大興寺の御朱印|四国霊場 第67番|真言宗なのに天台大師!運慶作の仁王さんと湛慶作の十二神将|四国八十八ヶ所 車遍路の旅( 香川県三豊市)

所在地香川県三豊市山本町辻4209
宗 派真言宗善通寺派
札 所四国八十八ヶ所 第67番
前後札所 ・前 → 第66番札所・雲辺寺
・後 → 第68番札所・神恵院
本 尊薬師如来
真 言おん ころころ せんだりまとうぎ そわか
由 緒742年、熊野三所権現鎮護のために東大寺の末寺として建立。 その後、火災に遭いますが、822年に嵯峨天皇の勅願により、空海(弘法大師)が再興したそうです。お寺は真言宗と天台宗の2大宗派によって管理され、最盛期には七堂伽藍、真言宗24坊、天台宗12坊の僧坊が建ち並ぶ大寺院だったそうです。しかし、1573~1592年に長宗我部元親軍の兵火に遭い、一部の堂宇を残して焼失。その後、再建され現在に至るそうです。
HP小松尾山 不動光院 大興寺 – 四国八十八ヶ所霊場会

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大興寺とは?


四国八十八ヶ所の第67番札所であります大興寺に到着。

第66番札所・雲辺寺から24km。
徒歩4時間30分。
車で40分のところに位置しています。

大興寺と書いてだいこうじと読みます。

●大興寺とは?

742年、熊野三所権現鎮護のために東大寺の末寺として建立したのが始まりといいます。

創建当初は現在地から約1km離れた地にお寺があったそうです。
現在その地はあみだ地と呼ばれ、大興寺や大円坊などの小字名が残り、当時の名残をとどめているそうです。

しかしその後、火災により焼失。

822年、嵯峨天皇の勅願により弘法大師が再興し、本尊・薬師如来像を刻んで安置したそうです。

その後、真言宗天台宗を兼学する寺院となり、最盛期には七堂伽藍と真言宗24坊・天台宗12坊の僧坊が軒を連ねたそうです。


しかし、1573〜1592年に長宗我部元親の兵火により一部の堂宇を残して焼失。

その後、1596〜1615年に再建されますが、再び焼失。

現在の本堂は1741年に再建されたものといわれています。

明治時代まで熊野三所権現と神仏習合の形態をとっていましたが、神仏分離令で独立し現在に至るそうです。


本日も大雨です。
大雨というか台風です!(笑)

油断したら転がっちゃうよ。
まさに遍路ころがしですよ!

昨日、四国霊場最後の難所・雲辺寺の参拝を無事終えることができましたが・・・まさか平地が難所と化すとはねっ!

天気は乱れていますが心は乱さず。
これもお大師さまが与えてくれた試練だと思って札を打ち続けましょう!

そんなこんなで、参拝開始。
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山門(仁王門)

●寺号標

そんなことよりこのお寺の正式名称は、小松尾山 不動光院 大興寺 泉上坊

御詠歌に

植えおきし小松尾寺を眺むれば 法の教えの風ぞふきぬる

と詠われているように、地元では昭和時代の終わり頃まで小松尾寺と呼ばれていたそうです。

また、お寺の近くには閼伽谷東蓮坊蓮花寺岡など寺院に由来する地名が残されているらしく、また背後の山は菩提山と呼ばれているそうですよ。


ちなみに、御朱印の寺号も小松尾寺と書かれておりました。


●山門(仁王門)

●山門(仁王門)
・1318年建立
・瓦葺 切妻造
・三間一戸 八脚門

そんなこんなで、まず最初に登場するのは山門。
門の両サイドに仁王さんが安置されていましたので仁王門となります。

鎌倉時代末期に建立された門といわれていますが、どういうわけか文化財には指定されてないみたいです。

もし本当に鎌倉時代建立ならば、長宗我部元親の兵火から焼失を免れた貴重な遺構となります。


●金剛力士像(仁王像)
・鎌倉時代初期作
・像高 3.14cm
・伝 運慶作
・香川県指定有形文化財

続いて、仁王さんにご挨拶。

なんと、仁王さんは運慶作だという!


見よ!

このチカラ弱いチカラこぶをっ!
ぎこちないポージングをっ!
緊張感のないお顔をっ!

これまで、それなりに運慶作といわれる作品を見てきましたが・・・さすがにこれは違うと思う(笑)

そんなこんなで、絵に描いたような運慶作でした!

でも、もしかしたら運慶さんが目を閉じて造ったものかも知れませんし!

