持光寺の御朱印|石門とアフロ仏とにぎり仏のインパクト!尾道七佛めぐり(広島県尾道市)

所在地広島県尾道市西土堂町9−2
宗 派浄土宗西山禅林寺派
由 緒834〜848年、伝教大師(最澄)の高弟・持光上人が天台宗のお寺として創建したのが始まり。創建当初は日輪山 天禅寺と号し、御本尊は聖観世菩薩立像だったそうです。1382年、沙門善空頓了上人が来迎・阿弥陀如来立像を御本尊として迎え浄土宗に改宗。そして寺号を日輪山 金剛台院 持光寺と改称し、浄土宗西山禅林寺派の総本山である京都・禅林寺(永観堂)の末寺になったそうです。その後、1702年に五劫思惟阿弥陀如来を御本尊として迎え、日輪山 五劫院 持光寺と改称し、現在に至るそうです。
HP【公式】尾道 七佛めぐり
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尾道七佛めぐり

●尾道七佛めぐりとは?

本日は尾道七佛めぐりをすることにしました!

尾道市街地には25ヶ寺のお寺さんがあります。

そのうちの7ヶ寺が宗派を越えて繋がり、尾道七佛めぐりが誕生しました。

満願成就を目指して、この7ヶ寺を全て巡る。

それが尾道七佛めぐりです。

ちなみに7ヶ寺すべてを巡ると記念品が頂けます。

●尾道七佛めぐり
持光寺(じこうじ)
天寧寺(てんねいじ)
千光寺(せんこうじ)
大山寺(たいさんじ)
西国寺(さいこくじ)
浄土寺(じょうどじ)
海龍寺(かいりゅうじ)


尾道七佛めぐりは、特に巡る順番は決まってないようです。

ですので、巡る順番は人それぞれ。

ちなみに持光寺尾道駅から1番近いお寺ということもあり、尾道七佛めぐりのスタート地点にする方が多いのだとか。

ほんでもって、持光寺から東に向かって巡拝するのが王道コースなんだって。

そんなこんなで、JR尾道駅から線路沿いを歩くこと約5分。

持光寺の道標に到着。


そして、いきなり踏み切り待ち(笑)


そんなこんなで、電車が通化しーの、線路を渡りーの、石段と坂道を登って持光寺に到着。


このお寺の正式名称は日輪山 五劫院 持光寺

日輪山 五劫院 持光寺と書いてにちりんざん ごこういん じこうじと読みます。

ネットなどの情報に、日輪山 金剛台院 持光寺と表記している場合がありますが、日輪山 五劫院 持光寺が正解です。

●説明板

1382年、天台宗から浄土宗に改宗した際、日輪山 金剛台院 持光寺と改称。

1702年、御本尊を来迎・阿弥陀如来立像から五劫思惟阿弥陀如来に変更し、日輪山 五劫院 持光寺と改称。

説明板によると日輪山 金剛台院 持光寺は室町時代に改宗した際につけられた寺号のようです。

さてさて・・・

一体全体、どんなお寺さんなんでしょ?

ドキドキワクワク。

そんなこんなで、参拝開始。
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石柱と山門(石門)と鐘楼

●石柱

●石柱
・1894年建立

まず最初に登場するのは明治27年に建立された石柱

石柱には閉塞諸悪道 通達善趣門と刻まれていました。

ちなみに、閉塞諸悪道 通達善趣門とは仏説無量寿経・四誓偈の一節です。

●閉塞諸悪道(へいそくしょあくどう)
・諸々の悪道を閉じて塞ぎ

●通達善趣門(つうだつぜんじゅもん)
・善き世界へと導き

何だか、この石柱を通るとこれまでの人生が浄化されそうな気がする!


●石門(延命門)

●石門(延命門)
・1846年建立
・高さ 約3.5m
・幅  約5m
・奥行 約3.5m
・材質 花崗岩

続いて登場するのは・・・

・・・なんだこれ!?

コンクリート製のトンネルかと思ったら、何と石造山門だという!

超モダンでクール!

こんな山門、初めて出会いましたよ!



この石門は、持光寺の裏山にある日輪山から切り出された36枚の花崗岩で造られてるんだって!

