観音寺の御朱印|四国霊場 第69番|四国霊場唯一の1山2札所!四国霊場最古の落書きがある国重文の本堂|四国八十八ヶ所 車遍路の旅(香川県観音寺市)

所在地香川県観音寺市八幡町1丁目2−7
宗 派真言宗大覚寺派
札 所四国八十八ヶ所 第69番
前後札所 ・前 → 第68番札所・神恵院
・後 → 第70番札所・本山寺
本 尊聖観音菩薩
真 言おん あろりきゃ そわか
由 緒703年、法相宗の日証上人が琴弾山で修行をしていた際、琴を弾く老人が乗る舟を発見したという。その老人は八幡大明神であることを知った日証上人は、その琴と舟を琴弾山の山頂に祀り琴弾八幡宮と名付けたそうです。その際、神宮寺として宝光院を建立。それが観音寺の始まりだという。807年、唐から帰国した空海(弘法大師)が奈良・興福寺を模して七堂伽藍を整備。そして寺号を七宝山 観音寺と改称したそうです。その後、空海は第7代住職を努め、真言密教の道場として隆盛を極めたといわれています。以後、桓武天皇をはじめ3代天皇の勅願所になるなど琴弾八幡宮の別当寺として繁栄しますが、明治時代の神仏分離令により琴弾八幡宮から独立。そして四国八十八ヶ所・第68番札所は琴弾八幡宮から神恵院に。第69番札所は観音寺となり現在に至るそうです。
HP神恵院 観音寺

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観音寺とは?


四国八十八ヶ所の第69番札所であります観音寺に到着。

第68番札所・神恵院からkm。
徒歩分。
車で分のところに位置しています。


なんと、この観音寺は前札所の神恵院同一境内にあるという!

そのため四国霊場で唯一1山2札所になっています。


ちなみに1つの納経所で2札所の納経が頂けます。

ということで、お遍路さんにとって四国霊場一のボーナスステージとなっております。

●観音寺とは?

703年、法相宗の日証上人が琴弾山で修行をしていた際、弾く老人が乗る舟を発見したという。

その老人が八幡大明神であることを知った日証上人は、その琴と舟を山頂に祀り琴弾八幡宮と名付けたそうです。

その際、神宮寺として宝光院を建立。
それが観音寺の始まりといいます。


807年、唐から帰国した弘法大師が琴弾八幡宮に八幡大明神の本地仏・阿弥陀如来像を安置。

そして、奈良・興福寺の伽藍を模して、中金堂に聖観世音菩薩像を刻んで本尊とし、西金堂や東金堂などを建立して七堂伽藍を整備。

さらに仏塔を建立して瑠璃・珊瑚・瑪瑙などの七宝を埋めて、寺号を七宝山 観音寺と改称したそうです。

そして、弘法大師はしばらくの間この地に留まって第7代住職を努め、真言密教の道場として隆盛を極めたといわれています。


その後、桓武天皇をはじめ3代天皇の勅願所となり、室町時代には足利尊氏の子・道尊大政大僧正が住職となって繁栄したそうです。

しかし、明治時代の神仏分離令により、琴弾八幡宮に安置されていた本地仏・阿弥陀如来は観音寺境内の西金堂に移されることになったという。

そのことにより観音寺境内の西金堂が神恵院の本堂となり、神恵院は四国八十八ヶ所の第68番札所に。
そして観音寺は第69番札所になったといいます。

そのため、同一境内に2つの札所が存在するという珍しい形態となり現在に至るそうです。

そんなこんなで、参拝開始。
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山門(仁王門)

●山門(仁王門)

●山門(仁王門)
・建立年不明
・瓦葺 切妻造
・三間一戸 八脚門

まず最初に登場するのは山門。
門の両サイドに仁王さんが安置されているので、こちらの門は仁王門となります。


観音寺と神恵院は同一境内にあるので、この山門は2寺共通の門となります。

そんなこんなで、門には観音寺神恵院の札がありました。

ちなみに、この観音寺は観音寺市という地名の由来になっている古刹です。

寺号はかんんじと読みますが、市名はかんんじと読みます。

このパターン・・・どっかであったなぁ〜と思ったら、第16番札所・観音寺のパターンだ!

