白山比咩神社の御朱印|吉香公園内に鎮座する岩国領主・吉川氏の産土神(山口県岩国市)

所在地山口県岩国市横山2-8−10
祭 神菊理媛命・小白山比咩命・大己貴命
由 緒 創建年は不詳。しかし旧記によると、876年に勧請、884年に社殿を建立と記されているそうです。その後、1368〜1375年に社殿を焼失しますが、1389年に再建。1573年には毛利輝元が神田を寄進。江戸時代、岩国領主・吉川氏が産土神として崇敬したそうです。しかし1890年に焼失。さらに2004年にも拝殿を焼失。そんなこんなで、2005年に拝殿を再建し、現在に至るそうです。
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鳥居と狛犬と手水舎

●錦帯橋

本日は岩国の吉香公園をプラプラと散策しています。


●境内入口

そんなこんなで、岩国城ロープウェイ・麓駅の近くに鎮座する白山比咩神社に到着。

白山比咩神社と書いてしらやまひめじんじゃと読みます。

その名の通り、石川県に鎮座する加賀国一宮・白山比咩神社の御分霊を勧請した神社です。


●鳥居

●鳥居
・1695年建立
・明神鳥居

まず最初に登場するのは立派な明神鳥居


社前の石鳥居は元禄七年(1694年)吉川広紀(四代岩国藩主)の寄進。

(境内説明板より)

説明板によると、この鳥居は1694年に岩国藩4代藩主・吉川広紀さんが寄進したもののようです。


そんなこんなで、柱を確認してみると薄っすらと元禄七年(1694年)という文字を確認することができました。

ちなみに説明板には吉川広紀(四代岩国藩主)の寄進と書いてありましたが、吉川氏が岩国藩主になったのは12代・吉川経幹さんからなので、厳密に言えば4代岩国藩主ではなく4代岩国領主となります。


それにしても、大きく突き出した笠木・島木・貫が印象的な鳥居でした。


●狛犬

●狛犬
・2005年奉納?

鳥居の前には護国系の狛犬ちゃんがおられました。

岡崎型のようなお顔と張り出した胸。
バネのようなアバラ骨と、前脚裏のウィングのような毛並み。

量産品でしょうか?
このタイプの護国系狛犬はよく出会います。


建立年を確認してみましたが、絶妙に読めそうで読めない・・・

平成十七年と書いてように見れるような見えないような・・・(-“-;) ??


●手水舎

●手水舎
・建立年不明
・瓦葺 切妻造

そんなこんなで、鳥居をくぐって手水舎でお清め。


手水鉢には岩国吉川家の家紋・輪九曜紋がありました。

九曜紋といえば細川家

どうやらこの紋は、室町時代に細川勝元さんから贈られた紋なんだとか。
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神門と注連柱

●神門

●神門
・1898年建立
・瓦葺 切妻造 四脚門

続いて、神門が登場。

説明板によると、この神門は1898年に建立された門のようです。

この神社は1890年の火災で、神門・回廊・社殿などを焼失してますので、現在の神門は焼失して8年後に再建されたものということになります。


説明板に櫻門(楼門)という文字を確認できました。

現在は四脚門ですが、焼失前は楼門だったみたいですね。


説明板によると、焼失前の楼門は関西の東照宮といわれるほど鮮やかな装飾があったのだとか。

関西!?

って感じですけど。


ここは神社ですが禅宗様建築の特徴である礎盤と、パックリと割れた背割りが特徴的な門でした。


●注連柱

●注連柱
・1912年建立

そんなこんなで、神門をくぐると注連柱が登場。

注連柱には瑞拱紅雲日月光 祥開黄道乾坤潤と刻まれていました。


石柱に宇都宮遯菴(漢学者)の碑文がある。

(境内説明板より)

説明板に書いてある石柱とはこの注連柱のことなのでしょうか?

というか、宇都宮遯菴ってどなた様だぃ?

そんなこんなで、調べてみることに。

●宇都宮 遯菴(うつのみや とんあん)とは?
宇都宮遯菴さんは周防国岩国で生まれ、岩国領主・吉川氏に仕えたお方のようです。

岩国や徳山で朱子学を教える塾を開き、周防吉川領で教育に従事していたみたいです。

なんと!

