!

スミマセンっっっ!


●結願の日

2009年10月10日~2011年6月19日。
約1年8ヶ月の旅が終わりました。

自宅 ⇄ 四国間を14往復。
順打ち・区切り打ち・日曜遍路での巡拝でした。

移動距離はおそらく10000km以上。
四国霊場の総距離は1400kmといいますから、7回以上も四国八十八ヶ所を巡った距離になる!

費やした金額は不明ですが、そうとうなお金を使ったような気がします。
おそらく、そのほとんどが高速代とガソリン代。



なにぶん飽きっぽい性格なもんで、遍路スタイルは様々。

車遍路から始まり、レンタサイクル遍路になり、電車遍路をし、歩き遍路を経て、再び車遍路に戻りました。

ピッチリとアイロンの跡がついた白衣を着て出発した初日。
結願日にはヨレヨレになり、多少黄ばんでいた。
しどろもどろだった読経も、途中から暗記できていました。


四国巡礼で何かを得たのか?

多分・・・脳ミソがよりシンプルになったような気がします!
今まで物事を斜めに見がちだった私ですが、ど正面から物事を見れるようになりました!
シンプルな生き方・考え方って楽だということを気付かせてくれた旅でした。

それが大きな収穫です。


四国で出会った人達に感謝!
歩き遍路さんからもらった勇気に感謝!
山とか空とか海とかに感謝!

それもこれもお大師さまのおかげ!
最後まで同行二人だったようだ!

同行一人にされなくてよかった!


どうです?

皆さんもお大師さまとともに四国を旅してみませんか?
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初心者の私が感じた四国遍路

●その① 見た目が大事!
初心者の私が感じたのは、まずは見た目が大事!

全員とはいいませんが、ほとんどの人が白衣を着ています。
第1番札所の山門に立ったとき、私服でいることにちょっと違和感を感じたくらい!

白衣や菅笠を装着することで、遍路をしているという自覚と、何よりテンションが上がります。


●その② 事前に読経の練習を!
次に、旅立つ前に読経の練習をしておくこと!

ある程度、お経がスラスラ読めないとスムーズに巡礼が進んでいきません。


●その③ 計画的な巡礼を!
次に、ある程度のルートを頭の中に入れて、計画的に巡礼すること!

その日の終わりをどの札所にするかが、次の日の巡礼に大きく左右します!
効率よく巡礼を進めるには、どこで区切るか、どこで宿をとるかがカギです。


●その④ 難所は朝一で!
次に車遍路の場合、難所は朝一で参拝すること!

四国巡礼には遍路転がしという、とんでもない急坂の難所がいくつかあります。
車遍路の場合、ガードレールのない離合不可能な細道があったりするので、難所は車遍路さんが少ない朝一で参拝することをオススメします。

参考程度に!
私は難所がある札所は、全て朝一で参拝できるように予定を組みました。

ちなみに巡礼中、脱輪する車を2度見ました。
その度に大渋滞&大救助です。

そういった場面に遭遇した際は、お大師さまと一緒に旅をしているということをお忘れなく!
お大師さまに試されていると思って、偽善でもいいので助け合いの心で救助してあげてください!


●その⑥ 無理なく!
次に歩き遍路の方は無理なく!
巡礼中、救急車で運ばれる歩き遍路さんを2度見ました。

1度目は、巡礼開始早々の第4番札所付近で道路を這いつくばる外人遍路さん。

は、早すぎるリタイア・・・無念。
きっとペース配分を間違えたのでしょう。。

こちらも助け合いの心で救助してあげてください!


●その⑦ バス遍路さんと遭遇!
次にバス遍路さんとズラして行動すること!

バス巡礼は大量のお遍路さんを連れてやってきます。
その時、ガイドさんはとんでもない数の納経帳を納経所に預けて参拝します。

そのため、納経の待ち時間がとんでもないことになります!(マジ)
私は最長1時間待ちがありました。

こうなるとせっかく立てた計画も台無しです。
ということで、バス遍路さんに遭遇した場合は、今後の札所で再び遭遇しないように、時間をズラす工夫をして回避してください!