しかし第16番・観音寺は、寺号がかんんじで町名がかんんじという逆のパターンでした。

第16番・観音寺(かんんじ)
第69番・観音寺(かんんじ)

ややこしいや〜。


そんなこんなで、仁王さんにご挨拶。

仁王門は観音寺と神恵院の共通の門ですので、この仁王さんも2寺共通の仁王さんとなります。

ということで、2寺分のご挨拶を。

それにしても、大きな花乳首が印象的な仁王さんでした。

あと、キラキラしたメルヘンチックな瞳も印象深かったです。
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手水鉢と鐘楼

●手水鉢

●手水鉢
・1775年奉納

続いて、手水鉢でお清め。

この手水鉢も2寺共通となります。


●鐘楼

●鐘楼
・建立年不明
・瓦葺 入母屋造

続いて、鐘楼で鐘をひと撞き。

御本尊さまとお大師さまにご挨拶。

ちなみに、鐘楼も2寺共通です。


それにしても凄まじい彫刻でした!
隙間なくビッシリと彫られています。

そんなこんなで、雨宿りがてら彫刻鑑賞をしてきました。


見上げると、天井には雲の彫刻。
今日の天気を彫刻にするとまさにこんな感じ!
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本堂

●本堂

●本堂
・1677年建立
・瓦葺 寄棟造
・国指定重要文化財

●本尊
・聖観音菩薩

●真言
・おん あろりきゃ そわか

続いて、本堂で参拝。

前札所の神恵院は近代的でお洒落な本堂でしたが、観音寺の本堂はベテラン感のある古建築でした!

なんとこちらは室町時代建立旧本堂の部材を使って建立されたものなんだって。

そんなこんなで、江戸時代前期のお堂ですが室町時代の成分が入っているというね。

どの部分が室町時代の部材なのかはわかりませんが、国重文というだけあって見応えのあるお堂でしたよ。


それにしても、神恵院とのギャップがスゴい!


扁額には観音堂。

扁額はゴージャスですが、木鼻と蟇股はとてもシンプルなデザインになっていました。


堂内には常州下妻庄・・・貞和三年・・・と書かれた落書きがあるんだって。

なんとこれはお遍路さんが書いたもので、四国霊場最古の落書きだという!

そんなこんなで、この落書きは遍路文化の貴重な資料になっているそうですよ。

貞和三年とは1347年です。
ということで、この落書きは旧本堂に記されていたものと思われます。

室町時代の遍路さんの落書きだなんて!
つくづく四国遍路の歴史の深さに感動。
そして、その歴史の中に自分が立っていることにも感動しております。


●本尊 大日如来坐像(伝・聖観音)
・平安時代中期〜後期作
・像高 103.0cm
・香川県指定有形文化財

御本尊は聖観音さん。

がしかし!

この聖観音さんは大日如来坐像という名で文化財登録されているという。

Wikipediaの情報によると

御本尊は法界定印蓮華を持し胎藏大日如来聖観音一体となる姿である

と書かれておりました。

法界定印を結んでいるのに蓮華を持ってるって、どういう状態なんでしょ?


そんなこんなで、御影で御本尊さまのお姿を確認。

もしかして、これが蓮華かぃ?


●薬師如来坐像(左)
・平安時代後期作
・像高 75cm
・香川県指定有形文化財

●釈迦如来坐像(右)
・平安時代後期作
・像高 75cm
・香川県指定有形文化財

ちなみに、御本尊さまを中心に向かって左に薬師如来坐像。
向かって右には釈迦如来坐像が安置されてるんだって。

御本尊さまを含め、この3体は秘仏のため拝顔することはできませんでした。

これまで、長〜いお寺の歴史の中で秘仏が公開されたという記録は一切ないそうです。

がっ!

なんと2014年に初めて一般公開されたんだって!

2014年といえば四国霊場開創1200年記念の年です。

くぅ〜、そんなチャンスがあったとは〜!

ちなみにこの3体を文化財調査する際、御本尊の開扉を恐れてか、住職さんはわざわざ外出してしまうほどだったといいます。

そこまでして守られてきた仏さまなので、今後も御開帳があるかどうかは怪しいところです。(推測)
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大師堂

●大師堂

●大師堂
・建立年不明
・瓦葺 宝形造
・本尊 弘法大師

続いて、大師堂を参拝。

堂内ではお大師さまのお姿を拝顔することができました。

南無大師遍照金剛・・・
南無大師遍照金剛・・・
南無大師遍照金剛・・・


大師堂の屋根瓦には大日如来(胎蔵界)の梵字がありました。

おそらく本堂の御本尊・大日如来坐像(伝・聖観音)にちなんだものと思われます。


ちなみに、同一境内にある神恵院・本堂入口の右側にあるのが第69番・観音寺の大師堂です。

神恵院・本堂入口の左側にあるのは第68番・神恵院の大師堂なのでお間違いなく!