1706年に記した極楽寺亭子記の記述の中に『これを凸凹というは模様の似たるをもってなり。また錦帯橋という。錦見の里に近きをもってなり。』という部分があり、これが錦帯橋という名称の初見なんだとか!

ということは、宇都宮遯菴さんが錦帯橋の名付け親???
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拝殿と本殿

●拝殿

●拝殿
・2005年再建
・瓦葺 千鳥破風付き入母屋造

続いて、拝殿で参拝。

旧拝殿は2004年5月13日に火災で焼失。

その後、2005年12月に再建されたのが現在の拝殿なんだって。

なんと、この神社は3度も焼失と再建を繰り返しているという。


1368〜1375年に社殿を焼失。
1389年に再建。

1890年に楼門・回廊・拝殿・本殿などを焼失。
1898年に再建。

2004年に拝殿を焼失。
2005年に再建。


拝殿でもたくさんの輪九曜紋を確認することができました。


私的に1番萌えたのは手挟み

このタイプの手挟みは初めて拝見しましたよ。


●本殿

●本殿
・1898年建立
・銅板葺 入母屋造

神門同様、本殿も1890年の火災後に再建されたもののようです。

●御祭神
・菊理媛命
・小白山比咩命
・大己貴命

御祭神は菊理媛命小白山比咩命大己貴命


●菊理媛命
菊理媛と書いて、ククリヒメまたはキクリヒメと読みます。

菊理媛命は古事記には登場しませんが、日本書紀に1度だけ登場するレアな神様です。

一説によると白山比咩神と同一神とされていますが、なぜ同一神になったのかは経緯不明です。


イザナギとイザナミは国生み・神生みの際にたくさんの国と神様を産みますが、火の神・ヒノカグツチを生んだ際、陰部に大火傷を負ったイザナミはんでしまいます。


そんなこんなで、イザナギは亡き妻・イザナミに会うために死者が住む・黄泉の国へ向かいました。

しかしゾンビ化したイザナミの姿を目にして恐怖したイザナギは一目散に逃げ出しました・・・が、黄泉比良坂でイザナミに追いつかれ口論になりました。

すると泉守道者(よもつちもりびと)が現れ、イザナミの言葉を取次ぎ『一緒に帰ることはできない』と申し上げました。

続いて、菊理媛命が現れ何かを言うと、イザナギはそれを褒め、帰って行きました。

それが日本書紀に1度だけ登場する菊理媛命のお話しです。

それにしても菊理媛命は何を言ったのでしょうねぇ?

何を言ったのかはわかりませんが、イザナギとイザナミを仲直りさせたことにより、現代では縁結びの神様として信仰されています。

そんな菊理媛命には様々な説があります。

●説①
イザナギとイザナミの仲を取り持ったことから、菊理媛(ククリヒメ)のククリは括りという説。

●説②
菊花の古名を久々(クク)としたことから括るにの漢字をあてた説。

●説③
菊の古い発音からココロをあててココロヒメとする説。

●説④
糸を紡ぐ(括る)ことに関係があるとする説。

●説⑤
潜(クク)り・潜(クグ)るという意味で水神であるとする説。

●説⑥
聞き入れるが転じてククリとなった説。

●説⑦
黄泉の国でイザナミに仕える女神という説。

●説⑧
イザナギとイザナミのという説。

●説⑨
イザナミが『故、還らむと欲ふを、且く黄泉神と相論はむ(古事記)』と言った黄泉神だとする説。

●説⑩
イザナミの荒魂もしくは和魂という説。

●説⑪
イザナミの別名という説。

●説⑫
死者(イザナミ)と生者(イザナギ)の間を取り持ったことからシャーマン(巫女)だったという説。

などなど、菊理媛命は謎だらけの神様です。

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御霊神社と錦川水神社

●御霊神社

●御霊神社 鳥居
・1913年建立
・明神鳥居

●御霊神社 拝殿
・建立年不明
・瓦葺 入母屋造

●御霊神社 本殿
・建立年不明
・銅板葺 流造

続いて、境内社を参拝。

説明板がなかったため詳しいことはわかりませんが、ネットの情報によるとこのお社は御霊神社のようです。

ネットの情報によると御祭神は鎌倉権五郎命のようですが・・・

なぜ岩国に鎌倉権五郎さんが・・・(-“-;) ??