●その⑧ モチベーションの維持!
四国巡礼で私を苦しめたのはモチベーションの維持!

八十八ヶ所ともなると、気持ちが切れることが多々あります。
集中力を失って目的を見失いそうになる時や、雑になりかける時がありました。

そういう時はお大師さまが与えた試練だと思って、初心を思い出して乗り越えました。
気晴らしに観光を挟むのも1つの手かもしれません。

車遍路でこれだから、歩き遍路の方は本当に大変だと思います。


●その⑨ お金がかかります!
もう1つアドバイスとして、四国巡礼は思っていた以上にお金がかかります!

コスチューム、アイテム、食事、宿泊費、交通費、ガソリン代、納経料、お賽銭などなど。

●車遍路
・20〜25万円

●バス遍路
・15〜25万円

●公共機関 + 歩き遍路
・25〜35万円

●歩き遍路
45〜60万円!

これは通し打ちの費用の目安です。
当然、日数が増えれば増えるほど金額は増していきます。


ちなみに私は、自宅と四国間を車で14往復もするという超効率の悪い巡礼をしたため、とんでもない費用と日数がかかりました!

かかった費用を計算すると自暴自棄になりそうなので、いまだにいくら費やしたかはわかっていません。(現実逃避)

ここに無計画旅の弊害が大きく出ました!

無計画旅を好む私は、これはこれで楽しい旅となりましたが、必ずしも皆が楽しめるとは限りません(当然)

ということで、ここからは旅立つ前に知っておいた方がいい四国遍路の基礎知識を書いていきます。
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四国霊場の巡り方

●四国八十八ヶ所の霊場マップ

四国遍路では札所を巡る順番に決まりはありません

いつ、どこから始めてもよく、また順番通りに巡らなくても大丈夫です。

1度に全ての札所を巡ることを通し打ちと呼びますが、必ずしも通し打ちでなくてもOKです。

無理をせず、自分の予算やスケジュールで回ることをオススメします。


四国遍路では、札所にお参りすることを打つといいます。

●順打ち
札所を第1番〜第88番まで順番通りに巡拝することを順打ちといいます。

地図でいうと時計まわりになります。

順打ちは道順が分かりやすく、基本となる巡り方ですので、初心者にオススメです。


●逆打ち
逆に、札所をカウントダウン形式で第88番〜第1番に巡ることを逆打ちといいます。

地図でいうと反時計まわりになります。

一般的には順打ちが基本とされていますが、逆打ちの方が功徳が大きいとされています。

ただし、案内や道などは順打ちを基本としているため、初心者には逆打ちは難しいとされています。


●逆打ちの由来
平安時代、弘法大師に許しを求めるために20回もお遍路を巡った衛門三郎が、21回目に逆回りをしたところ、死ぬ間際に弘法大師に出会うことができました。

それが逆打ちの始まりといわれています。

四国では、現在も弘法大師がお遍路をしていると考えられていて、順打ちよりも逆打ちの方がお大師さまに会いやすいといわれています。


●区切り打ち
札所を数回に分けて巡拝することを区切り打ちといいます。

これは四国遍路の札所を1度に巡らず、数回に分けて巡る方法で、近年では多くの人が区切り打ちをしています。


●乱れ打ち
札所を巡る順番にこだわらず、バラバラに打つことを乱れ打ちといいます。

近いところから攻めるもよし。
難所から攻めるもよし。
好きなお寺から攻めるもよし。
気分に任せて攻めるもよし。

1番自由な打ち方です。


ちなみに私は順打ち・区切り打ちで巡りました。

順打ちの方は、道路標識もわかりやすく、1番〜88番まで1度も迷うことなく巡拝できました。

区切り打ちの方は、14回に区切り、約1年8ヶ月かけて結願しました。

相当、マイペースな巡礼でした!

