若宮八幡宮の御朱印~長宗我部元親が初陣の戦勝祈願をした神社~(高知県高知市)

住 所高知県高知市長浜6600番地
祭 神 ・応神天皇・神功皇后
・市杵島姫命・湍津姫命・田心姫命
・高靇神
由 緒1185年、源頼朝が祖父・源為義の御霊を慰めるため、京都・六条の源為義邸跡にあった六條左女牛若宮に石清水八幡宮の神霊を勧請。そして、六條若宮八幡宮を創建したという。その際、土佐国・吾川郡一円を神領として寄進。その後、現在地に若宮八幡宮を分祀したという。1560年、長宗我部元親が初陣の際、この神社で戦勝祈願をしたそうです。そして、初陣を勝利で飾った長宗我部元親は、合戦の度にこの神社で戦勝祈願をするようになったという。江戸時代、土佐藩主・山内氏が崇敬し、藩主祈願八社の1つになったそうです。
HP若宮八幡宮 | 高知
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若宮八幡宮とは?


四国の雄・長宗我部元親が初陣の戦勝祈願をした若宮八幡宮に到着。

高知の人気観光スポット・桂浜から車で10分。
徒歩45分のところに鎮座する神社です。

こちらの神社では桂浜に鎮座する海津見神社の御朱印も頂けるので、海津見神社の参拝後に合わせて参拝したいところ・・・って、余計なお世話っ。

●若宮八幡宮とは?

1185年、檀ノ浦の合戦で平家を滅ぼした源頼朝は、全国に守護・地頭を置き鎌倉幕府の基礎を固めました。

と同時に、祖父・源為義の冥福を祈り、源氏の家運長久を願って京都六條の為義邸跡にあった六條左女牛若宮に石清水八幡宮の分霊を勧請。

そして、新たに六條若宮八幡宮を創建したという。

その際、土佐国吾川郡の南部一円を六條若宮の神領地として奉納。
そして、現在地に若宮八幡宮を創建したそうです。

以後、鎌倉・室町時代を通じて、武家が厚く信仰していたといいます。


1560年、長宗我部元親初陣の際、この神社で戦勝祈願をし、見事に本山氏の長浜城を攻略。

以来、この神社を戦勝祈願・第一社と定め、合戦の度にこの神社で戦勝祈願をするようになったという。

その後、四国平定へと繋がっていくことになります。


江戸時代、長宗我部氏に替わり山内一豊が土佐に入国。

山内氏もこの神社を崇敬し、藩主祈願八社の1つに定めたそうです。
山内氏は毎年の祭典はもとより、藩主の交替の際には社殿の修理を官費で行ったといいます。

しかし明治維新以降、若宮八幡宮と山内氏の関係は途絶えたそうです。

現在は高知市南部の総鎮守
厄除け開運の神・安産の神・雨乞いの神などの信仰を集めているそうです。

そんなこんなで、参拝開始。
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鳥居と狛犬と手水舎

●鳥居

●鳥居
・1980年建立
・鉄筋コンクリート製
・台輪鳥居

なんと、この鳥居は長宗我部元親ブッ壊した鳥居の跡地に建てられた鳥居だという!

って、どういうこと!?!?