門をくぐると寿命が伸びることから、延命門と呼ばれてるそうですよ。


一説によると、本来は竜宮門を造る予定だったんだって。

しかし、何らかの理由で上部の木造建築を建立するのを諦めてしまったみたいで、未完成のまま現在に至るんだとか。

ちなみに昔、ある人が『門の上に柱を建てるためと思われるが数個ある』という話を聞いたそうです。

そんなこんなで、ハシゴを借りて門の上に登ってみたけど、セメントが塗られていたため穴を確認することができなかったんだって。


通常、竜宮門の下層部は漆喰コンクリート造ですが、石造の竜宮門は聞いたことも見たこともないなぁ!

それにしても、尾道には竜宮タイプの建物が多いような気がします。


こちらは天寧寺宝土寺の竜宮門。


こちらは妙宣寺の竜宮門。


こちら千光寺の鐘楼と毘沙門堂。

竜宮門ではないけど、どことなく竜宮造。

そして異様なのは毘沙門堂!

竜宮タイプのお堂って初めて拝見しましたよ!

こんな感じで、尾道にはモダンでハイカラな門とお堂が多いような気がします。


尾道は坂の町、文学の町、映画の町、芸術の町、猫の町、お寺の町などなど、様々な肩書きを持っていますが、石工の町としても知られています。

かつて尾道には石屋町と呼ばれていた町があり、そこにはたくさんの石工が住んでいたそうです。

尾道ではたくさんの石造物を拝見してきましたが、この石門は間違いなく断トツナンバーワンインパクトを与えてくれた石造物でした!


ちなみにかつての石屋町は、現在スナックやパブが軒を連ねるディープエリアとなっております。


そんなこんなで、石門をくぐって境内へ。


●鐘楼

●鐘楼
・建立年不明
・瓦葺 入母屋造

鐘楼は鐘を撞くができませんでした。

基本的に尾道には鐘を撞けるお寺さんはありません。


尾道にはお寺さんが25ヶ寺あるといいます。

もし自由に25ヶ寺の鐘が撞けたなら、公害レベルの騒音問題になりそうだなぁ(笑)
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本堂と五劫思惟阿弥陀如来像

●本堂

●本堂
・建立年不明
・瓦葺 入母屋造

続いて、本堂で参拝。

ちなみに堂内拝観は300円です。

拝観料を払わなくても、お堂の外から御本尊さまを拝顔することができます。


本堂には五劫院と書かれた扁額がありました。

五劫院・・・

そうです、御本尊さまは五劫思惟阿弥陀如来さまです!


●五劫思惟阿弥陀如来像
・1702年作
・像高 約105cm
・檜材(?) 寄木造
・仏師 法橋安清 作
・広島県重要文化財

五劫思惟阿弥陀如来といえば、トレードマークのアフロヘアーがお茶目な仏さまです。

五劫とは無限に近いくらい長い時間という意味です。

もともとはノーマルのパンチパーマだったのでしょう。

しかし阿弥陀さまは人々を救うために、髪の毛を切ることを忘れてしまうくらい長い時間考え続けたといいます。

その結果がアフロヘアーというわけだ!


ちなみに落語の『寿限無寿限無 五劫のすり切れ』の五劫も長い時間を意味しています。


五劫思惟阿弥陀如来さまは、全国に16体しか存在しないという。

そのうちの1体が持光寺というわけだ。

しかも!

中国地方で、江戸時代以前の木造・五劫思惟阿弥陀如来像があるのは持光寺だけなんだとか!


他の五劫思惟阿弥陀さまに比べると、毛量のボリューム感を抑え、目鼻立ちがスッキリとした、どこか色気を感じるハンサムでスマートな五劫思惟さんでした。

いやはや、本日も珍しいものが拝見できて有り難き幸せ。
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観音堂と金毘羅堂と庫裏

●観音堂

●観音堂
・建立年不明
・瓦葺 入母屋造

続いて、本堂の隣にある観音堂を参拝。

御本尊は聖観音菩薩立像

脇侍に毘沙門天さまと不動明王さまが安置されています。


●金毘羅堂

●金毘羅堂
・建立年不明
・瓦葺 宝形造

続いて、金毘羅堂を参拝。

堂内には金毘羅大権現さんがお祀りされているみたいです。


ちなみに金毘羅大権現さんは仏さまが神様の姿になって現れた神仏習合の神です。


●狛犬
・1894年奉納
・構え獅子

神仏習合ということで、お堂の前には狛犬ちゃんがおられました。


ハッキリと見えなかったのですが、たぶん明治廿七年って書いてあるような気がするんだよね。

間違ってたら、スミマセン!


そんなことより、金毘羅堂の堂内は平田玉蘊さんの作品を展示する記念室になってるみたい!

