安楽寺の御朱印|四国霊場 第6番|四国霊場唯一の駅路寺。あんな所に通夜堂!?|四国八十八ヶ所 車遍路の旅 (徳島県板野郡)

所在地徳島県板野郡上板町引野寺ノ西北8−8
宗 派高野山真言宗
札 所 ・四国八十八ヶ所 第6番
・阿波北嶺薬師霊場 第2番
前後札所 ・前 → 第5番札所・地蔵寺
・後 → 第7番札所・十楽寺
本 尊 ・薬師如来
・胎内仏 薬師如来
真 言おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
由 緒815年、空海(弘法大師)がこの地を訪れ温泉を発見。そしてこの地が薬師如来と深い因縁で結ばれていると直感し、難病で苦しんでいる人のために温泉の功徳を説いたという。そして山号を温泉山とし、第6番札所に定めたそうです。1582年、長宗我部元親の兵火に遭い焼失。1658〜1661年、現在地にあった瑞運寺と合併し、現在に至ります。
HP徳島県 温泉山 安楽寺

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安楽寺とは?


四国八十八ヶ所の第6番札所であります安楽寺に到着。

第6番札所・地蔵寺から5km。
徒歩1時間。
車で10分のところに位置しています。

安楽寺と書いてあんらくじと読みます。

●安楽寺とは?

815年、四国を巡錫中の弘法大師が、現在地から約2km離れた安楽寺谷で温泉を発見したという。

その温泉は万病に効果があることから、弘法大師は病魔から人々を救う薬師如来を刻んで、本尊として安置したのがこのお寺の始まりだという。

そして弘法大師は、安楽寺谷温泉ということで、山号を温泉山、寺号を安楽寺と名付け、四国八十八ヶ所の第6番札所に定めたそうです。


しかし、1573〜1592年に長宗我部元親の兵火により焼失。

その後1658〜1661年、現在地にあった駅路寺の瑞運寺を併合して再建し、現在に至るそうです。

そんなこんなで、参拝開始。
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山門と宿坊と駅路寺と手水舎

●山門

●山門
・建立年不明
・瓦葺 入母屋造 竜宮門
・鉄筋コンクリート造

まず最初に登場するのは安楽寺のシンボルであります竜宮門

上層部に梵鐘が吊るされているので、鐘楼門形式となっております。

さらに門の両サイドには切妻造のお堂があり、そこに仁王さんが安置されていました。


四国八十八ヶ所の第6番札所・安楽寺は、第1番札所・霊山寺から約16kmの場所に位置しています。

そのためこのお寺は、初日の歩き遍路さんにとっては足慣らしとして最適な地らしく、一般的に歩き遍路の方は、この安楽寺か7番札所の十楽寺で初日の巡礼を打ち止めして宿をとることになるんだって。


●宿坊

ということで、6番札所・安楽寺と7番札所・十楽寺にはビジネスホテルのような巨大な宿坊があります。

安楽寺は弘法大師が温泉を発見したのが始まりのお寺さん。
現在も大師堂前から温泉が湧き出ているらしく、そのため安楽寺の宿坊は温泉付きだという!

そんなこんなで歩き遍路さんにとっては、初日の疲れを癒せる人気のお寺さんなんだって。

ちなみに、もともとこの安楽寺は駅路寺だったそうですよ。
ということで、安楽寺の宿泊約400年の歴史をもつという!

●駅路寺とは?

~画像は長谷寺(鳴門市)~

駅路寺とは、お遍路さんや旅人に宿や食事を提供して保護するために藩が指定した寺院のことです。

駅路寺は1598年に徳島藩の藩祖・蜂須賀家政さんが定めた徳島藩独特の制度といわれています。
蜂須賀家政さんは、藩内の8ヶ寺を駅路寺に指定したんだって。

●駅路寺
①福生寺(吉野川市)
②長善寺(三加茂町)
③青色寺(佐野)
④梅谷寺(阿南市桑野)
⑤打越寺(山河内)
⑥円頓寺(穴喰)
瑞運寺(安楽寺)
⑧長谷寺(鳴門)

しかし表向きは駅路寺ですが、真の目的は山賊や盗賊などの悪者を発見する施設だったといわれ、関所的な役割を担当するお寺だったそうですよ。

そんなこんなで、この安楽寺は四国八十八ヶ所の中で唯一駅路寺なんだって。


ちなみに竜宮門の上層部は通夜堂になっているという!