●吉兆?不吉?の鳥居
1586年、長宗我部元親は豊臣秀吉に従軍して九州の島津討伐に向かう際、この神社で戦勝祈願をしたという。

その際、軍旗が鳥居の笠木に引っ掛かって落ちたんだって。

この出来事を周囲は不吉として出陣を見合わせようとしましたが、逆に元親は『敵を笠にかけて討伐する吉兆である』と言って出陣したそうです。


しかし結果は・・・戸次川の戦いで島津軍に大惨敗。。

そして、嫡男・信親以下、740名以上の兵を失ってしまったという。。

そんなこんなで、帰国した元親は、その鳥居を不詳の鳥居としてブッ壊し、海に流したといいます。

その後、元親は信親と多くの家臣を一度に失ったことで、ヤル気を失い茫然自失状態に・・・四国の雄と称されたかつての勇姿は見る影もなくなってしまったという。

ちなみに1865年の地震で元親が破壊した鳥居の基礎が浮き出てきたという!
当時の人はこれを神意と感じ、1870年に鳥居を再建したそうです。

そんなこんなで、1870年に再建されるまで約280年間、この神社には鳥居がなかったといいます。

さらにその後、老朽化のため1936年に再建。

現在の鳥居は1980年に建て替えられた鉄筋コンクリート製の鳥居です。


●狛犬①②

●狛犬①②
・1855年建立

参道途中には胴の長いお座り型の狛犬ちゃんがおられました。

まるで仔犬のような純朴な瞳で見つめてきます・・・可愛いすぎるぞ、コノヤロ。

抱きしめたい!


●狛犬③④

●狛犬③④
・1859年建立

さらに鳥居の前にも狛犬ちゃんがおられました。

こちらは江戸獅子の流れをくむ狛犬ちゃんです。

高知市内にある朝倉神社もそうでしたが、なぜか高知では江戸獅子風の狛犬ちゃんを見かけることが多いです。

それにしてもヒビ割れがロックだなぁ!


●手水舎


●手水舎
・建立年不明
・銅板葺 切妻造
・鉄筋コンクリート造

手水舎には浄め塩がありました。
これは珍しいですね!

個包装なので、衛生的にも安心です。


あと、グレーと白の紙垂も珍しいなぁ~と思いました。
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拝殿と本殿

●拝殿


●拝殿
・建立年不明
・銅板葺 出蜻蛉造

続いて、拝殿を参拝。


なんと、拝殿は出蜻蛉造という初めてお耳にする建築様式でした!

ちなみに、蜻蛉と書いてトンボと読みます。

日本では後退しないトンボは勝ち虫と言われ、古来より縁起物とされてきたようです。

これにあやかり、長宗我部元親が出陣前に戦勝祈願をする若宮八幡宮を蜻蛉造。

そして凱旋報告をする土佐神社を蜻蛉造に建て替えたんだって。

その御利益からか、長宗我部元親さんは1575年に土佐を統一。

さらにその後、四国を統一して四国の覇者になりました。(諸説あり)


上から見ると社殿は十字形になっていて、まるでトンボが羽根を広げて尾を突き出したような形式になっているという。

いやはや、初めて拝見する出トンボ造にえらく感動したひと時。

本日も珍しいものを拝見できて有難き幸せ。


神紋はまり巴紋

巴紋は八幡系の神社でよく使われる紋ですが、この神社の神紋はを巻いたような変則的な巴紋になっておりました。

トンボのメガネはグルグル眼鏡♪・・・ちがうか。。


どうでもいい話しですけど、ずーと拝殿を見ていたら、

顔文字の(・人・)に見えてきました!


●本殿

●本殿
・建立年不明
・三間社流造

●祭神
・応神天皇・神功皇后
・市杵島姫命・湍津姫命・田心姫命
・高靇神

祭神は八幡系の神社でお馴染みのラインナップでした。
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境内社

●天神社

●天神社
・建立年不明
・天水分神を祀る

続いて、社殿横に鎮座する天神社を参拝。

天神社といえば、学問の神様である菅原道真さん!

と思ったら、祭神は天水分神さん!

こ、これは一体どういうことだぃ???


本来、天神はテンジンではなくアマツカミのことで、特定の神様を指すものではなかったんだって!

若宮八幡宮の後方にある山中に湧水があることから、もともとこの天神社は天水分神を祀ったこの地の産土神と考えられてるんだって。

それが道真さんの没後雷神信仰御霊信仰と結びつき、天神と称する神はことごとく道真さんの御霊にされたそうです。

そんなこんなでこの天神社は、特定の神ではない天神(アマツカミ)と、皆が知る天神(テンジン)が混同した神社といわれてるんだって。

ちなみにこの神社には、1902年に天神宮1000年大祀が執行されたという棟札が残っているとのこと。

それを逆算すると、この天神社は903年に創建されたことになります。

903年は道真さんが大宰府で亡くなられた年。

道真さんが亡くなった年に、道真さんを主祭神とする天神社を創建したとは考えられませんので、やはりこの神社はもともとアマツカミを祀っていたということになりますね!

