岩屋寺の御朱印|四国霊場 第45番|山奥の海!岩波に飲み込まれたお堂|四国八十八ヶ所 車遍路の旅(愛媛県上浮穴郡)

所在地愛媛県上浮穴郡久万高原町七鳥1468
宗 派真言宗豊山派
札 所四国八十八ヶ所 第45番
前後札所 ・前 → 第44番札所・大宝寺
・後 → 第46番札所・浄瑠璃寺
本 尊不動明王
真 言 のうまく さんまんだ ばざらだん
せんだ まかろしゃだ そわたや
うんたらた かんまん
由 緒その昔、この山で女性の法華仙人が修行をしていたそうです。その女性は、空中を自在に飛行できる神通力を身につけていたという。 815年、空海(弘法大師)が修行の霊地を探してこの山に入山した際、法華仙人と出会ったそうです。そして法華仙人は空海の修法に篤く帰依し、全山を献上したといわれています。その後、空海は木像と石像の不動明王を刻み、木像を本堂に安置し、石像を洞窟に安置。そして山全体を本尊としたそうです。 鎌倉時代中期、このお寺で一遍上人が修行したといわれています。明治時代、全山を焼失するという災難に見舞われますが、その後に再建し、現在に至るそうです。
HP四国八十八ヶ所霊場 第45番札所 海岸山 岩屋寺

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岩屋寺とは?


四国八十八ヶ所の第45番札所であります岩屋寺に到着。

第44番札所・大宝寺から11.5km。
徒歩2時間25分。
車で15分のところに位置しています。

岩屋寺と書いていわやじと読みます。

●岩屋寺とは?

その昔、この山で土佐出身の法華仙人という女性が岩窟に籠るなどの修行をしていたという。

法華仙人は法華三昧を成就。

そして、空中を自在に飛行できる神通力を身につけていたそうです。


815年のある日。

修行の霊地を探していた弘法大師がこの山に入山した際、山中で法華仙人と出会ったそうです。

そして法華仙人は、弘法大師の修法に篤く帰依し、自分のホームグランドである全山を弘法大師に献上したそうです。

そんなこんなで、弘法大師は木像石像の不動明王を彫刻。

木像を本堂に安置。
石像を洞窟に安置。
そして、山全体を本尊としたそうです。


鎌倉時代中期、時宗の開祖・一遍上人が参籠し、修行をしたといわれています。

このことは一遍聖絵(国宝)にも描かれているという。

一遍聖絵には、不動尊像をはじめ、護摩炉壇・仙人堂・49院の岩屋・33の霊窟などが描かれていることから、少なくとも鎌倉時代中期まではこれらのお堂がそのまま残っていたことがわかります。


その後、いつからか第44番札所・大宝寺の奥の院とされていた時代があったそうですが、1874年に初代住職が着任し、岩屋寺として再スタート。


しかし、1898年に仁王門と虚空蔵堂を残して全山を焼失。。

その際、お寺の史料や宝物のほとんどを焼失してしまったという。。

その後、再建して現在に至るそうです。


標高785mの岩屋山。

その岩屋山の中腹・標高585m付近にある岩屋寺は、四国八十八ヶ所の中で4番目に高い位置にあるお寺さんだという。

815年から続く歴史ある山岳霊場で、山全体が御本尊・不動明王として信仰されている珍しいお寺さんです。

また、四国八十八ヶ所の中で唯一車でお堂の近くに行けないお寺で、駐車場から30分近く参道を登らないと本堂に辿り着けないという。

ということで、この岩屋寺は車遍路にとって最大の難所といわれてるんだって。
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仁王像と山門と手水鉢と鐘楼

●お土産屋さん

そんなこんなで、参拝開始。

まず最初に登場するのはお土産屋さん。

参道脇には数軒のお店が建ち並んでいました。


はいはい、よくあるヤツね。

と思ったら、剃り込みが!
もしかして、ヤバい系の方なのかな、、、と思ったら、光りの反射でした(ほっ)

というか、誰やね〜〜〜ん的な。


●境内入口

そんなこんなで、境内入口に到着。

なんか視線を感じるなぁ〜と思ったら、なんと石柱の上には仁王さんがおられるという!

もしかしたら、これは四国霊場最小仁王像かもしれませんね。


●参道

そんなこんなで石柱を抜けると、長〜い参道に突入。

このお寺は、境内の標高差が大きいことで知られています。

駐車場から本堂までは約800m坂道階段が続き、本堂に辿り着くまで約30分もかかるという!


