長尾神社の御朱印~加計神楽を堪能する~(広島県山県郡安芸太田町大字加計)

所在地広島県山県郡安芸太田町大字加計3303
祭 神主祭神
宗像三女神
相殿神
大年神・水波能売神・大山祇神・埴安神
由 緒創建年は不詳。社伝によると、1055年に備前国・児島の佐々木光綱が社殿を修復。1268年に光綱の子・泰綱が神主となったそうです。その後、1533年に再建、1596年に改築。古くより毛利氏から崇敬されてましたが、毛利氏の萩移封後に広島を治めていた福島正則に社領を没収されたそうです。1654年に焼失。その後、1655年に再建したそうです。
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鳥居と狛犬

●境内入口

●注連柱
・1934年建立

安芸太田町(旧加計町)の中心部を通る国道434号沿いに鎮座してます長尾神社に到着。

広島県の無形民俗文化財に指定されている湯立神事で有名な神社です。


●鳥居①

●鳥居①
・1915年建立
・石製・明神鳥居


●鳥居②

●鳥居②
・建立年不明
・木製・両部鳥居


●狛犬

●狛犬
・1842年建立(台座)
・広島玉乗り型(尾道型)

狛犬は広島の定番狛犬であります広島玉乗り型(尾道型)。

広島玉乗り型(尾道型)は、明治時代に一大ブームとなった狛犬で、北九州から瀬戸内海沿岸にかけてめちゃくちゃ多く分布しています。
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拝殿と本殿

●拝殿


●拝殿
・建立年不明
・瓦葺 唐破風向拝付き入母屋造

木鼻は獏と獅子。
龍の彫刻が素敵な社でした。


●本殿

●本殿
・1724年再建
・銅板葺
・三間社 春日造

説明板によると、もともとはこけら葺、もしくは檜皮葺の屋根だったそうです。

正面を三間とし、一間の唐破風向拝。
その格子天井に優れた天井画が残るという華やかな本殿とのこと。

内部の造りは、内陣・内々陣のみで外陣がないという、広島県内では例の少ない珍しい造りという。
このような造りは広島県内では、厳島神社・吉備津神社などの大社に見られる様式で格調が高い建物らしいですよ。


●主祭神
・宗像三女神

●相殿神
・大年神・水波能売神・大山祇神・埴安神

もともとは素戔嗚尊を祀っていましたが、後に厳島神社より宗像三女神を勧請したそうです。
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拝殿内の天井画と絵馬

●拝殿内の天井画

そんなこんなで、拝殿内へ。

まず真っ先に目がいくのは、豪華に飾られた天井画!
お寺で雲龍図の天井画に出会うことはよくありますが、神社で雲龍図があるのってちょっと珍しいですね!

雲龍図の周りには、干支の格子画が飾られてます。
と思ったら、ヤギ(?)やオオカミ(?)みたいな動物がいたり蝶々がいたり(笑)
どうやら格子画は干支縛りではないようですね。


●拝殿内の絵馬

そんなことより、拝殿内を1周する絵馬群が圧巻でした!
なんと、江戸期~明治期の絵馬25点が飾られてるという。

●神馬図(写真左)
・1818~1843年奉納

●歌仙図(写真右)
・1804年奉納


●八俣大蛇(写真左)
・1830年奉納

●神功皇后(写真右)
・1843年奉納


●天の岩戸(写真左)
・1872年奉納

●素尊大蛇退治図(写真右)
・1880年奉納


●橋弁慶(写真左)
・1902年奉納

●加藤清正図(写真右)
・1859年奉納
・佐々木古仙斎 作


●弁慶牛若丸(写真左)
・1859年奉納
・佐々木古仙斎 作

●錦旗奪還(写真右)
・1828年奉納 ・佐々木晴洲 作

その他、高松城水攻め(1813年奉納)・清正虎退治(1874年奉納)・実盛出陣(1818~1829年奉納)などの絵馬がありました。


※佐々木古仙斎とは?
1794~1870年に活躍した、山県郡大暮村(現・北広島町)出身の画家。

※佐々木晴洲とは?
1803~1856年に活躍した、大坂出身(現・大阪)の画家。
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加計神楽

●加計神楽

本日は五サー市に合わせ、拝殿内にて加計神楽が上演されてました。

なにぶん神楽好きなもんで、これはラッキー!


広島県内には約200の神楽団があるといわれ、そのうち約150の団体が芸北地方に存在しています。
いわゆる広島神楽です。

広島神楽(芸北神楽)とは?
ザックリと簡単に広島神楽とは、広島県の芸北地方(安芸高田市・安芸太田町・北広島町など)で盛んに行われる伝統芸能です。

石見神楽をルーツとし、演劇性・エンターテインメント性が強いのが特徴的な神楽です。
そのため、子供からお年寄りまで幅広い年齢層で人気があります。

広島県では神楽が奉納される神社が異常に多く、秋祭りなどで気軽に神楽を観賞することができるため、 広島人にとって神楽はとても身近な存在となっております。


神楽とは、文字通り神様を楽しませること。
一説によると、古事記・日本書紀でお馴染みのアマテラスの天岩戸隠れが起源といわれています。

岩戸に隠れたアマテラス(太陽神)をおびき出すために、元祖ストリッパー・天鈿女命が楽しそうに踊り狂いました。
それが神楽の起源なんだって。

そんなこんなで、1年のうちで1番太陽の力が弱まる時期に、太陽の再来と生命の再生を祈願した鎮儀式が、神楽の始まりと言われています。


いやはや~、至福のひと時。

神楽って面白いなぁ。


●湯立神事

●湯立神事
・広島県指定無形民俗文化財

長尾神社の湯立神楽は、江戸時代中期から伝わっており、祭祀の前に神事を行い、続いて湯立の舞を奉納するという他に例の少ない神楽なんだって。

湯立の舞は、素面の舞人3人が幣と鈴、または剣と鈴を手にして、釜の湯が熱して沸き立ち、その中に立てた3本の小幣が激しく動く様を、序・破・急の舞で表現するものらしいです。

また、素面で舞う湯立は、全国的に珍しいということで、1963年に広島県無形民俗文化財に指定されました。
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境内社

●愛宕神社

●愛宕神社
・建立年不明
・瓦葺 流造
・火之迦具土神を祀る(多分)

火伏せの神様です。


●護国神社(?)招魂社(?)

・建立年不明
・銅板葺 流造

社の棟に陸軍の紋章である☆マークがあったので、おそらく護国系の社だと思われます。


●境内社の狛犬
・1934年建立
・広島玉乗り型(尾道型)


●境内の風景

その他、樹齢約1000年の大公孫樹や、寒地には珍しい鹿子木の大樹があります。


境内から加計の町並みを望む。
いやはや~、素敵な時間でした。

御朱印情報

●御朱印情報
御朱印は社務所で頂きました。
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長尾神社の地図

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