面白いですねぇ。


●三社神社(椿社・薬神社)

●三社神社(椿社・薬神社)
・建立年不明
・瓦葺 入母屋造

●祭神
・大山祇神
・水波能売神
・少彦名神

続いて、境内の林の中に鎮座する三社神社を参拝。


●三座神社

●三座神社
・建立年不明
・銅板葺 妻入り切妻造

●祭神
・山祇大神
・宇迦之御魂神
・大国主神

そして、三社神社の隣に鎮座する三座神社を参拝。

三座と三社って、ちょっとややこしいです。
三座も三社も同じ意味なので、余計にややこしいです。

さらに大山祇神と山祇大神のヤマヅミかぶりもややこしいです。

結果、面白いです。


●隼人社

●隼人社
・建立年不明
・銅板葺 一間社流造

●祭神
・福留隼人正

さらに林の奥へ進むと隼人社に到着。

説明板によると、創建年と由緒は不明。
古来より勝負事と、首から上の病に格別の御利益あり、穴のあいた石を捧げてお礼参りとすると書いてありました。


ということで、社の隣には穴のあいた石が大量にブラ下がっていました。

足の裏をゴシゴシする石だ。
これは不思議な風習ですねぇ。


石の数を見る限り、めちゃくちゃ御利益がありそうです。

ちなみに祭神の福留隼人正さんは長宗我部家の家臣です。


●荒神宮(大荒神)
・大年御祖神
・大土御祖神

その他、荒神宮があるそうですが、気付かずに帰ってしまいました!
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その他の見どころ

●五角絵馬掛け

御神木の梛の木を囲む形で五角形の絵馬掛けがありました。

梛の木は力しばといわれ、夫婦和合・諸願成就の信仰の対象となっていたそうです。

ちなみに、梛の葉は中央脈が無い平行脈で、葉脈の方向に引っ張ってもなかなか切れないという。
そんなこんなで、梛の葉は夫婦円満や縁結びのお守りとして使われているそうです。


オリジナル絵馬には長宗我部元親さんがデザインされていました。


●贔屓

●贔屓
・1879年奉納

さらに境内を散策すると、なんと五角絵馬掛けの近くに贔屓を発見!

ちなみに贔屓と書いてひいきと読みます。

亀に似ていますが、これは亀ではなくが生んだ9頭の神獣・竜生九子の1つ。

中国の伝説上の生きものです。

贔屓は重いものを背負うのが大好き。
贔屓が背負うものは永遠不滅とされるため、石碑や石柱の土台として活躍しています。

ちなみに、贔屓の上に石碑が乗っているものは亀跌(きふ)といいます。


なんと、この贔屓は三宝台を背負っているという。

このタイプの贔屓は初めて拝見しました!

重いものを背負うのが好きなのに三宝台とは・・・きっと重さに物足りなさを感じてるに違いない。

他にも何かを乗せてあげたい・・・

そうだ、亀といえば、あのお方!

誰かおぼっちゃまくん呼んできてー。



おはヨーグルト!


●槍通す輪

なんと、境内にはとてつもなく長い槍があるという!

槍の長さはなんと4m!

実は、これは輪投げだけという!

こんなん絶対無理やろ~~~


と思ったら、結構成功してる!

そんなことより、この輪投げは何事も槍通す(やり通す)ことが大事という意味で設置されたもののようですよ。

願いごとを書いたを投げてこのの先をれば願いが叶うんだって。

これまた面白いですねぇ。


●神田祭・どろんこ祭り

そんなこんなで、境内を出て長宗我部元親公初陣の像に向けて歩いていると神田を発見。

どうやらここは土佐三大奇祭の1つ・どろんこ祭りが行われる田んぼのようです。

どろんこ祭りは毎年4月第1土曜日から3日間行われ、400年以上の歴史を持つ春祭りだという!

