円応寺(閻魔寺)の御朱印~地獄へようこそ!~(神奈川県鎌倉市山ノ内)

所在地神奈川県鎌倉市山ノ内1543
宗 派臨済宗建長寺派
札 所 ・鎌倉二十四地蔵尊霊場 第8番
・鎌倉十三仏 第5番
由 緒新編鎌倉志などによると、1250年に創建したお寺といわれています。創建当初は由比郷見越岩(現・鎌倉大仏の東側)に建てられていましたが、その後、滑川の川岸に移転したといいます。1703年、元禄大地震による津波で大破。その後、1704年に現在地に移転したそうです。
HP鎌倉円応寺 閻魔様の寺
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山門と鐘楼

●境内入口

建長寺から徒歩数分のところに位置してます円応寺に到着。
北鎌倉の巨福呂坂にある小さなお寺さんです。

境内入口にある古ぼけた看板によると、どうやら閻魔大王像をプッシュするお寺のようです。

一体全体、どんなお寺さんなんでしょ。
ワクワクを胸に参拝開始。


●参道

そんなこんなで、境内入口の急な石階段を上る。

大した段数ではない・・・だけど、ゼィゼィ、ハァハァ。
どんだけ体力ないんだよ。
早くも地獄だぁ。


●山門

●山門
・建立年不明
・瓦葺 薬医門

石階段を上りきると山門に到着。
ここが地獄への入口です。


●鐘楼

●鐘楼
・江戸時代後期建立
・茅葺 寄棟造
・柱間 約2.3m

いつか死ぬ、いつか絶対死ぬ。
人間なんて産まれた瞬間から死亡率100%。
そんなこんなで、このお寺さんであの世へ行った時のためのシュミレーションをしてみるよ。
閻魔さんは怒っている。きっと怒っている。
目玉が飛び出るほど怒っている。

あー、怖い。
怖すぎて良い子ぶってしまう。
媚び売ってしまう。
軽く嘘をついてしまう。
あー、駄目だ駄目だ、きっと地獄裁判の本番でも良い子ぶってしまうんだろうなぁ。
作り笑顔をしてしまうんだろうなぁ。
あー、死にたくない。死にたくない。
閻魔さまに会いたくない。

とか思いつつ、本堂へ。
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本堂と閻魔大王像

●本堂

※堂内は撮影禁止

●本堂
・昭和時代再建
・瓦葺 宝形造
・桁行き5間 梁間5間
・頂部に宝珠 壁に火灯窓(花頭窓)

本堂内には、本尊の閻魔大王像がドーンと座っていました。
閻魔大王像の両サイドには、地獄の裁判官である十王像
そして、地獄で死者の身ぐるみをはがす脱衣婆像などが安置されていました。


そんなこんなで、閻魔さまに手を合わせる。
噂によると、閻魔さまの前で合掌し、心静かに懺悔文を3度唱えると、今まで犯した罪は全て許されるという!

ヨシッ!(*≧∀≦)b
罪だらけの人生なので、ここで1度リセットしちゃおう!

そんなこんなで、懺悔文を唱える。
四国遍路で幾度となく唱えた懺悔文。
いまだに、般若心経と懺悔文は脳に深くインプットされています。

ということで

我昔所造諸悪業
(がしゃくしょぞうしょあくごう)
皆由無始貪瞋癡
(かいゆうむしとんじんち)
従身口意之所生
(じゅうしんくいししょしょう)
一切我今皆懺悔
(いっさいがこんかいざん)


×3回。

これで全ての罪が晴れたぞ!
今、めっちゃホワイトです!(笑)

それにしても、観光客が多い中、怪しげな呪文を唱えている私・・・なんか視線がイタイ(笑)


●懺悔文(さんげもん)とは?
懺悔文とは、自分が犯した罪や過ちを仏さまに悔いあらためる言葉です。

●懺悔文の意味
・我昔所造諸悪業
(私は昔からたくさんの罪をなしてきました)

・皆由無始貪瞋癡
(果てしない過去の世から、欲望と怒りと愚かさによって)

・従身口意之所生
(身の行いと、口にする言葉と、迷いの心から生じ、積み重ねてしまった悪です)

・一切我今皆懺悔
(それらの罪を今懺悔いたします)


●閻魔大王像

※画像は鎌倉国宝館で購入した本より

●閻魔大王像
・頭部 → 鎌倉時代作
・体部 → 江戸時代作
・像高 約190.5cm
・運慶 作
・国指定重要文化財

なんと、本尊の閻魔大王像は運慶作という!
といっても、運慶が生きた鎌倉時代の部位は頭部のみで、体部は江戸時代に作られたものらしいです。
私みたいなミーハーにとっては、運慶というパワーワードを目にしただけでテンションが極楽浄土まで突き抜けちゃいます!


※画像は新TV見仏記より(関西テレビ放送)

●笑い閻魔
そんなことより、この閻魔像は通称・笑い閻魔と呼ばれているそうです。

笑い閻魔・・・どうゆーことだ!?