良く言えば、1ヶ所1ヶ所を丁寧に巡ったということです(笑)
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旅立つ前に必要な服装と用具

●旅立つ前に必要な服装

お遍路さんというと白装束姿を思い浮かべてしまいますが、必ず白装束を着用しないといけないというわけではありません。

簡略式の装束で巡拝してもOKです。
ご自身の予算や都合に合ったスタイルでアイテムを揃えてください。

①白衣(びゃくえ)
巡礼をするときに着用する白い行衣です。
背中に南大師遍照金剛と御宝号が書かれていて、袖つきと袖なしがあります。


②輪袈裟(わげさ)
礼拝の正装具で、白衣の上から首に掛けて使用します。

袈裟を簡略化したもので、仏に帰依するという意味があります。
また修行中であるという決意も表しています。


③数珠(じゅず)
数珠は心身を清浄にして仏への帰依を表します。

真言宗では念珠ともよばれ、二重の数珠が多く使われていますが、菩提寺の数珠や腕輪タイプのものでもOKです。


④金剛杖(こんごうづえ)
上部に五輪塔がかたどってある杖です。
弘法大師の化身として大切に扱いましょう。

大日如来の三昧耶形・お姿でもあるので、上部には杖カバーや金襽を巻いて直接触らないようにします。


⑤杖カバー(つえかばー)
直接手で金剛杖上部を触れないようにするカバーです。

他のお遍路さんの金剛杖と取り間違えしないように、杖カバーに名前や目印をしておくのがポイント。


⑥管笠(すげがさ)
丸い形の管笠は宇宙を象徴する大日如来を表しているといわれ、風雨をしのぎ、日除けにもなります。

通常、堂内は脱帽をするのが決まりですが、管笠は天蓋という意味もありますので、四国霊場では堂内で笠を取らなくてもOKです。

江戸時代には遍路が旅の途中で死んだ場合、この笠を遺体に被せて棺桶代わりにしていたそうです。


⑦頭陀袋(ずだぶくろ)
納経帳・数珠・経本・ロウソク・線香などを入れる肩掛けバッグです。
表に同行二人と書いてあります。

ちなみに頭陀とは、煩悩や欲望を払い仏道を求める修行のことです。


⑧持鈴(じれい)
お遍路さんが腰につける小型の五鈷鈴で、鈴の音は行者の煩悩を払い、道中の魔除けとされています。
読経やご詠歌の節に合わせて振られることもあります。



●旅立つ前に必要な用具


①納経帳(のうきょうちょう)
本堂・大師堂で参拝後、納経所で墨書きと朱印をいただくための帳面です。

朱印を受ける際は、納経帳を開いて差し出し、納経料300円を支払います。
満願になった納経帳は一生のお守りであり、棺桶に入れると無事に浄土にいくことができるといわれています。


②納経軸(のうきょうじく)
納経帳と同様、本堂・大師堂で参拝後、納経所で墨書きと朱印をいただく軸です。
別名・御宝印軸ともいいます。

朱印をいただく際は軸を開いて差し出し、納経料500円を支払います。

満願になった軸は表装して掛軸とし、仏事を始め家宝として仏間や床の間に飾ります。


③経本(きょうほん)
本堂と大師堂で唱えるお経が書かれています。

四国霊場専用のもので、般若心経・十三仏真言・光明真言・八十八ヵ所御本尊御真言などが書かれています。

暗記していても経本を見ながら読経するのが決まりです。


④納め札(おさめふだ)
巡礼の証として巡拝年月日・住所・氏名・年齢を記入し、本堂や大師堂の納札箱に入れる札です。

納め札は巡拝回数により6種類あります。

1回~4回は札。
5回~7回は札。
8回~24回は札。
25回~49回は札。
50回~99回は札。
100回~綿札。

納め札は、お接待を受けたときや、仲良くなったお遍路さんに名刺代わりとして渡すこともあります。
ですので、前日にあらかじめ必要事項を記入し、余分に数枚用意しておくと何かと便利で楽です。