●どろんこ祭りの由来

土佐藩2代藩主・山内忠義さんが領地検分のためお忍びであぜ道を歩いていたときのこと。

田植えをしていた農民が誤ってをはねてしまい、忠義さんの袴をしてしまったという!

そんなこんなで、忠義さんの家臣がその農民を無礼討ちにしようとしました!

しかし忠義さんは『田植えの時期にこんなあぜ道を歩いた我々が悪い。田植えにいっそう励むように!』とおっしゃったという。

それを聞いた農民たちは泥をかけ合って歓喜したんだって。

それがどろんこ祭りの始まりといわれています。

ちなみに、戦国時代の長宗我部さんの時代にもどろんこ祭りの記載があるため、実際はもっと古くからあると考えられているそうです。


●どろんこ祭りのルール
神田で田植えをした後、早乙女たちが誰かれかまわず男達の顔に泥を塗りたくるという。

男性は逃げてもOKですが、捕まると抵抗してはいけないというルールがあるそうです。

泥を塗られた男はその夏病気をしないといわれてるんだって。

これまた面白いですねぇ。

長宗我部元親公初陣の像

●長宗我部元親公初陣の像

そんなこんなで、境内から約200m離れた長宗我部元親像に到着!

四国はワシのものぜよ!

なんだよ、この野望に満ちた像は!

カッコよすぎです!


●長宗我部元親公初陣の像
・1999年建立
・像高 約7m(台座を含む)
・槍の長さ 約5.7m

この像は、地元の有志が長宗我部元親さんの没後400年を記念して建立したものなんだって。

1560年、22歳で初陣を迎えた元親さんが、合戦に挑む前夜に若宮八幡宮に陣取った姿を表現しているそうですよ。


銅像の近くには元親公への手紙というコーナーもありました。

ノートには、参拝者や長宗我部ファンや戦国ファンなどのメッセージが書かれていましたよ。



あと、歩き遍路ごっこもしてきました。


いやはや、素敵な神社でした。

御朱印情報

●御朱印の種類
・若宮八幡宮の御朱印
・海津見神社の御朱印

●御朱印の受付場所
・社務所(授与所)

●御朱印の受付時間
・9:00~17:00

●御朱印の料金
・各300円

●期間限定・特別御朱印
・なし


●オリジナル御朱印帳

●オリジナル御朱印帳
・サイズ 16cm × 11cm
・初穂料 1500円


神社の方いわく、海津見神社で参拝せずに若宮八幡宮で御朱印を頂く方が多いそうなので、ちゃんと参拝してから若宮八幡宮へ向かってほしい・・・とのことです!

・2010年2月20日 参拝
・2021年9月20日 参拝
・2021年9月 更新
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参拝情報とアクセス

●開門時間
・境内自由

●拝観料
・無料

●最寄りの駅
・JR高知から車で20分
・JR高知から徒歩1時間50分

●最寄りのバス停
・とさでん交通
 南海中学校前 バス停で下車 徒歩5分

●最寄りのIC
・高知自動車道
 高知南ICから車で20分

・高知自動車道
 伊野ICから車で25分

●駐車場
・無料の専用駐車場あり(65台)
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若宮八幡宮の地図

年間行事

●祭事・神事

●1月1日・・・歳旦祭
●2月3日・・・節分祭
●春分の日・・・向山会合同慰霊祭
●4月第1土曜日から3日間・・・神田祭(どろんこ祭り)
●4月下旬・・・祈年祭
●5月第3日曜日・・・初陣祭
●6月30日・・・夏越祭
●7月25日・・・夏祭り
●秋分の日・・・向山会合同慰霊祭
●11月5日・・・宵祭り
●11月6日・・・例祭 御神幸祭
●11月15日・・・七五三祭
●11月23日・・・長宗我部顕彰会慰霊祭
●12月上旬・・・大麻頒布始祭
●12月中旬・・・新穀感謝祭・火鎮祭
 

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