一宮寺の御朱印|四国霊場 第83番|讃岐国一宮・田村神社の別当寺。地獄の釜で気を引き締める|四国八十八ヶ所 車遍路の旅(香川県高松市)

所在地香川県高松市一宮町607
宗 派真言宗御室派
札 所四国八十八ヶ所 第83番
前後札所 ・前 → 第82番札所・根香寺
・後 → 第84番札所・屋島寺
本 尊聖観世音菩薩
真 言おん あろりきゃ そわか
由 緒701~704年、法相宗の高僧・義淵が創建したのが始まり。創建当時は、大宝院という寺名だったそうです。その後、行基が堂塔を修復し寺号を一宮寺と改称。806~810年、空海(弘法大師)が伽藍を整備し聖観世音菩薩像を刻んで本尊とし、法相宗から真言宗に改宗したそうです。江戸時代までは隣接する讃岐国一宮の田村神社と神仏習合の形態をとっていましたが、1679年に高松藩主・松平頼常の命により田村神社と分離し現在に至ります。
HP一宮寺 四国霊場第八十三番札所(香川県高松市)

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一宮寺とは?


四国八十八ヶ所の第83番札所であります一宮寺に到着。

第82番札所・根香寺から17km。
徒歩2時間40分。
車で35分のところに位置しています。

一宮寺と書いていちのみやじと読みます。

●一宮寺とは?

701〜704年、法相宗の高僧・義淵が創建したのが始まりといいます。

創建当初は大宝院という寺号だったそうです。

ちなみに、義淵は南都仏教の1つ・法相宗の普及をはじめ、行基・良弁・道鏡などを輩出したことで知られるお方です。


708〜715年、諸国に一宮が制定された際、讃岐一宮として田村神社が建立されたという。

その際、大宝院は田村神社の第一別当寺(統括管理職)になったそうです。

そして行基が堂塔を修復し、寺号を一宮寺に改めたといわれています。


806〜810年、弘法大師が伽藍を整備し、像高約106cmの聖観音菩薩像を刻んで安置。

そして真言宗に改宗し、四国八十八ヶ所の第83番札所に定めたそうです。

しかし、1584年に長宗我部元親の兵火により焼失。。

その後、中興の祖とされる宥勢大徳が再興したそうです。


1679年、高松藩主・松平頼常の命により、田村神社と一宮寺は分離し現在に至るそうです。

これは明治時代初期の神仏分離令より200年も早く神仏の分離が行われたことになるという。

●田村神社

讃岐国一宮の田村神社に隣接する一宮寺は、その名の通り讃岐国一宮の別当寺だったお寺さんです。

ちなみに別当寺とは、神仏習合時代に神社を管理するために置かれたお寺さんのことです。

これまで四国霊場には神仏習合時代に別当寺として創建されたお寺がたくさんありましたが、この一宮寺は他の別当寺とはちょっと違った歴史を持つお寺さんのようです。

四国霊場に限らず、全国各地にあった別当寺の多くは明治時代初期神仏分離令により神社から独立、もしくは廃寺になったりしますが、この一宮寺は江戸時代初期の1679年に早くも神仏分離を行っていたという。

これは高松藩主・松平頼常の命によるもので、神社とお寺が同一視され混同されていることを避けるためというのが理由といわれています。(諸説あり)

そんなこんなで、明治時代初期の神仏分離令より200年も早く神仏分離を行っていたという珍しいお寺さんです。


●四国霊場の別当寺


ちなみに四国霊場の一宮の別当寺はこちら。

●徳島 阿波国一宮 大麻比古神社
・第1番・霊山寺

●高知 土佐国一宮 土佐神社
・第30番・善楽寺

●愛媛 伊予国一宮 大山祇神社
・第55番・南光坊

●香川 讃岐国一宮 田村神社
・第83番・一宮寺

そんなこんなで参拝開始。
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仁王門と手水舎と鐘楼

●山門(仁王門)

●山門(仁王門)
・建立年不明
・瓦葺 切妻造
・三間一戸 八脚門

まず最初に登場するのは仁王門

仁王門には大草鞋が奉納されていて、お遍路さんならびに参拝者の旅の安全を見守っていました。


●金剛力士像(仁王像)
・江戸時代作
・赤尾右京 作

そんなこんなで、仁王さんにご挨拶。

この仁王さんは赤尾右京という方がお造りになった作品のようです。

赤尾右京さんは江戸時代に活躍した京仏師で、定朝31世、運慶28世と称していたお方なんだって。


ところどころに彩色が残っているのと、異常に小さい手の平が印象的な仁王さんでした。


●手水舎

●手水舎
・建立年不明
・瓦葺 切妻造

続いて、手水舎でお清め。


なんと手水鉢にはお大師さまがおられるという。

そしてなんと、お大師さまがお水を注いでくださるという!

これはこれは、なんと有り難いことか・・・!