⑤ロウソク・線香(せんこう)
読経の前に本堂と大師堂にお供えします。

ロウソクの明るさは仏の智慧を表し、熱は仏の慈悲を表すといわれています。
そしてお香の煙は仏の食べ物を意味し、煩悩を消し去り心を清浄にするといわれています。


⑥御影帳(おみえちょう)
御影とは納経をしたときにいただく、御本尊が描かれたお札です。
お姿ともいいます。

御影帳は御札を整理するアルバムで、八十八ヶ所の写真・山号・寺名・御詠歌が書かれています。
結願後、御影を額にする人もいるそうです。


⑦賽銭袋(さいせんぶくろ)
賽銭・納経料・駐車料金などを入れる布袋です。


全てを揃える必要はありませんが、最低限、白衣と輪袈裟と数珠と経本と納経帳を用意しておくことをオススメします。

正式なお参りの仕方

①山門

山門を入る前に、身なりを整えて輪袈裟数珠納経帳など、参拝に必要なものを準備します。

山門前もしくは境内入口で合掌をし、心を整えて1礼します。

そして左側を通り、山門をくぐります。


②手水舎

手と口を清めます。

まず右手に柄杓を持って水をくみ、左手を洗った後、柄杓を持ちかえて右手を洗います。
そして左手に水を溜めて口をすすぎ、残りの水で握っていた部分を洗い流します。

柄杓に口を直接つけてはいけません。


③鐘楼

鐘を撞く前に合唱をして1礼します。
お賽銭箱がある場合はお賽銭をします。

そしてやさしく鐘を1回撞きます。

鐘を撞くことには煩悩を取り払う意味と、御本尊様とお大師さまへのご挨拶でもあります。

ちなみに鐘を撞いてはいけないお寺や時間帯があります。


④本堂

本堂前に到着すると、ロウソク1本上段から立てます。
そして線香3本中央から立てます。


次に納め札を納札箱に入れます。

そして供物料としてお賽銭を納めます。


お賽銭を済ませたら本堂で合掌 → 礼拝 → 読経 → 合掌の順で参拝します。

読経の順番はこちら。

①開経偈(かいきょうげ)
②懺悔文(ざんげもん)
③三帰(さんき)
④三竟(さんきょう)
⑤十善戒(じゅうぜんかい)
⑥発菩提心真言を3回(ほつぼだいしんしんごん)
⑦三摩耶戒真言を3回(さんまやかいしんごん)
⑧般若心経(はんにゃしんぎょう)
⑨各霊場の御本尊真言(ごほんぞんしんごん)
⑩十三仏真言(じゅうさんぶつしんごん)
⑪光明真言を3回(こうみょうしんごん)
⑫御宝号を3回(ごほうごう)
⑬廻向文(えこうもん)

※暗記していても経本を見ながら読経するのが決まりです。

本堂での参拝が終わったら大師堂へ向かいます。
四国霊場では必ず大師堂があります。


⑤大師堂

本堂同様、ロウソク1本を上段から立てます。
そして線香3本を中央から立てます。

次に納め札を納札箱に入れます。
そして供物料としてお賽銭を納めます。

お賽銭を済ませたら本堂同様、合掌 → 礼拝 → 読経 → 合掌の順で参拝します。

読経は札所本尊真言と十三仏真言を省き、あとは本堂と同じです。


大師堂で参拝を終えたら、納経所へ。


⑥納経所

納経所では、納経帳を開いて差し出し、納経料300円を支払います。

納経の受付時間は7:00~17:00です。
(横峰寺は冬季変更あり)