●錦川水神社

続いて、神門前に鎮座する錦川水神社を参拝。

説明板によると、このお社は1974年に創建された錦川の守護神

岩国市観光協会の会長・坂井正夫さんが発起して、岩国市の繁栄をもたらした錦川の水恩に感謝して創建された神社のようです。

御祭神は弥都波能売神

弥都波能売神と書いてミヅハノメノカミと読みます。

古事記では弥都波能売神
日本書紀では罔象女神と表記される水の神様です。


注連柱には揁謝水恩 恭仰神徳と刻まれていました。

阿保なのでどういう意味かはわかりませんが、な〜んとなく水の恵みに感謝的な意味なのかな?


●錦川水神社 神門
・1974年建立?
・銅板葺 三間一戸 切妻造

それにしても神門がある境内社ってちょっと珍しいですねぇ。

そしてもっと珍しいのは建築様式!

一見、八脚門のように見えますが、よく見ると八脚門内側の控柱がない変則的な門になっているという!

地味に珍しい門でしたよ。


●錦川水神社 本殿
・1974年建立?
・銅板葺 切妻造

なんと社殿の一部には伊勢神宮の古材が使われてるんだと!

説明板によると、錦川水神社が創建される前年、伊勢神宮で第60回・式年遷宮が行われたことから古材の一部がこの神社に譲渡され、社殿の一部に使用されたんだとか。


その他、境内には立志の碑などの石碑がありました。


そんなこんなで、参拝終了。

いやはや素敵な神社でした。
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周辺の見どころ(吉香公園)

●錦帯橋

白山比咩神社が鎮座する吉香公園にはたくさんの見どころがあります。

なかでも1番有名なのが岩国のシンボルであります錦帯橋!

錦帯橋は錦川に架けられた5連の木造アーチ橋で、日本三名橋日本三大奇橋に数えられています。


●錦帯橋
・1673年架橋
・1952年再架橋
・全長 約193.3m
・幅 約5m
・5連の木造アーチ橋
・国指定名勝

1673年、岩国領3代領主・吉川広嘉さんが現在の橋の原型となる木造橋を架けたのが始まり。

しかし、その後すぐに錦川の洪水により流失してしまったという。

そんなこんなで1674年、改良を加えて再架橋。

以後、1950年の台風で流失するまで276年間、その威容を保ち続けたという!

現在の錦帯橋は1953年に再建されたもので、2002〜2004年の平成の架け替え事業では劣化した木造部分が架け替えられたんだと。


ちなみに園内には錦帯橋を架橋した吉川広嘉さんの銅像がありました。


橋の長さは、直線距離で約193.3m。

橋面に沿った歩行距離は約210m。

橋幅は約5m。

そして橋台の高さは6.6mもある巨大木造橋!


橋は複雑な木組みで造られており、大工さんの技術の高さに感動したひと時でした。

ちなみに、釘はステンレス製ではなく、全て手打ちしたたたら鉄の和釘が使用されてるんだとか!


●岩国城

目線を上に向けると山上には岩国城


岩国城は岩国領初代領主・吉川広家さんが1608年に築城したお城です。

築城当初は3層4階の桃山風南蛮造りだったそうですが、築城して7年後に一国一城令により取り壊されてしまったという。。

そんなこんなで、現在の天守は1962年に再建された模擬天守となっております。


天守からは錦帯橋をはじめ、吉香公園・城下町・岩国市内、さらには瀬戸内海の島々を一望できるという!

爽快!

ちなみに、岩国城へはロープウェイで行くことができます。


●シロヘビの館(旧・シロヘビ観覧所)

岩国といえば国指定天然記念物のシロヘビも有名です。

ヘビ・・・苦手なんだよな(笑)

でもせっかく来たのだから、意を決して入館。


ヘビは好き嫌いが分かれる動物の1つですが、岩国市では古くからシロヘビさんと呼ばれて親しまれているのだとか!