通夜堂とは歩き遍路さんが無料宿泊できるお堂のことです。

そんなこんなで、宿がない方、もしくは宿坊での宿泊費を抑えたい方にとってはとっても有難いお寺さんなんですね!

ということでこの門は、山門・鐘楼・仁王門・宿という一石の珍しい門になっていました!

こんな多機能な山門に出会ったのは初めてですよ!

※通夜堂を利用したい場合はお寺にお問い合わせを。


●仁王像
・松本明慶作

そんなこんなで、仁王さんにご挨拶。

この仁王さんは、鎌倉時代から続く慶派を継承した京都の仏師・松本明慶さんの作品だという!

なんとこのお寺には松本明慶さんが無名時代から彫り続けた35体の仏像さんが安置されてるんだって。


●手水舎

●手水舎
・建立年不明
・銅板葺 切妻造

そんなこんなで、竜宮門をくぐって手水舎でお清め。

そして本堂へ。
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本堂と大師堂

●本堂

●本堂
・1963年再建
・銅板葺 入母屋造
・鉄筋コンクリート造

●本尊
・薬師如来

●真言
・おん ころころ せんだり まとうぎ そわか

続いて、本堂で参拝。

私が参拝したときにはありませんでしたが、現在は本堂前に拝殿があるそうです。

それがこちら。
はいドン


●金剛宝拝殿
・2011年建立
・瓦葺 切妻造

それにしても、お寺に拝殿があるのは珍しいですね!

拝殿内には一対の童観音・青銅製香炉・燭台が並んでいるらしく、欄間には空海の一代記の彫刻があるんだって。

いつか再訪する機会があれば、リニューアルした本堂を拝見してみたいです。

~画像はフリー素材より~


●本尊 薬師如来坐像
・1962年作
・像高 361cm
・水谷しづさん夫婦が寄進

本尊の薬師如来坐像は、先代の住職の勧めで難病平癒祈願の四国遍路をした水谷しづさん夫婦が、病気平癒のお礼として奉納したものらしいです。

ちなみに薬師如来坐像には像高49cmの胎内仏が納められているそうですよ。

~画像はフリー素材より~


●大師堂

●大師堂
・1661年建立
・銅板葺 宝形造
・本尊 弘法大師

このお寺は1957年に火事で本堂を焼失していますが、この大師堂は焼失を免れたそうです。

堂内には松本明慶さん作の弘法大師像・不動明王像・愛染明王像が安置されていました。

この3体は全て檜造りで、愛染明王像は京都市長賞を受賞した秀作なんだって。

南無大師遍照金剛・・・
南無大師遍照金剛・・・
南無大師遍照金剛・・・

●修行大師像
大師堂の前にある修行大師像では願い棒修行ができるそうです。

●願い棒修行の作法
①年齢の数だけ願い棒を手に取る。

②大師像の前で願いごと、年齢、名前を唱える。

③般若心経を唱えながら大師像を右回りで周り、正面に来るごとに願い棒を大師像の足元に置く。

④年齢分の願い棒を置き終えたら願い棒を元に戻す。

⑤大師像の前で南無大師遍照金剛と7回唱える。

ちなみに願い棒修行は京都・東寺でも行われているそうです。
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多宝塔と方丈と観音堂

●多宝塔

●多宝塔
・1993年建立

塔内は極彩色の彫刻で浄土を表現し、本尊として松本明慶さん作の五智如来像が安置されてるんだって。

ちなみに多宝塔の周りには四国八十八ヶ所のお砂踏みがありましたよ。


そして多宝塔前には、猟師が放った弓矢から弘法大師を守ったと伝わる弘法大師お手植えの逆松がありました。

●弘法大師の逆松伝説

弘法大師がこの地で修行をしていたときのこと。

弘法大師をイノシシと見間違えた猟師が誤ってを放ってしまったという!