基本的にどの札所も、時間がきたら問答無用で閉門します。

巡礼中、境内入口で絶望的に立ちすくむ歩き遍路さんを何度かお見かけしました。
何10キロも歩いたあげく間に合わなかったのです・・・。

かけてあげる言葉も見つからず・・・いまだにあの時の光景が忘れられません。
田舎の札所だったため、恐らく野宿をして夜を明かすことになったでしょう。。

このように四国遍路では様々な人間ドラマに出会うことができます。


⑦山門

山門を出るときは振り返り、菅笠以外の帽子は脱いで境内(御本尊・お大師さま)に向かって合掌・1礼し、次の札所に向かいます。

道中での作法と注意事項

①境内の通行
基本的に、山門・石段・参道は左側を歩くことを心がける。

納札箱や賽銭箱は1段高い場所にありますが、左から上がって時計回りに下りるのが基本です。


②金剛杖
橋の上では杖をつかないのが四国霊場のお約束です。 これはお大師さまが十夜ヶ橋の下で宿をとったのが由来です。

●弘法大師の十夜ヶ橋伝説
弘法大師は十夜ヶ橋で夕暮れを迎え、泊めてもらえる家を探すも宿を見つけることができませんでした。

ということで、仕方なく橋の下で野宿をするのですが、寒さと空腹が容赦なく襲ってきました・・・。

挙げ句の果てには、橋の上を通る人の杖の音がうるさく眠れない始末・・・。

たった一晩が十夜にも感じたといわれています。

そんなこんなで、現在も橋の下にはお大師さまが休んでおられるといわれ、橋の上で杖をつかないのが四国遍路でのお約束となっております。

その他、宿に入るときは金剛杖の先(大師の御足)を洗ってから宿に入るというお約束もあります。


③読経
賽銭箱の前で読経をすると後から来られたお遍路さんの妨げになります。

ということで、本堂・大師堂で読経する際は、右か左に寄り他のお遍路さんの迷惑にならない場所でするように心がけましょう。

その他、お経を暗記していても経本を見ながら読経するのが決まりです。


④賽銭
お賽銭は事前に用意しておきます。

投げ入れるのではなく、御本尊様やお大師さまにお受けいただく感謝の気持ちで賽銭箱に入れます。


⑤トイレ
輪袈裟・納経帳・数珠などはトイレに持ち込まないようにします。

トイレに持ち込むということは、御本尊様やお大師さまを不浄にお連れすることになるからです。

ただし、何も書かれていない白衣はトイレに持ち込んでも大丈夫です。


⑥駐車料金
駐車場は有料無料があります。

無人の有料駐車場の場合は、備え付けの箱に料金を入れます。

納経所に料金入れが備え付けられていたり、納経料と一緒に支払う札所もあります。


⑦お接待
四国では住民からお接待を受けることが多々あります。

四国では、お接待はお大師さまへの供養とされているからです。

お接待を受けたときは有難く頂戴し、南大師遍照金剛3回お唱えして、その人の幸せを祈って納め札を渡すのが礼儀です。

お接待はお断りしないのが決まりです。

私は途中までお接待のルールを知らずに旅を進めていました。

お礼の納め札を渡すことができなかったことを、いまだに後悔しています。。。

遍路の費用 メリットとデメリット

●歩き遍路

●歩き遍路の日数
歩き遍路は、通し打ちで1日8〜10時間。
毎日20〜30km歩いて45日
遅い人で60日かかるといわれています。

●歩き遍路の費用
歩き遍路にかかる費用は45〜60万円
そのほとんどが宿泊代と飲食代といわれています。

●歩き遍路のメリット
他のお遍路さんや、地域住民とのコミュニケーションが取れること。

道ばたで休憩中、地元の人に優しいお言葉をかけてもらったり、飲み物やミカンなどのお接待を受けたり、善根宿に泊めてもらったり、人の優しさを感じながら旅ができること。

●歩き遍路のデメリット
日数がかかること。
日にちが増えると費用も増えていきます。

遍路道は平地だけではなく、登山のような険しい道もありますので、体力健脚精神力が必要となります。

またケガ野犬の遭遇や遍路狩りなどの危険を伴います。

健脚の方でも約10キロの荷物を背負って歩き続けるのは相当な苦行です。
歩行が困難になってもタクシーや交通機関が無いところ、宿泊施設がないところが多いです。

歩き遍路は約70%の方が途中でリタイアするといわれています。
まさに命懸けの旅です。

ナメてかかるとエライ目に遭うそうです。


●車遍路

●車遍路の日数
車遍路は、通し打ちで10〜12日

●車遍路の費用
車遍路にかかる費用は20〜25万円くらいといわれています。

●車遍路のメリット
・比較的、費用が安い。
・自分のペースで巡れる。
・雨風、季節を問わない。
・車中泊をすれば費用を抑えれる。
・観光地などの寄り道ができる。
・気の知れた人と巡れる。
・子供や老人と一緒に巡れる。
・予定を変更しやすい。