少々ややこしいですが、1山2札所ならではの面白い風景ですねぇ。

愛染堂と薬師堂と五智如来像

●愛染堂

●愛染堂
・建立年不明
・瓦葺 宝形造
・本尊 愛染明王

続いて、大師堂の隣にある愛染堂を参拝。

御本尊の愛染明王さんはいつの時代の作品かはわかりませんが、修復後の2017年に開眼法要が行われたそうです。


どうでもいい話しですが、愛染堂の屋根瓦が犬の顔に見えてしまいました。


●薬師堂

●薬師堂
・建立年不明
・瓦葺 宝形造
・本尊 薬師如来

続いて、境内の高台にある薬師堂を参拝。

由緒によると、明治時代の神仏分離の際、琴弾八幡宮に安置されていた本地仏・阿弥陀如来観音寺境内の西金堂に移されたそうです。

その後、観音寺境内の西金堂は神恵院の本堂となり、四国八十八ヶ所の第68番札所になったそうです。

しかし2002年、山崩れによる伽藍改修の際、境内の別の場所に神恵院の本堂を建立。

そして、神恵院の旧本堂は薬師堂になったんだって。

観音寺の西金堂

神恵院の本堂

観音寺の薬師堂

そんなこんなで、このお堂は時代時代で様々な役割を担ってきたユーティリティープレイヤーなんですね。

ちなみに堂内には大きな薬師如来坐像と大日如来坐像(胎蔵界)が安置されているそうですよ。


●五智如来石像

境内には石造五智如来さんがおられました。

四国霊場で石造の五智如来さんに出会ったのは第31番札所・竹林寺以来2度目となります。

五智如来さんは多宝塔や三重塔などの塔内に安置されていることが多いですが、このように野外に、しかも石仏でおられるのはなかなか珍しいことだと思います!

ちなみに五智とは、大日如来が備える5種類の知恵です。

その5種類の知恵を5体の如来に当てはめたものを五智如来といいます。

●五智如来
①大日如来(中心)
②阿閦如来(東)
③宝生如来(南)
④阿弥陀如来(西)
⑤不空成就如来(北)

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観音寺庭園(巍巍園)

●観音寺庭園(巍巍園)

●観音寺庭園(巍巍園)
・室町時代築庭
・昭和時代後期修復
・回遊式庭園
・道尊大政大僧正作庭

神恵院の本堂の近くには巍巍園という素敵なお庭がありました。

どうやらこのお庭は、室町時代に住職を務めた足利尊氏の子・道尊大政大僧正さんが作庭したもののようです。

雨のお庭もなかなかオツですねぇ。

ちなみに巍巍園と書いてぎぎえんと読むそうです。


その他、境内には開山堂(東金堂)・大日堂・経塚堂がありました。

あと、やたらと肥大化したクスノキもありました。

宝物館 観音寺の文化財

●観音寺の文化財

●絹本著色琴弾八幡本地仏像
・鎌倉時代作
・国指定重要文化財

残念ながら秘仏のため拝顔することはできません。


●釈迦涅槃仏像
・平安時代中期〜後期作
・像長 74.0cm
・像高 18cm
・檜材 寄木造
・国指定重要文化財

釈迦涅槃像は毎年2月15日の涅槃会と毎年4月8日の花まつりに公開されるそうです。


●絹本著色琴弾八幡宮絵縁起
・鎌倉時代作
・国指定重要文化財

香川県立ミュージアムで拝観することができます。


●絹本著色不動二童子像
・室町時代作
・香川県指定有形文化財

こちらも香川県立ミュージアムで拝観することができます。


●金剛界大日如来坐像
・観音寺市指定有形文化財

非公開のため拝観することはできませんでした。

琴弾八幡宮と銭形砂絵

●琴弾八幡宮

観音寺は標高70mの琴弾山中腹にあるお寺さんです。
その琴弾山の頂上には琴弾八幡宮が鎮座しています。

かつて観音寺は琴弾八幡宮と神仏習合の形態をとっていましたが、明治時代の神仏分離令により独立。

それまで琴弾八幡宮第68番札所でしたが、神仏分離後に神恵院が第68番札所になりました。
そして現在、琴弾八幡宮は神恵院の奥の院になっております。


ちなみに、琴弾八幡宮からは巨大な銭形砂絵が見れますのでお時間がある方は是非!



そんなこんなで、参拝終了。

第70番・本山寺へ続く。

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御朱印情報

●御朱印の種類
・四国八十八ヶ所の御朱印
・愛染堂の御朱印(愛染明王)

●御朱印の受付場所
・納経所

●御朱印の受付時間
・7:00~17:00

●御朱印の料金
・四国八十八ヶ所 500円
・愛染堂(愛染明王)300円

●期間限定・特別御朱印
・なし

●オリジナル御朱印帳
・なし

・2011年5月29日 参拝
・2024年3月 最終更新
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参拝情報とアクセス

●拝観料
・無料

●宿坊
・なし

●前後札所
・第68番札所・神恵院へ0km
 徒歩0分
 車で0分

・第70番札所・本山寺へ5.5km
 徒歩1時間10分
 車で15分

●最寄りの駅
・JR観音寺駅から徒歩30分

・JR観音寺駅から車で10分

●最寄りのバス停
・観音寺市のりあいバス
 琴弾公園(森内科)バス停から徒歩15分

●最寄りのIC
・高松自動車道
 大野原ICから車で10分

●駐車場
・無料の専用駐車場あり(20台)

観音寺の地図

 

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