ちなみに岩国のシロヘビはアオダイショウが突然変異によって白化したものなんだって。


シロ猫とシロヘビ観覧所。


シロヘビとシロおばちゃん。

岩国白蛇神社の御朱印|蛇づくしの境内でシロヘビ観賞(山口県岩国市)
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●巌流ゆかりの柳

錦川の川岸には巌流ゆかりの柳がありました。

巌流といえば佐々木小次郎さん!

宮本武蔵さんと戦った巌流島の決闘で有名なお方です。

吉川英治さんの小説・宮本武蔵によると、佐々木小次郎さんは岩国出身で必殺技の燕返し錦川の河岸で柳の枝や燕を切ることで編み出された技なんだとか!

その物語に基づいて名付けられたのがこの巌流ゆかりの柳なんだって。


公園内には小次郎さんの銅像もありました。

一般的に佐々木小次郎さんは出生地・年齢不詳とされています。

そんなこんなで、岩国における小次郎伝説は吉川英治さんの創作の可能性が高そうですが、なぜか小次郎推しをする岩国なのでありました。


ちなみに吉香公園内では佐々木屋小次郎商店とお食事処・むさしによる熱いソフトクリームバトルが繰り広げられていました!

宮本武蔵 vs 佐々木小次郎のソフトクリーム巌流島だ!


と言いたいところですが、武蔵は平仮名表記のむさし

小次郎は、佐々木小次郎ではなく佐々木小次郎!

ということで、ソックリさん対決の巌流島!


武蔵のソフトクリームは、なんと100種類!

数では武蔵の勝利ですが、小次郎は3年連続三ツ星を受賞しているという!

こうなれば自らの舌で両者の勝敗をつけたい・・・


そんなこんなで、両者の味を確かめてみましたが、味音痴の私はどちらも同じ味がした・・・(笑)


その他、吉香公園には吉香神社・香川家長屋門・旧目加田家住宅・吉川史料館・岩国徴古館などがありますが、全てを紹介するととてつもなく長い記事になりそうなので割愛!

まるまる1日遊べちゃうボリュームたっぷりの公園でした。

また行きたいな。

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御朱印情報

●御朱印情報

●御朱印の種類
・白山比咩神社の御朱印
・吉香神社の御朱印

※2社の御朱印を頂く場合は見開きとなります。
※書置き対応あり。

●御朱印の料金
・1社 300円
・2社 600円


●御朱印の受付場所
・授与所

※御朱印は拝殿横の授与所で頂けました。
(不在の場合あり)

●御朱印の受付時間
・不明

●期間限定・特別御朱印
・なし

●オリジナル御朱印帳
・なし

・2010年5月29日 参拝
・2023年3月11日 再訪
・2023年5月 更新

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参拝情報とアクセス

●開門時間
・境内自由

●拝観料
・無料

●最寄りの駅
・JR岩徳線
 西岩国駅から車で10分

・JR山陽本線
 岩国駅から車で20分

●最寄りのバス停
・いわくにバス
 横山 バス停から徒歩7分

・いわくにバス
 錦帯橋 バス停から徒歩15分

●最寄りのIC
・山陽自動車道
 岩国ICから車で10分

●駐車場
・なし

※白山比咩神社には専用駐車場はありません
ですので、ロープウェイ前の駐車場、もしくは錦川の河川敷にある下河原駐車場か上河原駐車場に駐車することになります。

いずれの駐車場も無料ですが、多客時の昼間は有料となります。

ちなみに、白山比咩神社へはロープウェイ前の駐車場が1番近いです。

駐車場名台数料金時間
下河原約300台無料
(多客時 300円)
24時間
上河原
(乗用車のみ)
約130台無料
(多客時 300円)
24時間
ロープウェイ前
(乗用車のみ)
約58台無料7:00~20:00
※下河原・上河原駐車場は河川の増水により閉鎖の場合あり。
※花火大会の日は料金変更あり。

白山比咩神社の地図

 

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