●車遍路のデメリット
・離合不可能な細道がたくさんある。
・渋滞。
・ガードレールなしの細道がある。
・急坂の細い山道がある。
・長時間の運転による疲れ。
・移動中に巡礼中ということを忘れがち。
・先を急ぎがち。
・旅行感覚になりがち。
・他のお遍路さんとの触れ合いが少ない。
・近い距離に札所が連続すると少しストレス。
・乗車のたびに菅笠を脱ぐのが面倒。

私だけかも知れませんが、車で歩き遍路さんを追い抜くとき、なんだか自分だけ楽をしているような気がしてとても心苦しい気持ちになりました。

私にとってのデメリットはそこでした。


●バス遍路

●バス遍路の日数
バス遍路は、日帰りツアーを約10回に分けて巡るものから、約10日間連続で巡るものまでさまざまなコースがあります。

●バス遍路の費用
バス遍路の費用は15〜25万円くらいといわれています。

現代のお遍路さんがもっとも多く利用しているのがバス遍路といわれています。

●バス遍路のメリット
・専門スタッフに全部お任せで楽ちん。
・予備知識がなくても参加できる。
・先達さんやガイドさんの解説付き。
・安全性が高い。
・費用が安い。
・確実に結願できる。
・体力のない方やお年寄りでも安心。
・気が楽。
・移動中に体力の温存。眠れる。

●バス遍路のデメリット
・自分のペースで巡ることができない。
・気を使う。
・途中で帰れない。止めれない。
・寄り道ができない。
・味気ない。
・集団での読経なので口パクになりがち。
・境内を散策する時間がない。
・人数不足で中止になる可能性がある。

人によっては楽。
人によっては苦行。

感じ方は人それぞれのようです。


●タクシー遍路

●タクシー遍路の日数
タクシー遍路は、日帰りツアーを約10回に分けて巡るものから、10日間連続で巡るものまでさまざまなコースがあります。

●タクシー遍路の費用
タクシー遍路の費用は20〜30万円くらいといわれています。

●タクシー遍路のメリット
・ドライバーに全部お任せで楽ちん。
・予備知識がなくても参加できる。
・先達さんの解説付き。
・安全性が高い。
・確実に結願できる。
・体力のない方やお年寄りでも安心。
・気が楽。
・移動中に眠れる。
・時間に余裕があると観光地を案内してくれる。
・駐車場の心配が不要。
・オーダーメイドプランがある。

●タクシー遍路のデメリット
・自分のペースで巡ることができない。
・気を使う場合がある。
・味気ない。
・巡礼をしている気がしない。
・達成感がない。


●バイク遍路

●バイク遍路の日数
バイク遍路は、通し打ちで7〜10日

●バイク遍路の費用
バイク遍路の費用は15〜20万円くらいといわれています。

●バイク遍路のメリット
・費用が安い。
・自分のペースで巡れる。
・予定を変更しやすい。
・風を感じれる。
・細道でも脱輪の心配がない。
・観光地などの寄り道ができる。

●バイク遍路のデメリット
・悪天候のときは苦行。
・安全性が低い。
・疲労が溜まりやすい。
・荷物の積載量が少ない。
・先を急ぎがち。


●自転車遍路

●自転車遍路の日数
自転車遍路は、通し打ちで20~25日

●自転車遍路の費用
自転車遍路の費用は15〜20万円くらいといわれています。

●自転車遍路のメリット
・費用が安い。
・自分のペースで巡れる。
・観光地などの寄り道ができる。
・駐車場が不要。
・ロープウェイなどに乗車可能。
・修行感を味わえる。

●自転車遍路のデメリット
・安全性が低い。
・体力と精神力がいる。
・山道・坂道がキツい。
・場合によっては自転車を担いで登る。
・難所の下りの坂が急過ぎて危険。
・ガタガタ道もある。
・夜の山道は暗くて危険。
・疲労が溜まりやすい。
・悪天候時は危険。
・タイヤのパンク。
・荷物の積載量が少ない。
・野犬に遭遇。