ネットの情報によると、記念室には美人画など9点が展示されてるんだって。

土・日・祝日に一般公開されているそうですよ。


平田玉蘊さんは江戸時代後期に活躍した女性画家です。

頼山陽さんの恋人として知られています。

千光寺山ロープウェイ 山麓駅の近くにある慈観寺では尾道市の有形文化財に指定されている襖絵・桐に鳳凰図を拝観することができますよ。


●庫裏

●庫裏
・建立年不明
・瓦葺 妻入り切妻造

庫裏には花頭窓が2つありました。

なぜか尾道には、あの部分に個性を出す庫裏が多いです。


こちらは光明寺の庫裏。

あの部分が扇型になっています。


こちらは慈観寺の庫裏。

あの部分が菱形になっています。


こちらは妙宣寺の庫裏。

あの部分が寺紋になっています。
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臥龍の松と国東塔と六地蔵

●臥龍の松

続いて、臥龍の松を観察。

もともとここには長さ約25mにも及ぶ松の木があったそうですが、1998年に枯れてしまったという。。


そんなこんなで、現在は根っこの部分だけが残っています。


かつては尾道市の天然記念物で、龍が地面に臥してるように枝を伸ばしていることから臥龍の松と呼ばれてたんだって。


●国東塔

●国東塔
・室町時代建立

境内には古そうな五輪塔・・・

・・・いや、待て!

これは五輪塔じゃない、国東塔だ!

国東塔がなぜ尾道に!?

ちなみに国東塔とは、その名の通り大分県国東半島を中心に分布する宝塔です。

国東塔は日本に約500基あるといわれていますが、そのうち約9割が国東半島に集中しているという!

なんと!

この国東塔は広島県で唯一の国東塔なんだとか!

いやはや、本日も珍しいものを拝見できて有り難き幸せ。

●国東塔とは?

~画像は富貴寺(大分県豊後高田市)より~

国東塔とは塔身の下に蓮華座がある宝塔のことです。

国東半島で独自の発展を遂げた石塔で、納経・家門の繁栄祈願・墓標・生前供養・追善供養などを目的として造られた塔です。

富貴寺の御朱印~国宝・日本三大阿弥陀堂~(大分県豊後高田市)
所在地大分県豊後高田市田染蕗2395宗 派天台宗札 所国東六郷満山霊場 第2番由 緒718年、仁聞菩薩が開創したと伝わりますが詳細は不明。宇佐神宮大宮司の到津家に伝わる古文書(1223年)に『蕗...


●六地蔵

続いて、六地蔵さんを参拝。

尾道には六地蔵さんがいるお寺が多いです。

私が参拝したお寺には、ほとんどと言っていいほど六地蔵さんがおられました。


その他、境内には石仏などの石造物が点在していました。


あと、不思議な亀石(?)もありました。


ちなみに境内に隣にある土堂小学校は、大林宣彦監督林芙美子さんの母校なんだとか!


●二階井戸

●二階井戸
・江戸時代後期建立

そういえば、踏切と石門(山門)の間に二階井戸と呼ばれる井戸がありました。

なんだこれ!?

と思ったら、坂道の町・尾道の智恵が生み出した貴重な文化遺産でした!


二階井戸とは、階段や坂道を上ったり下りたりせずに、2階から井戸を汲み上げることができるという画期的な井戸!

当時の人々の工夫を感じることができる珍スポットでした。

ちなみにこの二階井戸は個人所有の文化遺産とのことです。

にぎり仏

●にぎり仏

どうやら持光寺はにぎり仏が人気のお寺さんのようです。

●にぎり仏の作り方

①棒に刺した粘土の上部を残して願いを込めながら左手でギュッと握る。

②粘土上部をつまみ出し、耳と口をつくる。そして顔を描く。

③背中に持光寺の印を押し、名前と制作日を書く。

※ あとは御住職が心を込めて焼き上げ、自宅に送って頂けます。

手順はたったそれだけ!

こんな感じで、簡単に世界に1つだけのMy仏様の出来上がるという。

旅の思い出にいいかもですねぇ~。


ちなみに、にぎり仏は住職さんが作陶中に、手に持っていた粘土が仏の顔に見えたことがきっかけなんだとか。

●にぎり仏体験 料金
・1500円(送料別)

●にぎり仏体験 時間
・8:00〜16:30

寺宝

●絹本著色普賢延命像

●絹本著色普賢延命像
・1153年作
・縦 約149cm
・横 約86.5cm
・国宝

なんと持光寺に伝わる絹本著色普賢延命像国宝だという!

