太龍寺の御朱印|四国霊場 第21番|まさかの遍路ころがし2連発!阿波霊場三難所パート3|四国八十八ヶ所 車遍路の旅(徳島県阿南市)

所在地徳島県阿南市加茂町龍山2
宗 派高野山真言宗
札 所 ・四国八十八ヶ所 第21番
・阿波秩父観音霊場 第10番
前後札所 ・前 → 第20番札所・鶴林寺
・後 → 第22番札所・平等寺
本 尊虚空蔵菩薩
真 言のうぼう あきゃしゃ きゃらばや
おん あり きゃまり ぼり そわか
由 緒793年、桓武天皇の勅願により阿波の国司・藤原文山が伽藍を建立。そして、空海(弘法大師)が虚空蔵菩薩像を刻んで開基したお寺という。 空海は15歳と19歳のとき、この地で修行したといわれています。 皇室や武家からの信仰が篤く、平安時代後期には12の子院を持つなど大いに繁栄したそうです。 しかし、1573~1592年に長宗我部元親の兵火に遭い焼失。その後、江戸時代に徳島藩主・蜂須賀氏が再建。しかし1894年に火災で焼失。その後、再建されたのが現在の太龍寺といいます。
HP舎心山 常住院 太龍寺 – 四国八十八ヶ所霊場会

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太龍寺とは?


四国八十八ヶ所の第21番札所であります太龍寺へ向けてGO!

ちなみに、太龍寺と書いてたいりゅうじと読みます。

●太龍寺とは?

793年、桓武天皇の勅願により阿波の国司・藤原文山が伽藍を建立。
そして、弘法大師が本尊・虚空蔵菩薩像を刻んで開基したお寺といいます。

弘法大師は19歳のとき、舎心ヶ嶽で100日間、求聞持法の修行をしたといわれています。

その修行中、大龍(龍神)が弘法大師を守護したことから、太龍寺と名付けられたそうです。


その後、825年に淳和天皇が寺領を寄進。
1095年には、白河上皇の命により東寺の長範が再興するなど、皇室や武家から篤く信仰されたそうです。

そして、平安時代後期には12の子院を持つ大寺院に発展したそうです。


しかし、1573〜1592年に 長宗我部元親による兵火で焼失。(またかっ!)

その後、江戸時代に徳島藩主・蜂須賀家の保護により再建。

しかし1894年に火災で焼失。

その後、再建されたのが現在の太龍寺といいます。

※弘法大師は15歳のときにも、この地で修行をしています。
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阿波霊場三難所 遍路転がし

●阿波霊場三難所

標高618mの太龍寺山
その505m付近にあります太龍寺

太龍寺は四国霊場のなかで6番目に高い場所にあるお寺で、遍路転がしと呼ばれる難所の1つとして有名です。

ちなみに、一に焼山、二にお鶴、三に太龍と呼ばれる阿波霊場三難所の1つです。

●阿波霊場三難所
・一に焼山 → 焼山寺(第12番)
・二にお鶴 → 鶴林寺(第20番)
・三に太龍 → 太龍寺(第21番)

ということで、この太龍寺は徳島の遍路道で3番目に登場する遍路転がしです。

ちなみに遍路転がしとは、お遍路さんが転んでしまうほど過酷な道という意味です。


●太龍寺へのアクセス

鶴林寺から太龍寺へのアクセスは、一般道ロープウェイ遍路転がし登山の4種類があります。


●一般道
①鶴林寺から太龍寺駐車場
・距離 14km
・車 20分
・徒歩 3時間

太龍寺の駐車場までは急な山道となります。
しかも、駐車場から太龍寺の境内までは約1kmもあり、30〜40分の登山となります。

②鶴林寺からロープウェイ駐車場
・距離 12km
・車 20分
・徒歩 2時間50分

ロープウェイを使うと約10分で太龍寺の境内に到着できます。

③鶴林寺から遍路転がしで太龍寺へ
・距離 6.7km
・徒歩 3時間〜3時間半(ネット情報)

鶴林寺から遍路道を歩くルートです。

④太龍寺山を登山(かも道)
・距離 約4.4km
・徒歩 2時間半

太龍寺山を登山(いわや道)
・距離 約5km
・徒歩 2時間半

太龍寺山を登山(中山道)
・距離 約3km
・徒歩 2時間


ということで、ロープウェイ以外のアクセスは全て登山が待ち受けております。

余計なお世話かも知れませんが、車遍路の方は迷わずロープウェイを使った方がよさそうです。

ちなみにロープウェイで行かれる方はカーナビの設定を太龍寺ではなく、太龍寺ロープウェイにセットすることをお忘れなく!