●山門

●山門
・1934年建立
・銅板葺 軒唐破風付き入母屋造
・四脚門

そんなこんなで、坂道を登ると参道途中に山門が登場。

大きな屋根と気合いの入った組物に圧倒されたひと時でした。

四脚門というと切妻が多い中、入母屋で勝負しているところにグッときました。


扁額には山号の海岸山

こんな山奥なのに海岸山ってどういうこと・・・!?


どうやら、弘法大師は修行の霊地を求めて明王鈴を投げていたそうです。

そんなこんなで、明王鈴の音を頼りに旅をしていたら、この地に辿り着いた的な!

そして

山高き 谷の朝霧 海に似て
松吹く風を 波にたとえん

という歌を詠んだんだって。

どうやらお大師さまは、高い山にかかる霧をに、そして風に揺れる松をに例えたみたいです。

そんなこんなで、海岸山 岩屋寺と名付けられたんだって。

いやはや、さすがお大師さまです。
歌の才能もあるんだね。

天才だぁ。


そんなこんなで、山門をくぐると再び長〜い階段が登場。

本堂まではまだまだのようです。

ちなみに階段は266段あるそうですよ。


●極楽橋

続いて、鬱蒼と生い茂る木々の中に極楽橋が登場。

極楽橋の先では、たくさんの石仏さんがお出迎えしてくれました。


●参道

そして再び階段を上る。

本堂に近づくにつれて幟旗の数が増えてきました。

信徒さんたちの信仰心の厚さが伝わりますねぇ。


前半にゆとりをもって立て過ぎたせいか、後半はこんな状態になってました。

ペース配分!(笑)


●手水鉢

そうこうしていると、メインエリアに到着。

そんなこんなで、手水鉢でお清め。


●鐘楼

●鐘楼
・1952年建立
・銅板葺 切妻造

鐘楼は6本柱の吹き流し形式。

このタイプの鐘楼は第26番札所の金剛頂寺にもありました。

金剛頂寺では、6本の柱は天皇の勅命によって建てられた証し・・・とのことでしたが、この岩屋寺の鐘楼にもそのような意味があるのでしょうか?

何はともあれ、柱の本数で格式の高さを表しているみたいです。

そんなこんなで、鐘をひと撞き。

御本尊さまとお大師さまにご挨拶。
金剛頂寺の御朱印|四国霊場 第26番|弘法大師が初めて創建した勅願寺|四国八十八ヶ所 車遍路の旅(高知県室戸市)
所在地高知県室戸市元乙523宗 派真言宗豊山派札 所四国八十八ヶ所 第26番前後札所・前 → 第25番札所・津照寺・後 → 第27番札所・神峯寺本 尊薬師如来真 言おん ころ...
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本堂と阿弥陀窟

●本堂

●本堂
・1927年建立
・銅板葺 軒唐破風付き入母屋造

●本尊
・不動明王

●真言
・のうまく さんまんだ ばざらだん
 せんだ まかろしゃだ そわたや
 うんたらた かんまん

続いて、本堂で参拝。

岩屋寺という名の通り、勇ましい巨岩に包まれたようなお堂でした!

ちなみに、この巨岩は金剛界峰と呼ばれてるんだって。


由緒に書いていたとおり、弘法大師はお寺を創建する際に山全体を本尊としています。

ということで、この本堂は本尊の山と一体になるように建てられてるんだって!

見上げると岩のビッグウェーブに飲み込まれそうな気分!

スゴい迫力だぁ~。


本尊は不動明王さん。

秘仏のため拝顔することはできませんでしたが、お前立ちの不動明王坐像と、脇仏の赤い制吒迦童子と白い矜羯羅童子を拝顔することができました。

ノウマクサンマンダ・・・
・・・ウンタラタカンマン

お不動さんの真言はとっても長いので、いつも口がもつれちゃう私です。

ですので、真言を唱えるだけでかなりの修行感を感じてしまう・・・。

そんな中、夏木ゆたかばりに早口で唱えているベテラン遍路さんがおられました。

なんか、カッコよかったなぁ!

ちなみに、毎月28日に護摩祈祷が行われているそうですよ。


●阿弥陀窟

岩壁には石龕のようながたくさん空いていました。


ということで、カメラをズームにして確認してみると、穴の中には小さな仏さんがおられました。

一見、観音さん?