ちなみに尾道には4件の国宝があります。

そのうちの1つがこの絹本著色普賢延命像というわけだ!

●尾道の国宝
①浄土寺 本堂
②浄土寺 多宝塔
③持光寺 絹本著色普賢延命像
④向上寺 三重塔
※絹本著色普賢延命像は通常・非公開となっております。


絹本著色普賢延命像は鳥羽法皇の命により愛する御子・近衛天皇のご息災を祈願して作られたものといわれています。

修理時に延命像仁平三年四月廿一日供養の墨書が発見されたことにより、平安時代末期(1153年)の作であることが判明したそうです。

平安時代の仏画のうち、制作年代の明らかな基準作として貴重な作品といわれています。

さらになんと!

二十臂の延命像としては最古のものなんだと!

ちなみに1度拝むと寿命が延びるといわれています。


●その他の寺宝

その他、持光寺にはたくさんの寺宝があります。

・釈迦八相図(県重文)
・仏涅槃図(県重文)
・釈迦三尊坐像(市重文)
・阿弥陀如来立像(市重文)
・聖観音菩薩立像(市重文)
・阿弥陀三尊来迎図(市重文)
・釈迦三尊十六善神像(市重文)
・愛染明王像(市重文)
・八面荒神像(市重文)
・楊柳観音像(市重文)
・説相箱(市重文)

御朱印情報


そんなこんなで参拝後、御朱印を頂くために納経所へ。


木板を叩いてお寺の方を呼びました。

そして記念すべき尾道七佛めぐり1つ目の御朱印を頂きました!


●通常の御朱印


●尾道七佛めぐり 宝印紙

尾道七佛めぐりでは、3種の授与品があります。

①専用朱印色紙
・専用朱印色紙(500円)
・御朱印(各寺300円)

※7ヶ寺すべての御朱印を集めると、最後のお寺で満願成就印を頂けます。そして色紙を入れられる掛け軸を頂けます。


②宝印紙
・宝印紙(各寺500円)

※ 7ヶ寺すべての宝印紙を集めると、尾道帆布特製の朱印帳袋を頂けます。


③お守りブレス念珠
・パワーストーン(各寺500円)
・ブレス念珠の作り方セット(300円)

※ 7ヶ寺すべてのパワーストーンを集めると、ブレス念珠を作ることが出来ます。

尾道七佛めぐりは特に決まりごとはなく、どのお寺から巡ってもいいし、どの順番で巡ってもいいし、どの授与品を集めてもいいです。

ちなみに私は②宝印紙を集めることにしました。

本当は全部集めたかったのですが、お金が・・・(笑)


そんなこんなで、納経所で宝印紙を頂くと、リーフレットと宝印紙を入れる封筒と、ビニール袋を頂けました。

この中で大事なのは宝印紙を入れる封筒です!


各寺で宝印紙を頂くと、封筒に各寺の印鑑を押して頂けます。

この印鑑をコンプリートすると記念品の尾道帆布特製の朱印帳袋が頂けるというシステムになっています!


そんなこんなで、参拝終了。

いやはや、素敵なお寺さんでした。

次の天寧寺へ向けてGO!

●御朱印情報

●御朱印の種類
・通常の御朱印
・尾道七佛めぐり(専用色紙)
・尾道七佛めぐり(宝印紙)

●御朱印の料金
・通常の御朱印(300円)
・尾道七佛めぐり 専用色紙御朱印(各寺300円)
・尾道七佛めぐり 宝印紙(各寺500円)

●御朱印の受付場所
・納経所

●御朱印の受付時間
・9:00~17:00

●期間限定・特別御朱印
・なし

●オリジナル御朱印帳
・なし

・2009年2月15日 参拝
・2024年1月7日 再訪
・2024年2月 最終更新

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参拝情報とアクセス

●開門時間
・不明

●拝観時間
・堂内拝観 9:00~16:30

●拝観料
・堂内拝観 300円

●最寄りの駅
・JR尾道駅から徒歩10分

●最寄りのバス停
・おのみちバス
 芙美子像前 バス停から徒歩3分

●最寄りのIC
・山陽自動車道
 福山西ICから車で20分

・山陽自動車道
 尾道ICから車で20分

●駐車場
・なし

※持光寺には駐車場はありません。
ですので、車で参拝する際は近隣の有料駐車場を利用することになります。

持光寺の地図

 

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