カーナビの機種にもよりますが、太龍寺でセットすると、30〜40分の登山が待ち受ける太龍寺駐車場に案内される可能性がありますよ〜。
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太龍寺ロープウェイ

●太龍寺ロープウェイ

そんなこんなで、太龍寺ロープウェイ乗り場の鷲の里駅に到着。


太龍寺ロープウェイは全長2775m。
なんと、西日本で最長のロープウェイだという!

年間利用者数は約10万人
そのほとんどがお遍路さんといわれています。

乗車時間は約10分
最大高低差は508m
あっという間に2つの山を越えて行くという!

なんと、日本初の山越えロープウェイだという。

このデータを見るだけでも、太龍寺の難所っぷりがわかりますねぇ。

かつて太龍寺は、山奥のお寺のため困窮の時代を迎えたこともあったという。

しかし、1992年にロープウェイが開通されたことにより、四国霊場屈指の難所も楽々と参拝できるようになりました。

さらに、お遍路ブームの到来もあり人気のお寺さんとなっております。


そんなこんなで、ロープウェイに乗車。

定員はなんと101名!(スゴっ!)
団体お遍路さんもひと運びです。


床は一部シースルーになっていて、ちょっとしたスリルも味わえました。

帰宅後に知ったのですが、なんと鉄塔支柱の大きさは世界一だという!

嗚呼、いつも何かを見逃してるなぁ・・・!


そんなことより、ロープウェイからは幽玄かつ壮大な景色を堪能できました。

情報によると、剣山山系のほか紀伊水道や橘湾が見渡せるという!

どれどれどれ!

と探している間に、太龍寺駅に到着!

早すぎる(笑)
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仁王門と手水舎と鐘楼門

●境内入口

そんなこんなで、太龍寺駅を出るとすぐ境内入口に到着。

ビックリするほど、難所を楽々クリア!

ここまで難所感ゼロ!

正直、山の上にいることすら気付いてないくらいです!

●境内入口

そんなこんなで、参拝開始。

手持ちのガイドブックによると、境内入口にある108段の階段を上ると本堂前に到着できるみたいです。

でもそれじゃあまりにも味気ないので、遠回りをして仁王門から参拝することにしました。


●仁王門

●仁王門
・1806年建立
・銅板葺 入母屋造
・三間一戸 八脚門
・国の登録有形文化財

ということで、仁王門に到着。

仁王門は江戸時代後期に建立されたもので、太龍寺最古の建造物だという。


徳島の寺社は、四国統一を目指す長宗我部元親さんの兵により、ことごとく焼失しています。

どうやら、このお寺も長宗我部さんに燃やされたようで、現在の堂宇は江戸期以降の再建となっております。

先ほど参拝した鶴林寺は山が険し過ぎて、さすがの長宗我部さんも燃やすのを諦めてましたが、もっと険しそうなこの太龍寺はガッツリ燃やされちゃっています・・・なぜじゃ(-“-;) ??


そんなことより、仁王さんは鎌倉時代作!

なんと、徳島県で最大最古の仁王像だという!

脂肪感はなく、引き締まった筋肉ボディと玉眼。

躍動感はありませんが、鎌倉期の特色がよく表れていました。

長宗我部さんに燃やされることなく、現存してくれていることに感謝です!


●手水舎

●手水舎
・建立年不明
・銅板葺 宝形造

そんなこんなで、仁王門をくぐり手水舎へ。

手水舎としては珍しく宝形造。
広い屋根が印象的な建物でした。


太龍寺というだけあって、2頭のから水が出ていました。

ヨダレのごとく、ヒゲをつたって水が出ています。

勝手に龍のヨダレ水と命名。


●鐘楼門

●鐘楼門
・1903年建立
・銅板葺 入母屋造
・三間一戸 楼門
・国の登録有形文化財

続いて、立派な鐘楼門が登場。

下層部は板壁を張らず、貫で固めた涼しげな造り。

上層部は板壁を張り、中央に花頭窓。
組物は出三斗。
軒は二軒扇垂木となっておりました。


基本、大寺院の鐘楼門は鐘が撞けないことが多いですが、なんとこちらは鐘撞きOKだという。

そんなこんなで、ゴーン♪

御本尊さまとお大師さまにご挨拶。
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本堂と大師堂

●本堂

●本堂
・1852年建立
・銅板葺 入母屋造
・国の登録有形文化財

●本尊
・虚空蔵菩薩坐像

●真言
・のうぼう あきゃしゃ きゃらばや
 おん あり きゃまり ぼり そわか

続いて、本堂で参拝。

本堂は江戸時代後期の建立。
四国霊場は、兵火のみならず火災で焼失するお寺が多いですが、太龍寺にはたくさんの古建築が残っておりますねぇ。

古建築フェチとしましては有難い限りです。


ネットの情報によりますと、2018年の台風で倒木が本堂の屋根を直撃したそうですが、現在は修復済とのことです。


本尊は虚空蔵菩薩坐像

四国八十八ヶ所で虚空蔵菩薩を本尊とするのは、第12番札所・焼山寺と第24番札所・最御崎寺とこの太龍寺だけなんだって。


ネットの情報によると、御本尊は天井に達するほどデカい半丈六だという!

