宗隣寺の御朱印|山口県最古の庭園|宇部領主・福原氏の菩提寺(山口県宇部市)

所在地山口県宇部市小串210
宗 派臨済宗東福寺派
札 所 ・中国三十三観音霊場 第18番
・山陽花の寺二十四か寺 第7番
由 緒 777年、唐より来朝した為光和尚が松江山 普済寺を創建したのが始まりといいます。その後、戦国時代末期に廃絶の憂目に遭いますが、1670年に長州藩永代家老ならびに宇部領主の福原広俊が菩提寺として再興。それが現在の宗隣寺といわれています。
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山門


宇部市随一の名刹であります宗隣寺に到着。

正式名称は松江山 宗隣寺

松江山 宗隣寺と書いてずんごうざん そうりんじと読むそうです。

それにしても、松江と書いてずんごうと読むとはね!

日本語って難しいですねぇ。


ちなみに、松江とは太湖(南湖)の支流にある湖のことらしく、古来より中国の人たちが観音菩薩の聖地として信仰していた場所とのことです。

当時、この地は松江を思わせる景観だったらしく、この地を訪れた為光和尚が松江に似た風景を気に入り、宗隣寺の前身である松江山 普済寺を創建したんだって。

その後、1670年に宇部領主の福原広俊さんが菩提寺として再興し、宗隣寺と改称。

ちなみに宗隣寺という寺号は、福原広俊さんの父の法号・宝嶺宗隣居士にちなんで名付けられたもののようです。

そんなこんなで、参拝開始。


●山門

●山門
・建立年不明
・瓦葺 切妻造 四脚門

まず最初に登場するのは山門

このお寺は、中国三十三観音霊場の第18番札所ならびに山陽花の寺二十四か寺の第7番札所となっております。


一見、木造の門に見えますが、よく見るとコンクリート造りになっているという!

ここまで木造感のあるコンクリ門は珍しいですねぇ。


屋根瓦葺には毛利家の家紋・一文字三星・・・と思ったら、なんか違う!

よく見たら一文字じゃない!

ニ文字三星紋だ!


どうやらこの家紋は、毛利氏の永代家老・福原氏の家紋のようです。

●福原氏とは?

南北朝時代、安芸国の国人である毛利元春の5男・広世が長井氏の家督を継ぐ。

そして安芸国内部庄福原村(広島県安芸高田市吉田町)を所領し、福原姓を名乗るようになりました。

当時、福原家は毛利福原と呼ばれていたそうです。

以来、毛利家の一門ならびに重臣として毛利氏を支えました。

江戸時代、毛利氏が長州藩を治めるようになると、益田氏とともに藩の永代家老となりました。

1625年、福原氏14代当主・福原元俊は、厚狭郡宇部村・山中村・河上村・小串村など計8000石の領地を与えられ、江戸時代末期まで宇部の領主を努めました。

ちなみに正式には、ふくはらではなくふくばらと読むそうです。
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鐘楼

●鐘楼

●鐘楼
・建立年不明
・瓦葺 宝形造 竜宮型(?)

続いて、境内の片隅にある鐘楼で鐘をひと撞き。

ゴ~ン♪


屋根瓦にはカタバミ紋がありました。

なんと、このカタバミ紋も福原氏の家紋なんだという!

福原氏の家紋は、毛利家になぞらえたニ文字三星紋ですが、藩主と似た紋を使うのは恐れ多いことから、裏紋としてカタバミ紋を使用していたんだって。

そんなこんなで、福原氏は2種類の家紋を使い分けていたみたいだね。
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本堂と宗隣寺庭園(龍心庭)

●本堂

●本堂
・1998年建立
・瓦葺 寄棟造

続いて、本堂で参拝。

なんと、本堂の上にはが!

思わず拝んでしまいましたねぇ。

これは吉兆の兆しかも?

なんか良いことありそう!


そんなことより、御本尊は無量寿佛(阿弥陀如来)さん。

宗派は臨済宗東福寺派です。

見事に見逃して帰りましたが、本堂内には福原越後さんの遺体を運んだ駕籠があるんだって!

福原越後さんは、禁門の変の責任をとって切腹し、広島の国泰寺で首実検が行われました。

そのときに使用したのが本堂内にある駕籠というわけだ。

ちなみに、毎年11月の第2日曜日に福原越後さんの墓所が一般公開されるそうですよ。


●龍心庭(竜心庭)

●龍心庭(竜心庭)
・室町時代築庭
・1968年改修
・築山池泉庭園
・国指定名勝

本堂裏には素敵な庭園がありました。

なんと、こちら!

山口県最古の庭園なんだという!

この庭園は、宗隣寺の前身・普済寺の時代からあったそうで、それを後の時代に改修整備したものといわれています。


この庭園には2つの特徴があるんだって。

●特徴①
・立石を2列に配置した夜泊石

これは蓬莱へ向かう船が出港を待つ姿といわれています。

夜泊石がある庭園は、鹿苑寺庭園(金閣寺)や養翠園(和歌山)など。


●特徴②
・潮の干満を表現する干潟様

池畔に小石を敷いて浅瀬をつくり、池の水位によって干潟が見え隠れするのだという。

このような干潟様がある庭園は、全国に毛越寺(岩手県)と宗隣寺のみ!

庭園史上大変貴重な遺構といわれてるんだって。


そんなこんなで、縁側に座って庭園鑑賞。

時間を忘れてボーとする贅沢なひと時。

まるで自分も庭石になってしまったかのよう。


その他、庭園には古ぼけた茶室がありました。


茶室と本堂は竹の橋で繋がっていました。

この橋を渡って茶室に向かうのかなぁ?

1歩目で折れそうなんだけど!
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観音堂

●観音堂

●観音堂
・建立年不明
・瓦葺 入母屋造

その他、境内には観音堂がありました。

御本尊は如意輪観音さん。

どうやら、こちらが中国三十三観音霊場の第18番札所のようです。


そんなこんなで、参拝終了。

いやはや、素敵なお寺さんでした。
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御朱印情報

●御朱印の種類
・中国三十三観音霊場の御朱印
・山陽花の寺二十四か寺の御朱印

●御朱印の料金
・各300円


●御朱印の受付場所
・庫裏

●御朱印の受付時間
・9:00~17:00

●期間限定・特別御朱印
・なし

●オリジナル御朱印帳
・なし

・2009年1月31日 参拝
・2023年1月 更新

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参拝情報とアクセス

●開門時間
・9:00~17:00

●拝観料
・境内無料

●宗隣寺庭園(龍心庭)の拝観料
・大人 300円
・中学生以下 150円

●最寄りの駅
・JR宇部新川駅から車で7分
・JR宇部新川駅から徒歩25分

・JR琴芝駅から車で7分
・JR琴芝駅から徒歩25分

●最寄りのバス停
・宇部市営バス
 小串 バス停から徒歩5分

●最寄りのIC
・山陽自動車道(宇部下関線)
 宇部ICから車で7分

●駐車場
・無料の専用駐車場あり(20台)

宗隣寺の地図

 

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