長距離や悪条件の道を走ることが多い四国遍路では、ママチャリやクロスバイクやロードバイクは適していません。

四国遍路で使われる自転車でベストなのはシクロクロスバイクといわれています。


●まとめ
ご自身に合ったスタイルで巡れるのが四国遍路の魅力の1つです。

私が巡礼したときは、ハーレー軍団のお遍路さんやアウトドアスタイルのお遍路さんをたくさんお見かけしました。

皆さん自由にお遍路を楽しんでいました。

遍路用語

①札所
霊場のお寺のことです。

昔、巡礼者が本尊が安置されているお堂の柱などに木製や金属製の納札打ちつけたのが由来です。


②打つ
札所を巡拝することを打つといいます。

これもお堂の柱などに木製や金属製の納札打ちつけたのが由来です。


③順打ち
札所を番号順に、四国の地図を時計回りに巡拝することです。

1番からとは限らず、自分の都合に合わせて途中の札所から始めても順打ちといいます。


④逆打ち
順打ちの反対回りで札所を巡拝することです。

1回の逆打ちは順打ちの3倍の功徳があり、今も順打ちされている弘法大師に会えるといわれています。

閏年に逆打ちすると、とてつもない功徳が得られるといわれています。


⑤通し打ち
札所を1度に全て巡拝することです。

かつては1度の巡拝で全ての札所を打つことが主流で、正式な巡礼方法だったそうです。


⑥区切り打ち
自分の都合や巡拝バスに合わせ、札所を数ヶ所に分けて巡拝することです。


⑦打ち抜け
前の札所から来た同じ道を戻らずに、別の道を通って次の札所に向かうことです。


⑧打ち戻り
次の札所へ行くために、通った道を戻ることです。

わずかな参道を戻る場合や、数十メートル戻る場合も打ち戻りといいます。

第37番・岩本寺から市野瀬を経て第38番・金剛福寺に至り、再び市野瀬に戻って第39番・延光寺に向かう足摺七里打ち戻りが有名です。


⑨一国参り
阿波国(徳島県)・土佐国(高知県)・伊予国(愛媛県)・讃岐国(香川県)の各1国の札所だけを巡拝することです。


⑩日曜遍路
日曜日や祝日を利用して、日帰り巡礼をすることです。

無理なく気軽に計画できるので、観光を兼ねて1年がかりで巡拝する家族連れが多いです。


⑪打ち納め
予定していたコースの最終札所を打ち、納め札を納めることです。

ちなみに、1日の終わりの場合は打ち留めといいます。


⑫発願(ほつがん)
巡拝始めようと決心することです。

巡礼を始めたお寺がその人にとっての発願寺となります。


⑬結願(けちがん)
全ての札所巡拝し終えることです。
満願と同じ意味です。

順打ちをしなくても結願といい、最後に訪れた札所が結願寺となります。


⑭遍路ころがし
遍路泣かせの険しい坂道がある難所のことです。

第11番・藤井寺から第12番・焼山寺。
第20番・鶴林寺から第21番・太龍寺。
第60番・横峰寺。
第66番・雲辺寺などが有名です。


⑮お接待(おせったい)
巡拝者に対して、地元の人たちが食べ物・飲み物・宿・お金・励ましの言葉などを与える善根の施しのことです。

お接待はお大師さまへの供養とされるため断ってはいけません

お接待を受けると、お礼に南大師遍照金剛3回お唱えして、その人の幸せを祈り納め札を渡します。

お接待は間接的に巡礼に参加し、功徳が得られるといわれています。


⑯先達(せんだつ)
初心者の巡拝者を案内し、お参りの指導や巡拝のお世話をする遍路経験者のことです。

八十八ヶ所の歴史や札所の由来などを熟知し、四国八十八ヶ所霊場会本部で資格を得ている方です。


⑰善根宿(ぜんこんやど)
見ず知らずのお遍路さんを無償で自宅に泊め、食事などを提供することです。

巡拝者はその家の仏壇を拝し納め札を置くのが礼儀です。


⑱同行二人(どうぎょうににん)
弘法大師一緒巡礼をしているという意味です。

弘法大師お遍路さん常に共に旅をしていて、お大師さまの御加護を受けながら巡拝しているということを表しています。

皆さまにとって良い旅になりますよう、心から祈っております。

長々と最後までありがとうございました。
 

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