しかし、の木が身代わりとなって矢を受け止めたため弘法大師は無事でした。

弘法大師は必死に謝る猟師に事情を聞くと、病気の父親のためにイノシシの肝を飲ませようとしていたことがわかりました。

そこで弘法大師は加持祈祷をして、寝たきりだった父親の病を治したという。

そんなこんなで、弘法大師は身代わりとなった松を逆さに植えて『この松が芽を出して栄えることがあれば、後にこの地を踏む者は災厄を逃れるであろう』と予言したそうです。

その松は予言通り芽を出して成長し、厄除けの逆松として信仰を集めたといいます。

ちなみに逆松は2017年に枯死してしまったそうです。。。



その他、多宝塔前には安楽橋がありました。

ちなみに安楽橋の石標は百度石になっています。


いやはや、素敵な塔でした。


●方丈

●方丈
・1804〜1818年建立
・茅葺 瓦葺 入母屋造
・徳島藩主・蜂須賀家が寄進
・国の登録有形文化財

こちらの方丈は徳島藩主・蜂須賀家が寄進したもので、歴代藩主が宿泊した建物といわれています。

方丈内は田の字型に4つのお部屋がありました。
そして左奥の部屋は上段の間があり、他の3室より床が一段高くなっていました。

本来、方丈は住職の居室を指しますが、このお寺では藩主が巡見などで訪れた際の座所としても使われていたんだって。


●観音堂

その他、本堂の横に観音堂がありました。

あと見事に見逃して帰りましたが、本堂と大師堂の間に蜂須賀家の位牌を安置する性霊殿
そして方丈前に聖徳太子が馬をつないだといわれる太子駒のつなぎ石があるそうですよ。


そんなこんなで、参拝終了。

第7番札所・十楽寺へ続く。

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御朱印情報

●御朱印の種類
・四国八十八ヶ所の御朱印
・阿波北嶺薬師霊場の御朱印

●御朱印の受付場所
・納経所

●御朱印の受付時間
・7:00~17:00

●御朱印の料金
・四国八十八ヶ所 500円
・阿波北嶺薬師霊場 300円

●オリジナル御朱印帳
・なし

●期間限定・特別御朱印
・温泉水の限定御朱印(限定2000枚)
・秋の限定御朱印(2021年10月1日から)

●温泉水の限定御朱印
・限定2000枚
・縦15cm × 横20cm
・600円(御朱印と入浴剤のセット)
※入浴剤のみは1包200円

境内から湧き出る温泉水で書かれた限定御朱印です。

薄い緑色の台紙に薬師如来のシルエットに切り抜かれた浴場の写真がプリントされています。


秋の限定御朱印は2021年10月1日からスタートするみたいです。




ちなみにオリジナルガチャもあるみたいです。

これは可愛い~!

・2009年10月10日 参拝
・2024年3月 最終更新

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参拝情報とアクセス

●拝観料
・無料

●宿坊
・あり(要予約)
 宿坊の詳細はこちら

●前後札所
・第5番札所・地蔵寺寺へ5km
 徒歩1時間
 車で9分

・第7番札所・十楽寺へ1km
 徒歩15分
 車で3分

●最寄りの駅
・JR牛島駅から徒歩1時間20分
・JR牛島駅から車で15分

●最寄りのバス停
・徳島バス
 鍛冶屋原線に乗車
 東原 バス停で下車 徒歩10分

●最寄りのIC
・徳島自動車道
 土成ICから車で15分

・高松自動車道
 板野ICから車で35分

●駐車場
・無料の専用駐車場あり(30台)

安楽寺の地図

 

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