佐太神社の御朱印~三殿並立の大社造に度肝を抜かれる~(島根県松江市鹿島町)

所在地島根県松江市鹿島町佐陀宮内73
祭 神正中殿
佐太大神・伊弉諾尊・伊弉冉尊・速玉男命・事解男命
北殿
天照大神・瓊々杵尊
南殿
素盞嗚尊・秘説四柱
社 格出雲国二宮・式内社
由 緒秋鹿郡佐田大社之記によると垂仁54年(西暦25年)に創建、717年に再建と記載されているそうです。1256年の社領注進状には、杵築大社(現・出雲大社)に匹敵するほどの社領を有していたと記載されており、当時は伊弉冉尊の陵墓である比婆山の神陵を移し祀った社といわれていたそうです。そのため、旧暦10月は母神である伊弉冉尊を偲んで八百万の神々がこの神社に集まることから、神在の社と呼ばれているそうです。桃山時代、太閤検地により大幅に社領を減らされたそうです。
HP佐太神社公式ホームページ
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佐太神社とは?

●ザックリと簡単に佐太神社とは?

出雲国風土記には佐太御子社
延喜式神名帳には佐陀神社と記載されている古社です。

出雲国二宮
・出雲大社・熊野大社とともに出雲国の三大社の1つ
・延喜式神名帳に記載されている式内社
出雲国神仏霊場 第4番
・別名・神在の社
三殿並立の大社造がある珍しい神社
佐陀神能がユネスコ無形文化遺産

などなど様々な肩書きを持つ神社です。

かつては杵築大社(現・出雲大社)に匹敵するほどの社領を有していたんだって。
そのため、佐陀大社と称していた時期があったそうです。

一体、どんな神社なんでしょ。
ドキドキワクワクです。
そんなこんなで、参拝開始!
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鳥居と狛犬と手水舎と随神門

●鳥居

●鳥居
・建立年不明
・明神鳥居

境内の背後には、三笠山という小さな山を望むことができました。

出雲国風土記に『神名火山のふもとに座す』と記載されていることから、かつては現在地より約2kmほど離れた標高341mの神名火山(現・朝日山)のふもとに鎮座していたと思われます。


●神名火(かんなび)とは?
ザックリと簡単にかんなびとは、神の隠れこもれるという意味です。
ということでかんなび山とは、古代の人々が信仰の対象として祀っていた山ということを意味します。

ちなみに松江・出雲地方には、意宇郡・秋鹿郡・楯縫郡・出雲郡にかんなび山があります。
・意宇郡・・・神名備野(茶臼山)
秋鹿郡・・・神名火山(朝日山)
・楯縫郡・・・神名樋山(大船山)
・出雲郡・・・神名火山(仏経山)


●狛犬
●狛犬
・建立年不明
・出雲丹後型

島根は来待石の産地だけあって、来待石の石造物が多いです。


●手水舎

●手水舎
・建立年不明
・銅板葺 切妻造

末広がりの太い柱が印象的な手水舎でした。
ちなみに、手水鉢は1786年作で清原太兵衛が寄進したものなんですって。

●清原太兵衛とは?
ザックリと簡単に清原太兵衛とは、江戸時代に活躍した松江藩士で、水害対策として佐陀川を開削したお方です。
現在、宍道湖から日本海まで続く佐陀川は、このお方が作ったという!


●随神門

●随神門
・建立年不明
・銅板葺 切妻造
・三間一戸の八脚門

随神門には豊磐間戸神と櫛磐間戸神が祀られてました。

豊磐間戸神 → トヨイワマドの神
櫛磐間戸神 → クシイワマドの神と読みます。

ちなみにこの2神は、アマテラスが天岩戸から出た後、新殿に遷座した際、殿の門を守衛した神様です。
神社でよく見かける随神門には、大体この2神が祀られてます。

お寺でいう仁王さんみたいな役割のお方です。
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本殿

●本殿

●本殿
・1807年建立
・檜皮葺 大社造
・国指定重要文化財


そんなこんなで、はいドーーーン!
なんと大社造の本殿が3つ横並びになってるという!
このような社殿のことを三殿並立と呼ぶそうで、全国的にも珍しい形式なんだって!


ちなみに三殿並立の本殿は
左 → 南殿
中 → 正中殿
右 → 北殿
となっております。

基本、神社界は南向きの世界ですが、こちらの本殿は全て東向き。
3殿ともに、千木は全て外削ぎ(男千木)となっております。

それにしても大きな大社造だなぁ。
どうやら佐太神社の大社造は、出雲大社に次ぐ大きさなんだって。
そりゃデカいわけだ。


●南殿

通常、大社造は向かって右側に入口があるのですが、南殿だけ左側に入口があるという!
ということで、南殿は通常の大社造とは全く逆の構造になってるという。
そんなこんなで、この南殿は全国に例のない超特殊な大社造となっております。


そんなこんなで、本殿の内部を想像してみる。
男神が祀られているので、おそらく内部は男造の本殿。
入口が逆ということで、おそらく御神座の位置も通常と逆なんだろうなぁ。
当然、御神体の向きも逆なんだろうなぁ。