南無大師遍照金剛・・・
南無大師遍照金剛・・・
南無大師遍照金剛・・・


●鐘楼

●鐘楼
・建立年不明
・瓦葺 入母屋造

続いて、鐘楼で鐘をひと撞き。

御本尊さまとお大師さまにご挨拶。
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本堂と大師堂

●本堂

●本堂
・1701年建立
・瓦葺 入母屋造

●本尊
・聖観世音菩薩

●真言
・おん あろりきゃ そわか

続いて、本堂で参拝。

この本堂は1701年に檀信徒が建立したものといわれています。

このように、四国霊場は檀信徒が建立したお堂が多いような気がします。


本堂の屋根には牛とお爺ちゃん。
そして耳かき(?)をするお爺ちゃんがおられました。

何となく中国の故事が由来っぽい感じなのですが・・・これにはどのようなメッセージがあるのでしょうか?


●聖観音菩薩立像
・平安時代初期作(?)
・像高 約106cm(?)

御本尊は弘法大師作と伝わる聖観音さん。

しかし秘仏のため拝顔することはできませんでした。

どうやら御本尊さまの御開帳はされてないらしく、毎年8月10日の千日会での御開帳も前立本尊のみの開帳になるみたいです。


その他、堂内には脇侍の不動明王さんと毘沙門天さんがおられるそうです。

お寺に伝わる大宝院記録によると、この2体の仏像さんは京仏師の赤尾右京さんが造立したものと記されているそうです。

赤尾右京さんは、先ほどの仁王像を造立したお方です。

ということで、仁王さんと不動明王さんと毘沙門天さんは同時期に彫造された可能性が高そうですね。

きっと赤尾右京さんにとってはビッグプロジェクトだったのだと思います(想像)

ちなみに一宮寺には本堂・仁王門・大師堂・菩薩堂の4堂に48体の仏さまがいらっしゃるそうですよ。


●大師堂

●大師堂
・建立年不明
・瓦葺 軒破風付き入母屋造
・本尊 弘法大師

続いて、大師堂を参拝。

堂内の天井一面には先祖供養・家内安全を祈願した吊灯籠が吊るされていたので、参拝前に思わず目を奪われてしまいました。

そんなことより、御本尊の弘法大師像は、地元の方々から一宮のお大師さんとして親しまれてるんだって。

ちなみに、堂内には一宮のお大師さんの他に、たくさんの仏像さんが安置されているそうです。

●大師堂の仏像さん
・薬師如来坐像 (1675年作)
・愛染明王坐像 (江戸時代作)
・不動明王立像①(平安時代後期作)
・不動明王立像②(鎌倉時代作)
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薬師如来の石祠(地獄の釜)

●薬師如来の石祠(地獄の釜)

続いて、薬師如来の石仏が安置された石祠を参拝。


なんと!

この祠は別名・地獄の釜と呼ばれていて、祠の中にを突っ込むと境地が開けるという!

逆に!

悪いことをした人が祠の中に頭を突っ込むと、祠の扉がまってが抜け出せなくなるという!

そして祠の中からゴォォォ地獄の音が聞こえてくるんだって!

((((;゚Д゚)))))))・・・めちゃ恐怖!

83ヶ所も巡ったのにゴール目前で頭を挟まれるとか、展開がブラボー過ぎます。

でも心配することはない。

だって悪いことをした覚えはないし、全ての関所寺もクリアしましたし(慢心)

ということで、祠に入頭!


石仏ちかっ!

って、なんだこの音は・・・


ゴォォォォォ!



ぬ、抜けないっ!!!




というのはもちろん嘘で、何も起こりませんでした。

何も起こらなかったということは、境地も開けなかったということでもあります・・・。


もしかしてこの祠は、残り5寺を気を抜かずに参拝させるための戒めみたいな意味もあるのかも知れません。

薄々気づいていましたが、正直83番まで来ると心のゆとりが大きくなってるような気がしていました。

なんというか、このまま難なく結願できちゃうんだろうなぁ〜という油断というか何というか。

これじゃいけません。
今一度、気を引き締めなくては!

ということを気づかせてくれた石祠でした。



ちなみに、大阪の全興寺にも地獄の釜がありますよ。


そんなこんなで、参拝終了。

第84番・屋島寺へ続く。

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御朱印情報

●御朱印の種類
・四国八十八ヶ所の御朱印
・地獄の釜の参拝記念印

●御朱印の受付場所
・納経所

●御朱印の受付時間
・7:00~17:00

●御朱印の料金
・四国八十八ヶ所 500円
・地獄の釜の参拝記念印 300円

●期間限定・特別御朱印
・桜の御朱印(見開き)
・紅葉の御朱印(書置き)
※色は白・オレンジ・紫の3種

●オリジナル御朱印帳
・なし

・2011年6月12日 参拝
・2024年3月 最終更新
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参拝情報とアクセス

●拝観料
・無料

●宿坊
・なし

●前後札所
・第82番札所・根香寺へ17km
 徒歩2時間40分
 車で35分

・第84番札所・屋島寺へ17.5km
 徒歩3時間40分
 車で40分

●最寄りの駅
・琴電(ことでん)
 一宮駅から徒歩10分
 一宮駅から車で3分

●最寄りのバス停
・ことでんバス
 一宮 バス停から徒歩12分

●最寄りのIC
・高松自動車道
 高松檀紙ICから車で10分

・高松自動車道
 高松西ICから車で10分

●駐車場
・無料の専用駐車場あり(40台)

一宮寺の地図

 

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