そう考えると運慶作の可能性はゼロではありません!

ちなみに帰宅後に知ったのですが、頭部は江戸時代に補修されたものらしいです。

きっと頭部以外も補修されたんだろう・・・そう信じたい!


そんなことより、この仁王さんは像高3.14m。

なんと、四国霊場最大の仁王像だという!

さらになんと、香川県最古の仁王像なんだって!

作者が誰なのかはどうでもよく、貴重な文化財なのは間違いなさそうです。


そんなこんなで、仁王門をくぐって境内へ。

ちなみにこれまた帰宅後に知ったのですが、ネットの情報によると仁王門をくぐらずに境内に入ると、納経所で『仁王門から入り直しなさい』と、納経を断られるそうですよ。

ちゃんと参拝者の動きを見ておられるのですね!

よかったよ〜、仁王門から入って(汗)
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カヤと大楠と手水舎と鐘楼

●参道

そんなこんなで、仁王門をくぐると94段の石階段が登場。

どうやら、このお寺さんは小高い丘の上に建っているようです。

ちなみに、かつては階段の両サイドにお堂が建っていたそうですよ。


●大興寺のカヤ

●大興寺のカヤ
・樹齢 約1200年
・樹高 約20m
・胸高幹周 約3.92m
・香川県指定自然記念物

階段脇には弘法大師お手植えのカヤの木がそびえ立っていました。

樹齢は約1200年といいますから、お大師さまが生きた時代とビンゴです!


●大楠

●大楠
・樹齢 約700年
・樹高 約24m
・胸高幹周 約7.5m
・香川県保存木

さらにカヤの木の近くには大楠もそびえ立っていました。

こちらも弘法大師お手植えとのことですが、樹齢700年ということでお大師さまが生きた時代とビンゴしません。

でもそこはツッコまずに楽しみましょう。
きっとお大師さまはずっと生きている!


●手水舎

●手水舎
・建立年不明
・瓦葺 切妻造

そんなこんなで、手水舎でお清め。


●鐘楼

●鐘楼
・建立年不明
・瓦葺 入母屋造

●梵鐘
・1685年鋳造
・三豊市指定有形文化財

続いて、鐘楼で鐘をひと撞き。

御本尊さまとお大師さまにご挨拶。

なんとっ!

第67番にして、初めて鐘楼の写真を撮り忘れました!

いつかこのような日が訪れるのではないかと思ってましたが・・・

でも雨宿り中に撮った写真があったので良かった!
ギリギリ梵鐘も写り込んでるし・・・って、ホントどうでもいい話し!

ちなみに梵鐘は江戸時代前期に鋳造されたもので三豊市有形文化財に指定されています。
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本堂

●本堂

●本堂
・1741年再建
・瓦葺 寄棟造

●本尊
・薬師如来

●真言
・おん ころころ せんだりまとうぎ そわか

続いて、本堂を参拝。

堂内には本尊・薬師如来坐像と脇仏・不動明王立像毘沙門天立像が安置されているそうですが秘仏のため拝顔することはできませんでした。

その他、御本尊がおられる厨子の両サイドに湛慶作といわれる十二神将がおられるそうです!

運慶作の仁王像といい湛慶作の十二神将といい、このお寺は慶派との繋がりが深いようですね。


●本尊 薬師如来坐像
・平安時代後期作
・像高 84cm
・檜材 寄木造
・香川県指定有形文化財

ネットの情報によると、御本尊さまは弘法大師が一刀三礼で彫刻したものといわれています。

平安時代後期作とのことなので、これまたお大師さまが生きた時代とビンゴしませんが、細かいことは気にしない!

そんなことより、御本尊さまは秘仏ですが、60年に1度御開帳されるそうですよ。

前回の御開帳が2017年といいますから、次回は2077年・・・多分、生きてないだろうなぁ。。


堂内では赤いロウソクがたくさん灯されていて、とても幻想的な空間になっていました。

どうやら、これは七日燈明と呼ばれる秘法のようです。

ロウソクに氏名と願いごとを書いて奉納すると7日間火を灯して祈祷してくれるんだって。

病気平癒・安産・良縁に御利益があるそうですよ。

ちなみに、ロウソクは1本1000円。
遠方で参拝できない方は郵送受付もしているみたいです。


あと、堂内には古そうなお地蔵さんもおられました。

間近で見仏することができましたよ。

これは、ありがたや、ありがたや〜です。
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大師堂と天台大師堂

●大師堂

●大師堂
・建立年不明
・瓦葺 宝形造
・本尊 弘法大師

続いて、本堂の左隣にある大師堂を参拝。

南無大師遍照金剛・・・
南無大師遍照金剛・・・
南無大師遍照金剛・・・


●弘法大師坐像
・1276年作
・像高 74cm
・佑慶作
・香川県指定有形文化財

御本尊はもちろんお大師さま。
1276年作で、作者は京仏師の佑慶さんとのことです。

なんと、制作年と作者がわかる弘法大師像としては四国最古のものなんだって!