ということで、内部はこんな感じ???
南殿と北殿の御神体は正中殿の方を向き、南殿と正中殿は見つめ合ってるという。


●北殿

北殿は通常の大社造で、右側に入口があります。


●祭神と神紋

●正中殿
・佐太大神・伊弉諾尊・伊弉冉尊・速玉男命・事解男命を祀る
・神紋は扇の地紙

佐太大神とは、出雲国風土記に出雲国内四大神の1柱と記載されている神様です。

なんと!
佐太大神は猿田彦命のことなんだって!
しかし、出雲風土記にはこのことは書かれておらず、佐太大神 = 猿田彦命説は江戸時代の国学者が唱えた説だといわれています。
ということで、佐太大神が猿田彦命となる以前は、別の神様が祀られていたのではないかともいわれてます。

●北殿
・天照大神・瓊々杵尊を祀る
・神紋は輪違

●南殿
・素盞嗚尊及び秘説四柱を祀る
・神紋は二重亀甲

それにしても秘説四座という謎の神様の正体は・・・???
この四座は一体誰のことなんでしょ?
名前は公式公開(?)されておらず、とってもシークレットな神様です。
調べてみてもわかりませんでした!


●早人(はやと)

南殿と北殿内には、早人像が祀られているんだって。
ちなみに早人とは、元寇の際に捕虜となった蒙古人88人のことらしいです。 その早人を、佐太神社の守護人とし、木造の早人像をつくって祀ったんだって。

ちなみに、一般公開はしてないみたいです。
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母儀人基社

●イザナミのお墓!?

●母儀人基社
・伊弉冉尊を祀る

神社の背後にある三笠山にはイザナミを祀る磐境があります。
なんとこの磐境!
比婆山のイザナミの陵墓を遷し祀ったものだという!

そのため、旧暦10月はイザナミを偲んで八百万の神々がこの神社に集まることから、佐太神社は神在の社と呼ばれるようになったそうです。

本当にイザナミの陵墓を遷し祀ったのかは定かではありませんが、公式ホームページによると『おそらくは、古代祭祀の対象であり、社殿創建以前の御神座ではないかと思われます。』と書いてありました。
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ちなみにこちらがイザナミの御陵がある比婆山久米神社の参拝記です。
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田中神社

●因縁の2柱がプンプンしている社!

●田中神社
・東社・・・磐長姫命を祀る
・西社・・・木花開耶姫命を祀る

佐太神社から約100m離れた所に、北殿の摂社・田中神社があるのですが、祀られている神様がなんとイワナガヒメコノハナサクヤヒメという!

この2柱は、ニニギの不美人返却事件に登場する神様です。
しかも面白いことに、2つの社は背を向けて並んでいるという!
縁結び縁切りの社が背中合わせになってるんです!

さすがにああいうことがあると、仲良く向き合って鎮座することはできませんよね(笑)
しかも、田中神社はニニギを祀る北殿の摂社というところも面白いですね!
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こちらでニニギの不美人返却事件のことを書いてます。

その他、境内社と厳藻(いづも)掛け

●境内社

●北末社
・山王社・・・大己貴命を祀る
・宇智社・・・天児屋根命を祀る
・玉御前社・・・玉屋姫を祀る
・竹生島社・・・竹生島神(稲倉魂命)を祀る

●南末社
・戸立社・・・手力雄命を祀る
・振鉾社・・・天鈿女命を祀る
・垂水社・・・垂水神を祀る
・天神社・・・菅原道真を祀る

●随神社
・南社・・・天忍日命を祀る
・北社・・・大来目命を祀る


●厳藻(いづも)掛け

境内には海藻がお供えされてました。

この神聖な海草は、厳藻(いづも)と呼ばれ、出雲という語源の由来になったといわれています。


●扇子のおみくじ

扇子型の神紋からきたのでしょうか。
おみくじが扇子でした。

ミニ扇子、かわいいですねぇ。

神在祭

●神在祭

一般的に旧暦10月は神無月ですが、全国の神様が出雲へ集まる出雲地方では神在月と呼ばれてます。

全国から集まった神様達は、旧暦10月11日~17日まで7日間、出雲の様々な神社で話し合いを行います。


●八百万の神々は何を話し合っているのか?
ズバリ!
縁結びの話し合いをしてるのです!
縁結びといっても、恋愛関係の縁結びだけではなく、人間関係のことやお金のことや仕事のことや、人生のあらゆる縁結びを話し合ってるそうです。

むずかしい話ですが、厳密にいえば話し合いではなく神議りという神事によって決められています。

そんなこんなで出雲は、全国から神様と参拝者が集まる大人気の縁結びスポットなんですな。

ちなみに佐太神社の神在祭
・11月20日~25日・30日(神在祭)
・5月20日~25日・31日(神在祭裏祭)
です。

現在、出雲の様々な神社で神在祭を行っていますが、佐太神社の神在祭は文献上、最も古い神在祭といわれています。

佐陀神能

●佐陀神能

毎年9月24日の夜に行われる御座替(ござがえ)神事で舞われる佐陀神能は、ユネスコ無形文化遺産に指定されています。

なんと、佐陀神能は出雲神楽の源流なんだって!

御朱印情報

●御朱印情報
御朱印は種。
通常の御朱印出雲国神仏霊場・第4番の御朱印が頂けます。

いずれの御朱印も社務所で頂けます。
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佐太神社の地図

 

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