と思いましたが、どうやら青銅製阿弥陀如来立像のようです。

岩の迫力がスゴすぎるため、やたらと小さく見えちゃいますが、なんだかんだ1mくらいはありそうです。


この阿弥陀さんの由緒は不明ですが、少なくとも江戸時代には存在が確認されていたんだって。

ちなみに、いつ誰がどうやって安置したのかは不明とのことです。

そのため、別名・飛来の阿弥陀と呼ばれてるんだって。

飛んできたのかー!

浪漫があっていいなぁ。
こういうエピソードは大好物です。
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大師堂

●大師堂

●大師堂
・1920年建立
・銅板葺 宝形造
・本尊 弘法大師

続いて、大師堂で参拝。

南無大師遍照金剛・・・
南無大師遍照金剛・・・
南無大師遍照金剛・・・

それにしても見応えのあるお堂でした。


なんと、向拝の柱が4本もあるというね!

このように左右に2つの柱を用いることを双子柱と呼ぶんだって。


しかも、柱にはマラカスのような彫刻があるという!

牡丹かな? と思ったら、なんとこちらは薔薇の花だという!

なんだ、この西洋感はっ!

そんなこんなで、初めて拝見する双子柱薔薇の彫刻に軽い衝撃を受けつつ、さらに観察を続ける。


すると柱の上部が細くなってることに気づきました。

このような柱のことをエンタシスと呼びますが、寺社建築でエンタシスを用いるのはかなりレアでハイカラです!

なんだ、この西洋感はっ!

ちなみに、エンタシスはギリシャ神殿など西洋の古代神殿で用いられる技法です。

日本では奈良・法隆寺など古いお寺で見ることができますよ。


さらになんと!

双子柱同様、手挟み左右に2つずつあるという!

こんなの初めて拝見しましたよ。

柱が双子柱なら、手挟みは双子手挟みと呼んでいいかな?


木鼻は獅子。

そして蝶、もしくは蛾のような木鼻も特徴的でした。


どうやら、この個性丸出しのお堂は、愛媛県出身で大蔵省営繕管財局技手などを務めた河口庄一さんが設計したもののようです。

そして、大工は窪田文治郎というお方のようです。

伝統的な仏堂建築に西洋のディテールを取り入れた近代仏堂の代表作と呼ばれてるんだって。

それにしても、大正時代に建立された比較的新しい建物なのに国重文に指定されているというところが面白いなぁっと思いました。

近代建築の国重文は他にもありますが、近代の寺社建築で国重文なのはレア度が高いです。

ちなみに、本堂より大師堂の方が大きくて立派なのは、山全体が本尊だからなんだって。

見た目には本堂の方が小さいけど、山全体が本尊すなわち本堂なので、圧倒的に本堂の方がデカいということなんですね。

こういう考え方、好きだなぁ。

いやはや、刺激的なお堂でした。
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法華仙人窟跡

●法華仙人窟跡

本堂の横には法華仙人窟跡という岩窟がありました。

なんとこの岩窟は、自在に空を飛び回っていた法華仙人が修行をしていた場所だという!


さらになんと、ハシゴで岩窟まで登れるという!

そんなこんなで、岩窟に向けてGO!

見た目以上に急なハシゴだったので、足がプルプルでした。

これ、多分、過去に落ちた人いるんじゃないの!?

●法華仙人窟跡の注意書き

①危険な場所ですので転落しないように注意する。

②ハシゴが急なので、1人ずつ慌てずゆっくりと昇降する。

③1度に3名以上は登らないこと。

④手すりには体重をかけないこと。

⑤参詣所ですので、場所をわきまえた行動をすること。

⑥万が一不注意によって怪我をしても責任は負いません。

とのことです。

ということで、法華仙人窟跡を参詣する際は、安全とモラルに気を付けて自己責任でヨロシクです。


そんなこんなで無事、法華仙人窟跡に到着。


岩窟内には木製五輪塔がありました。

以前はここにお堂が建っていたそうですが、火事で焼失してしまったみたいです。。

それにしても、どんなお堂だったのだろう?

鳥取の投入堂みたいなお堂だったのかなぁ?


それにしてもなかなかの絶景でした。

ここで法華仙人が修行をしていたのかと思うと、ちょっとワクワクした気持ちになります。

空を飛んでる気分になりましたよ。


法華仙人窟跡から境内を望む。

・手前 → 本堂
・奥 → 大師堂


ちなみに、降りるときは最高に怖かったです!