さらに、弘法大師像の底部に大仏師法橋佑慶 東大寺末流と記されていることから、このお寺がかつて奈良・東大寺の末寺だったことが裏付けられたんだって。

ちなみに、脇陣に大日如来坐像(胎蔵界)と如意輪観音が安置されているそうです。
こちらは春秋の彼岸の日に御開帳されるそうですよ。


●天台大師堂

●天台大師堂
・建立年不明
・瓦葺 入母屋造
・本尊 天台大師(智顗)

続いて、本堂の右隣にある天台大師堂を参拝。

・・・って、ててて天台!?

このお寺は真言宗のはず???

なんと、かつてこのお寺は真言宗天台宗の2大宗派が兼学した寺院だったという!


最盛期には、真言宗24坊・天台宗12坊の僧坊が建ち並び、空海最澄の教えを修行する道場として栄えたんだって。

そのため天台宗の影響が大きく、現在も兼学の名残として本堂横に天台大師を祀るお堂が建っているという。

いやはや〜、同一境内に真言と天台の大師堂があるのって面白いですねぇ。


●天台大師坐像
・1276年作
・像高 77.4cm
・檜材 寄木造
・佑慶作
・香川県指定有形文化財

本尊は天台大師さん。

ネットの情報によると、頭部には頭巾。
そして法衣を着て袈裟をまとい、定印を結んで趺坐という独特のスタイルとのことです。

作者は大師堂の弘法大師坐像と同じ京仏師の佑慶さん。
なんと、制作年も大師堂の弘法大師坐像と同じ1276年作
ということで、この天台大師坐像は弘法大師坐像とともに造られたものなんだって!

ちなみに、脇仏は不動明王像と毘沙門天像。
不動明王は天台様式とのことです。

●天台大師とは?

天台大師とは中国の陳・隋にかけて活躍した僧・智顗(ちぎ)さんのことです。

天台宗で大師といえば最澄さんをイメージしてしまいますが、最澄さんは日本天台宗の開祖で、智顗さんは中国天台宗の実質的な開祖です。

智顗さんは天台大師または智者大師と呼ばれ、日本天台宗においての高祖として仰がれているお方です。

三鈷の松

●三鈷の松

本堂の前には三鈷の松がありました。

通常、松の葉は2本ですが、三鈷の松は3本もあるという。

三鈷の松といえば高野山・壇上伽藍が有名ですが、このお寺にもあるんですね!


なんと、三鈷の松葉を財布の中に入れておくとお金に不自由しないんだって!

ちなみに御利益があるのは落ちている葉のみです!
木から直接取った葉には御利益はないそうですよ〜。


ありがたいことに、落ちた松葉を箱の中に入れてくれてました。

テイクフリーとのことなので頂いて帰りましたよ。


ちなみに財布の中に入れてたら、バッキバキに折れて10本くらいになってました(笑)


そんなこんなで、参拝終了。

第68番・神恵院へ続く。

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御朱印情報

●御朱印の種類
・四国八十八ヶ所の御朱印

●御朱印の受付場所
・納経所

●御朱印の受付時間
・7:00~17;00

●御朱印の料金
・500円

●期間限定・特別御朱印
・なし

●オリジナル御朱印帳
・なし

※ネットの情報によると、仁王門をくぐらずに境内に入ると納経を断られるそうです。

・2011年5月29日 参拝
・2024年3月 最終更新
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参拝情報とアクセス

●拝観料
・無料

●宿坊
・なし

●前後札所
・第66番札所・雲辺寺へ24km
 徒歩4時間30分
 車で40分

・第68番札所・神恵院へ9.6km
 徒歩2時間
 車で20分

●最寄りの駅
・JR観音寺駅から徒歩1時間35分

・JR観音寺駅から車で15分

●最寄りのバス停
・三豊市コミュニティバス(山本線)
 大興寺口 バス停から徒歩15分

●最寄りのIC
・高松自動車道
 さぬき豊中ICから車で20分

●駐車場
・無料の専用駐車場あり(10台)

大興寺の地図

 

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