是非とも拝見したいと思うも、秘仏のため叶いませんでした・・・嗚呼。

ちなみに、御本尊は毎年1月12日に御開帳されるそうですよ。


●大師堂

●大師堂
・1877年建立
・銅板葺
・千鳥破風・唐破風向拝付き入母屋造
・本尊 弘法大師像
・国の登録有形文化財

続いて、大師堂を参拝。

なんと、この大師堂は御廟の橋・拝殿・御廟の並びが高野山 奥の院と同じ配列になっているという!

そのため、この太龍寺は西の高野と呼ばれてるんだって。


ちなみに、こちらが本場・高野山の奥の院です。

言われてみれば、何となく似ています!

見た目だけではなく、肌で感じる空気感と神秘感も似ていました!

南無大師遍照金剛・・・
南無大師遍照金剛・・・
南無大師遍照金剛・・・



それにしても、彫刻が素敵なお堂でした。

中華風の彫刻ということで二十四孝かな???
と思いましたが、正解は司馬温公の幼年の逸話・竹林の七賢人の一場面のようです。

司馬温公も竹林の七賢人も初耳だぁ・・・まだまだ勉強不足だなぁ!

この彫刻を見た瞬間、『あぁ、司馬温公ね』って言えたらカッコいいだろうなぁ(笑)

舎心ヶ嶽と虚空蔵求聞持法

●舎心ヶ嶽

そんなことより、境内から約680m
時間にして徒歩15分くらいのところに、弘法大師が修行をした舎心ヶ嶽がありました。

地方豪族の裕福な家庭で育った弘法大師は幼い頃から頭がよく、当初は官僚の道を目指して勉強をしていたといわれています。

18歳のとき京の大学で勉学に励みますが、大学での勉学に飽き足らず、たった1年で中退してしまいました。

そして私度僧(自称僧侶)となり、関西や四国の山中でひたすら修行をするようになりました。

そのときに立ち寄ったのがこの舎心ヶ嶽!

ここは弘法大師が19歳のときに100日間虚空蔵求聞持法を修行した場所なんだって!


ちなみに虚空蔵求聞持法とは、虚空蔵菩薩の真言を50日・70日・100日といった一定期間内に100万回唱える修行です。

由緒に、100日間の修行をしたとありますので、弘法大師は100日コースを選択したみたいですね!

100日コースは、1日10000回 × 100日間続けるという修行!(ひぇっ)

●虚空蔵菩薩の真言
のうぼう あきゃしゃ きゃらばや
おん あり きゃまり ぼり そわか

を100万回唱えるという、気が狂いそうな修行です。

ちなみに、虚空蔵求聞持法を修めれば、84000あるといわれる経典を全て記憶して智恵を授かるという!

のうぼう あきゃしゃ きゃらばや
おん あり きゃまり ぼり そわか・・・覚えるだけでひと苦労です!

実は私、虚空蔵さんと不動明王さんの真言が苦手で・・・口が回らないのです(笑)

舌がもつれまくって筋肉痛になっちゃうんです!


ちなみに、弘法大師は室戸岬の御厨人窟でも求聞持法の修行をしています。

その時は、口に明星が飛び込んできて悟りを開いております。


あと、見事に見逃して帰りましたが、境内には求聞持堂があります。

なんと、このお堂は虚空蔵求聞持法を修行するためだけの道場だという!