穴禅定(お水供養所)

●穴禅定(お水供養所)

本堂の近くには穴禅定という洞窟もありました。

そんなこんなで、入洞。


洞窟内は戒壇巡りなみに真っ暗でした。

ぼんやりとした灯りがあるのですが、目が悪いので足元が何も見えないのですよ・・・。

まるで目隠しをして歩いてる状態・・・こりゃ無理だぁ〜。

とかなんとかブツブツと言っていたら、遍路のお婆ちゃんが手を握ってきて『ついて来なさい』って(笑)

なんだ、この男前なお婆ちゃんはっ!

一瞬、惚れかけましたよ(笑)

そんなこんなで、お婆ちゃんと手を繋いで暗闇でデート。


洞窟を10mほど進むと、正面にかなえる不動、左側に2体のお地蔵さんがおられました。

そして最終地点に弘法大師像と、弘法大師が掘った霊水が湧き出ていました。

そしてここで初めてお婆ちゃんの顔を確認。

お婆ちゃんだと思っていたお方は、実はピチピチの美女だった・・・という、おとぎ話を期待していましたが、それはなかった(笑)

何はともあれ、あの時のお婆ちゃん、ありがとうございました!

仁王門と方丈

●仁王門

●仁王門
・1790年建立
・銅板葺 入母屋造
・三間一戸 楼門
・久万高原町指定有形文化財

そんなこんなで、さらに境内を散策していると仁王門が登場!

ここにきて仁王門とはっ!

もしかして参拝順を間違えてしまったのかぃ!?

と思ったら、もともとはここが境内入口だったみたいです。

現在でも山越えの遍路道から来る歩き遍路さんは、ここが境内の入口になってるんだって。

ということで、車遍路の場合は仁王門をくぐって境内に入ることはないとのことです。


そんなこんなで、仁王さんにご挨拶。

とにかく、足のサイズが気になる仁王さんでした!

少々のことでは倒れない・・・それくらい大きな足ですが、微妙によろめいているところが面白かったです。

これはなかなかの個性派ですねぇ。


ちなみに、仁王門の先には三十六童子行場逼割禅定鎖禅定(奥の院)があるそうですよ。


●方丈

方丈は完全に岩波に飲みこまれていましたよ!

これ、ほんとどうなってるの?

どうやって建てたのよ・・・やっぱ、これはお大師さまのお力なのかなぁ。

その他、境内には宿坊の遍照閣や虚空蔵菩薩堂などがありました。


そんなこんなで参拝後、休憩所でサイダーをガブ飲み。


そして下山後、ラムネをガブ飲み。

とにかく暑かった〜。

御三戸嶽

●御三戸嶽

ちなみに次の札所に向かう途中、面河川沿いを走っていたら御三戸嶽と呼ばれる巨大な奇岩に遭遇しました!

なんだか、すんごい神秘を感じちゃったので立ち寄ることに。


この御三戸嶽は、太陽光の反射が岩肌に映って変化することから七面鳥岩と呼ばれてるんだって。

さらに形が軍艦に似ていることから軍艦岩とも呼ばれてるんだって。


それにしても、何だよこの神秘的なブルーはっ!

仁淀ブルーならぬ、面河ブルーと勝手に命名。

とにかく暑いので入っちゃう。

お経も読んじゃう。

四国は自然が豊かなので、移動中も楽しいです。


そんなこんなで、参拝終了。

第46番・浄瑠璃寺へ続く。

次の札所
浄瑠璃寺の御朱印|四国霊場 第46番|お釈迦様の部位が点在する御利益のよろず屋|四国八十八ヶ所 車遍路の旅(愛媛県松山市)
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御朱印情報

●御朱印の種類
・四国八十八ヶ所の御朱印

●御朱印の受付場所
・納経所

●御朱印の受付時間
・7:00~17:00

●御朱印の料金
・500円

●期間限定・特別御朱印
・なし

●オリジナル御朱印帳
・なし

・2010年6月5日 参拝
・2024年3月 最終更新
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参拝情報とアクセス

●拝観料
・無料

●宿坊
・なし

●前後札所
・第44番札所・大宝寺へ11.5km
 徒歩2時間25分
 車で15分

・第46番札所・浄瑠璃寺へ31km
 徒歩6時間
 車で40分

●最寄りの駅
・なし

●最寄りのバス停
・JR松山駅から
 JR四国バスの久万高原線・落出行きに乗車
 久万中学校前で途中下車
 伊予鉄南予バス・面河行きに乗り替え
 岩屋寺 バス停で下車

●最寄りのIC
・松山自動車道
 松山ICから車で45分

●駐車場
・有料の民営駐車場あり

・駐車台数 105台
・駐車料金 300円

岩屋寺の地図

 

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