調べてみると、運慶は死んだ後、地獄に落ちたんだって。
そして、閻魔大王に『自分の像を作れば、生き返らせてやる!』といわれたそうです。
そして、生き返った運慶は、笑いながら閻魔像を彫ったんだと。
ということで、笑った表情の閻魔像が出来上がったんだって!

面白い話しだなぁ。

この話しを知った途端、さっきまで怒ってる表情に見えた閻魔さまが笑ってるように見えてきました!

不思議だなぁ。

この様に、この笑い閻魔さまは、死の恐怖を和らげて、たくさんの人に安心して生きていく力を与えてきたんだろうなぁ。


●子育て閻魔
ちなみに、この閻魔像は、笑い閻魔の他に子育て閻魔という通称も持っています。

元禄大地震の際、閻魔様が舌をのばして、津波にさらわれた子供達を救い上げたことから、子育て閻魔と呼ばれるようになったんだって。

ちなみに、円応寺で赤ちゃんの名前をつけてもらうと丈夫に育つんだって!


●人喰い閻魔
さらに、人喰い閻魔という通称も持っています。

円応寺がまだ滑川にあった時、閻魔大王像は瘧(おこり)を治す御利益があるとされて信仰されていたそうです。
ちなみに、瘧(おこり)とはマラリアの1種らしいです。

ある日、瘧にかかった子供のために、親が『この子の願いを聞いてください』と、閻魔さまにお願いをしたんだと。

しかし閻魔さまは『この子を召し上がってください』と聞き間違えたという!
そして、閻魔さまは子供を食べてしまったんだって((((;゚Д゚)))))))

笑い閻魔、子育て閻魔、人喰い閻魔・・・もう閻魔さまが良いお方なのか悪いお方なのかわかんなくなってきました!(笑)
やっぱ地獄で断末魔の叫びを聞き続けると、情緒が乱れるのかなぁ。


●初江王像

※画像は鎌倉国宝館で購入した本より

●初江王像
・1251年作
・幸有 作
・像高 103cm
・国指定重要文化財

円応寺所有の初江王像です。
現在は鎌倉国宝館に寄託されています。
ということで、鎌倉国宝館で拝観してきました。

慶派の流れと宋風彫刻がミックスした素敵な仏像さんでした!
ちなみに初江王とは十王の1人で、死後14日目に登場する裁判官です。


●檀拏幢と鬼卒立像
※画像は鎌倉国宝館で購入した本より

●檀拏幢(写真左)
・江戸時代作
・総高 98.3cm
・国指定重要文化財

円応寺所有の檀拏幢です。
檀拏幢と書いてだんだとうと読みます。

こちらも、現在は鎌倉国宝館に寄託されています。
ということで、鎌倉国宝館で拝観してきました。

檀拏幢とは閻魔さまが持っている杖です。
一般的に檀拏幢という呼び方より、人頭杖見る目 嗅ぐ鼻という名で知られています。

この男女の頭で死者の善悪判定をするという。
つまり極楽行きか地獄行きかを判定するマシーンです!

ジロジロと観察され、クンクンと匂いを嗅がれ・・・判定結果を待ってる間はドキドキもんですよ!

●鬼卒立像(写真右)
・鎌倉時代作
・総高 78.9cm
・国指定重要文化財

円応寺所有の鬼卒立像です。
こちらも、現在は鎌倉国宝館に寄託されています。
ということで、鎌倉国宝館で拝観してきました。

鬼卒は罪人に罰を与える地獄の鬼です。
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そもそも閻魔大王と十王とは?


閻魔さまは、人間で初めての死者になったお方です。
閻魔さまは死んだ後に、死者の進むべき道を見つけ出しました。
そして死者の国(極楽)の王になりました。
閻魔大王の誕生です。

その後、多くの人間が死にましたが、中には極楽に行くのにふさわしくない人もいました。
そこで閻魔大王は地獄の裁判で死者を裁き、死者の行く先を決めるようになりました。
地獄の裁判官は閻魔大王を含め10人の王で構成されています。
いわゆる十王です。

人は死ぬと7日ごとに、10人の王が裁判を行います。

●7日目(初七日)
1番目の裁判官は、秦広王
全ての死者は、この方から裁判が始まります。
そして、針の山を越えなければならないという!

●14日目
2番目の裁判官は、初江王
裁きの前に奪衣婆が登場します。
奪衣婆は死者の着ている服をはぎ取り、服を木の枝に掛けます。
そして、枝のしなり具合で罪の重さを判定します。

そして、三途の川を渡ります。

ちなみに、子供のうちに亡くなったときは、賽の河原に連れて行かれ、そこで永遠に石を積み続けます。

●21日目
3番目の裁判官は、宋帝王

●28日目
4番目の裁判官は、五官王

●35日目
5番目の裁判官は、閻魔大王!
ここで極楽に行くか、地獄(六道輪廻)に戻されるかを決定します。

六道とは、地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道・天道のことです。


●地獄道
あらゆる苦しみを受け続ける世界。
六道の中で最も苦しく、最も期間が長い。

●餓鬼道
食べ物を口に入れようとすると火となり、餓えと渇きに悩まされる日々。 ガリガリに痩せ細り、骨と皮だけになります。

●畜生道
生前に動物や植物の命を粗末にした人が行く世界。
弱肉強食の世界で、常に強いものから襲われる不安におびえる日々。

●修羅道
生前に他人を蹴落として自分の地位を獲得したり、醜い争いをした人が行く世界。
怒りで我を忘れ、戦いや殺し合いをする日々。

●人間道
私たちが生きている世界。
四苦八苦に悩まされる日々。
六道の中で唯一、仏教に触れることができ、六道から脱出できるボーナスステージ。

●天道
苦しみや迷いがなく、楽しみが多い世界。
天とは、天国ではなく天人や天女が住む場所です。
例え、天に行ったとしても、必ず衰えて、やがて死にます。
そして、また1からやり直しです。
すなわち、また地獄裁判が始まるのです。