現在もこのお堂で虚空蔵求聞持法に挑戦するお坊さんがいるんだって。
御厨人窟の御朱印~空と海との間には~(高知県室戸市室戸岬町)
所在地高知県室戸市室戸岬町札 所四国八十八ヶ所 番外札所由 緒御厨人窟は、平安時代初期に青年時代の弘法大師が居住していた洞窟。洞窟から見える景色が空と海のみだったので空海という名前になりました。また、御厨...
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その他の見どころ

●多宝塔

●多宝塔
・1861年建立
・徳島藩主が寄進
・国の登録有形文化財

本堂北側の高台には多宝塔がありました。

説明板に阿波藩主が寄進と書いてありましたので、おそらく徳島藩13代藩主・蜂須賀斉裕さんが寄進したものと思われます。

本尊は五大虚空蔵菩薩さん。
五大虚空蔵菩薩とは、5体の虚空蔵さんがそれぞれ獅子・象・馬・孔雀・金翅鳥に乗っておられる仏さんです。

本堂の本尊も虚空蔵さんでしたし、このお寺は弘法大師さんが虚空蔵求聞持法を修行した地ということで虚空蔵さんだらけだなぁ。


●持仏堂

●持仏堂
・建立年不明
・銅板葺 入母屋造

●龍天井
・1901年 作
・竹村松嶺 作

続いて、持仏堂を参拝。

持仏堂の廊下には龍の天井画がありました。

この天井画は、高知県安芸郡出身の竹村松嶺さんの作品なんだって。

竹村さんは京都で幸野楳嶺に師事し、四條派の画法を学んだお方らしいです。


●護摩堂

●護摩堂
・1901年建立
・銅板葺 入母屋造
・国の登録有形文化財

続いて、持仏堂の隣に建つ護摩堂へ。


●六角経蔵

●六角経蔵
・1856年建立
・銅板葺 六角円堂
・国の登録有形文化財

そして六角経蔵へ。

内部の八角輪蔵には一切経(全ての経文)が収められてるんだって。

説明板には、心してお堂の廻ると全ての経文の功徳が得られると書いてありました。

ということで、お堂の周りをグルグル・・・。
廻るだけで徳が積めちゃうのだから何周でも廻りますよ!


しっかりと徳を積んだところで、黄昏タイム。

ちなみに太龍寺は紅葉の名所としても有名なんだって。


そんなこんなで、参拝終了。

第22番札所・平等寺へ続く。

御朱印情報

●御朱印の種類
・四国八十八ヶ所の御朱印
・奥の院 舎心ヶ嶽の御朱印
・阿波秩父観音霊場の御朱印

●御朱印の受付場所
・納経所

●御朱印の受付時間
・7:00~17:00

●御朱印の料金
・四国八十八ヶ所 500円
・奥の院 舎心ヶ嶽 300円
・阿波秩父観音霊場 300円

●期間限定・特別御朱印
・なし


●オリジナル御朱印帳

●サイズ
・16cm × 11cm

●料金
・1500円

・2009年11月22日 参拝
・2024年3月 最終更新

次の札所
平等寺の御朱印|四国霊場 第22番|おもしろ寺に変身していた!|四国八十八ヶ所 車遍路の旅(徳島県阿南市)
所在地徳島県阿南市新野町秋山177宗 派高野山真言宗札 所四国八十八ヶ所 第22番前後札所・前 → 第21番札所・太龍寺・後 → 第23番札所・薬王寺本 尊薬師如来真 言おん...

参拝情報とアクセス

●開門時間
・7:00~17:00

●拝観料
・無料

●宿坊
・なし

●前後札所
・太龍寺ロープウェイ乗り場から
 第20番札所・鶴林寺へ12km
 一般道 → 徒歩2時間50分
      車で20分

・遍路道 → 徒歩3時間30分(ネット情報)

・太龍寺ロープウェイ乗り場から
 第22番札所・平等寺へ13km
 徒歩2時間40分
 車で20分

●最寄りの駅
・なし

●最寄りのバス停
・JR徳島駅から
 徳島バス 丹生谷線に乗車
 和食東 バス停で下車
 徒歩10分でロープウェイ乗り場

・JR桑野駅から
 徳島バス 丹生谷線に乗車
 和食東 バス停で下車
 徒歩10分でロープウェイ乗り場

●最寄りのIC
・徳島自動車道
 徳島ICから車で1時間でロープウェイ乗り場

●太龍寺ロープウェイ 駐車場
・台数 150台
・料金 無料

●太龍寺駐車場
・台数 10台
・料金 無料
※駐車場から境内までは30~40分の登山あり


●太龍寺ロープウェイ

●太龍寺ロープウェイ
・営業日 年中無休
・営業時間 8:00~16:40
・運行時間 20分毎(毎時0・20・40分)

●太龍寺ロープウェイ 料金
往復片道
大人2600円1300円
中・高校生1950円980円
小学生1300円650円

※小学生未満は乗車券1枚につき1名無料。
※ペットは無料で同伴できます。
しかし、大型犬や特殊なペットの場合は窓口にておたずねください。

●太龍寺ロープウェイ 公式ホームページ
太龍寺ロープウェイ TAIRYUJI ROPEWAY – 四国ケーブル

太龍寺の地図

 

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