話しは戻って

●42日目
6番目の裁判官は、変成王

●49日目(四十九日)
7番目の裁判官は、泰山王

●100日目(百ヶ日)
8番目の裁判官は、平等王

●2年目(一周忌)
9番目の裁判官は、都市王

●3年目(三回忌)
10番目の裁判官は、五道転輪王


●閻魔さまの顔が赤い理由
閻魔さまの表情といえば、飛び出しそうな目玉と真っ赤な顔

めちゃくちゃ怒ってる!

と思ったら大間違い。
実は閻魔さまは、人を地獄に落とすという罪の代わりに、閻魔さま自身も罰を受けているのです!

どんな罰を受けているのかというと、1日3回、ドロドロに熱せられた銅を飲まされるという罰!

ということで、この真っ赤な顔は、実はアッチアチの銅を飲んで苦しんでいる表情なんです!

閻魔さまも大変だぁ~。
できることなら地獄に落としたくないでしょうね~!
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簡単な地獄絵図解説

●地獄絵図

お寺巡りをしていると、たまに見かける地獄絵図
内容を知ると、今日から正しく生きて行こぉぉぉ!と思います(笑)


●閻魔大王
御存知、地獄の大王・閻魔さん。
死者の生前の罪を裁く裁判官です。


●見る目嗅ぐ鼻(写真左)
この男女の頭は、地獄行きかどうかを判定するマシーンです。 これで死者の善悪判定をするという。

●浄玻璃鏡(写真右)
鏡に生前の一挙手一投足が映し出されるため、いかなる隠しごともできません!


●叫喚地獄
生前に、殺生・盗み・邪淫・飲酒をした者は焼かれます!釜茹でもされます!追いかけ回されて矢を射られたりもします!

皆さん、蚊を殺したことありますよね???
ということで、叫喚地獄確定です!


●修羅道(写真左)
争いごとが好きな者が落ちる地獄です。
毎日争いに明け暮れ、身体中キズだらけ・・・しかも必ず負けるという!

●衆合地獄(写真右)
美人が剣の葉の木の上から誘惑してきます。
罪人が登ると、今度は木の下に美人が現れます。
そんなこんなで、昇り降りの度に剣の葉が突き刺さり血まみれになります!

いつまで経っても美人に会えない!
男心の弱いところをついてきます!


とにかく地獄では、滅茶苦茶にされます!
蚊を殺しただけでこれですよ・・・
ということで、皆さん地獄行き確定です。
地獄でお会いしましょう!


●お釈迦さん(写真左)
ちなみに地獄絵図は怖い場面ばかりではなく、お釈迦さんも描かれています。 助けてあげてー!

●お地蔵さん(写真右)
お地蔵さんも描かれてます。
ちなみにお地蔵さんは、閻魔さんの化身です。
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その他の見どころ

●庚申塔

●庚申塔
・1691年建立


●石仏

お地蔵さまは閻魔さまの化身です。

お地蔵さまは日本中のあちこちの町からから人間の行いを見てますよ~(笑)


●境内の風景

いやはや、素敵なお寺さんでした。
小さなお寺さんだったけど、長居しちゃったなぁ。

御朱印情報

●御朱印情報
御朱印は山門をくぐってすぐのところにある拝観受付で頂きました。

余計なお世話かもしれませんが、拝観料を払うときに御朱印帳を預けておくとゆっくり拝観できていいかなっと思います。

というのも、冬季の御朱印・受付時間は15:30までなんです!(早っ!)

●御朱印の受付時間
・9:00~16:00(3月~11月)
・9:00~15:30(12月~2月)

●御朱印の料金
・300円
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拝観情報とアクセス

●拝観時間と拝観料

●拝観時間
・9:00~16:00(3月~11月)
・9:00~15:30(12月~2月)

●拝観料
・200円


●アクセス

●JR・北鎌倉駅
・JR横須賀線・北鎌倉駅から徒歩15分
・JR横須賀線・北鎌倉駅からバス5分
(江ノ電・鎌倉駅行きに乗車 → 建長寺下車)

●鎌倉駅
・JR横須賀線・鎌倉駅から徒歩25分
・JR横須賀線・鎌倉駅からバス10分
(バス各社・大船方面行きに乗車 → 建長寺下車)


●駐車場
円応寺の専用駐車場はありません。
ということで、近隣のコインパーキングに駐車してからの参拝となります。

円応寺の地図

 

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